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薬剤師ネクスト経営塾

ヘプセラ錠10

作成又は改訂年月

** 2017年12月改訂 (第12版)(下線:改訂箇所)
* 2017年5月改訂 (第11版)

日本標準商品分類番号

87625

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
**2015年12月
効能又は効果追加承認年月(最新)
2008年9月
国際誕生年月
2002年9月

薬効分類名

抗ウイルス化学療法剤

承認等

販売名

ヘプセラ錠10

販売名コード

6250026F1020

承認・許可番号

承認番号
21600AMY00132
商標名
Hepsera 10

薬価基準収載年月

2004年12月

販売開始年月

2004年12月

貯法・使用期限等

貯法
乾燥剤を同封した気密容器、室温保存
使用期限
包装に表示
注意
「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

本剤は1錠中にアデホビル ピボキシル10mg(アデホビルとして5.45mg)を含有する。
添加物として部分アルファー化デンプン、クロスカルメロースナトリウム、乳糖水和物、タルク及びステアリン酸マグネシウムを含有する。

性状

本剤は白色の素錠で識別コード及び形状は下記のとおりである。
識別コード
GS KNU



(7.0mm)

側面


(2.9mm)
質量
150mg

一般的名称

アデホビル ピボキシル

警告

本剤の投与終了後、ウイルス再増殖に伴い、肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化が認められることがある(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。そのため、本剤の投与を終了する場合には、投与終了後少なくとも4ヵ月間は原則として2週間ごとに患者の臨床症状と臨床検査値(HBV-DNA、ALT(GPT)及び必要に応じ総ビリルビン)を観察し、その後も観察を続けること。
特に、免疫応答の強い患者(黄疸の既往のある患者、重度の急性増悪の既往のある患者、等)あるいは非代償性肝疾患の患者(組織学的に進展し、肝予備能が少ない患者を含む)では、投与終了後に肝炎が重症化することがあり、投与終了後の経過観察をより慎重に行う必要がある。この様な患者では本剤の投与終了が困難となり、長期にわたる治療が必要になる場合がある。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

他の治療法等により肝機能検査値が正常範囲内に保たれている患者は本剤の対象患者とはならないので注意すること。
非代償性肝硬変に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験が少ない)(「慎重投与」の項参照)。

用法及び用量

通常、成人にはアデホビル ピボキシルとして、1回10mgを1日1回経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤は、投与中止により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化を起こすことがある。本内容を患者に説明し、患者が自己の判断で投与を中止しない様に十分指導すること(「警告」の項参照)。
本剤の投与開始時期、投与期間、併用薬、他の抗ウイルス剤に対する耐性がみられた患者への使用等については、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。なお、ラミブジン耐性がみられた患者に対し本剤を投与する場合には、ラミブジンと本剤を併用すること。その後、ラミブジンを中止し本剤単独投与にすることは推奨されない(「薬効薬理」の項参照)。
高用量の投与により、腎機能障害が発現する可能性があるため、「用法・用量」で定められた用量を超えないこと。
腎機能障害患者では、血中濃度が増大するため、本剤投与開始時のクレアチニンクリアランスに応じて、下記のとおり投与間隔の調節が必要である(「慎重投与」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。
(1)患者の腎機能に対応する用法・用量の目安(外国人データ)注1)注1)
(1)クレアチニンクリアランス(mL/min):≧50
推奨用量:10mgを1日に1回
(2)クレアチニンクリアランス(mL/min):30〜49
推奨用量:10mgを2日に1回
(3)クレアチニンクリアランス(mL/min):10〜29
推奨用量:10mgを3日に1回
(4)クレアチニンクリアランス(mL/min):血液透析患者注2)注2)
推奨用量:透析後に10mgを週に1回
注1)上記の本剤の推奨用量は単独投与した時の成績に基づくものである。なお、クレアチニンクリアランスが10mL/min未満の患者並びに腹膜透析を施行されている患者における推奨用量のデータは得られていない。
注2)週3〜5回の透析を施行したデータに基づくものである。
なお、腎機能障害患者あるいは血液透析患者に対するラミブジンの用法・用量については、ラミブジンの添付文書に記載されている「用法・用量に関連する使用上の注意」を確認すること。
本剤とラミブジンの併用投与において、投与量の減量が必要な場合、本剤は投与間隔を調整するのに対し、ラミブジンは投与量を調整する必要があるので注意すること(本剤の分割又は粉砕時の安定性に関するデータは得られていない)。
HIVに重複感染している患者に対し、本剤及びラミブジン(300mg/日)を併用投与した使用経験は限られている1),2)1),2)。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
腎機能障害のある患者[本剤はアデホビルとして主に腎排泄されるため、高い血中濃度が持続し、腎機能障害が増悪する可能性があるので、投与間隔の調節が必要である(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照)。]
非代償性肝硬変患者[使用経験が少ない。なお、本剤単独投与の使用経験はない。(「臨床成績」の項参照)]

重要な基本的注意

本剤をラミブジンと併用投与する場合は、ラミブジンの添付文書に記載されている警告、禁忌、併用注意、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認すること。
本剤の投与中は血清クレアチニン等の腎機能検査値の測定を行うなど、腎機能障害の発現に注意すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「副作用」及び「薬物動態」の項参照)。
ファンコニー症候群を含む腎尿細管障害による低リン血症から骨軟化症があらわれ、骨折することがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は、血清リン、アルカリフォスファターゼ等を測定し、それらの変動を定期的に観察すること。また、低リン血症があらわれた場合には、リンを補充するなど、適切な処置を行うこと。リンを補充する際は併せて活性型ビタミンDの投与も考慮すること(「副作用」の項参照)。
本剤によるB型慢性肝疾患の治療は、投与中のみでなく投与終了後も十分な経過観察が必要であり、経過に応じて適切な処置が必要なため、B型慢性肝疾患の治療に十分な知識と経験を持つ医師のもとで使用すること。
重度の肝疾患患者やB型肝硬変患者においては、投与初期に肝機能検査値の測定を行う等十分注意すること。
本剤のHIVに対する有効性は示されていないため、HIVに重複感染している患者に本剤を投与開始するにあたっては、抗HIV薬の治療によりHIV RNAがコントロールされていることを確認すること。また、抗HIV薬による治療を開始していないHIV重複感染患者において、抗HIV薬を投与せずにB型肝炎に対し本剤を投与した場合、HIVの変異があらわれる可能性がある。
本剤による治療により他者へのHBV感染が避けられることは証明されていない旨を患者に説明すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
イブプロフェン
臨床症状・措置方法
高用量のイブプロフェン(800mg×3回/日)との併用においてアデホビルの最高血漿中濃度(Cmax)が33%増加し、血中濃度―時間曲線下面積(AUC)が23%増加したとの報告がある(「薬物動態」の項参照)。
機序・危険因子
腎クリアランスには影響がなく、アデホビルの吸収率の増加によるものと考えられる。
薬剤名等
尿細管分泌(ヒト有機アニオントランスポーター1(hOAT1))により排泄される薬剤
臨床症状・措置方法
アデホビルあるいは併用薬の血中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
hOAT1を介した排泄が競合するためと考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要
*ラミブジンとの併用における承認時までの調査症例36例中、4例(11.1%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その内訳は悪心1例(2.8%)、背部痛1例(2.8%)、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加1例(2.8%)、Al-P増加1例(2.8%)であった(承認時)。承認時までの調査症例36例のうち長期(最長92週)に投与された34例中、カルニチン減少、尿中β22ミクログロブリン増加、クレアチニン増加の各1例(2.9%)が報告された。
本剤単独投与における承認時までの調査症例52例中、4例(7.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その内訳は動悸、胃炎、発疹、貧血、鉄欠乏性貧血各1例(1.9%)であった(承認時)。
また、使用成績調査426例中、37例(8.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは腎機能障害6例(1.4%)、クレアチニン増加4例(0.9%)、肝機能異常4例(0.9%)であった(再審査終了時)。
重大な副作用
*腎不全(頻度不明注1)注1))、ファンコニー症候群(0.2%)等の重度の腎機能障害*骨軟化症(0.2%)、骨折(頻度不明注1)注1))*乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)
(頻度不明注1)
その他の副作用
*皮膚
1%未満
*腎臓
1〜2%未満
*腎臓
1%未満
消化器
1%未満
*消化器
頻度不明注1)
精神神経系
1%未満
*その他
1%未満
*その他
頻度不明注1)
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
本剤の投与終了により肝機能の悪化もしくは肝炎の重症化が認められることがあり、代償性B型慢性肝疾患患者を対象とした海外での臨床試験における投与終了後の観察期間中の主な有害事象として、肝機能検査値異常(ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇等)が報告されている。なお、これらは単剤投与に基づく結果である。

高齢者への投与

高齢者に対する安全性及び有効性は確立していない。本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)においてアデホビルの静脈内投与時に、早期吸収胚数の増加及び催奇形性が認められた。]
妊娠可能な婦人に対しては避妊するよう指導すること。[ヒト胎児の発育における本剤の安全性は確認されていない。]
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。

小児等への投与

18歳未満の患者に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

1.徴候・症状
推奨用量の25〜50倍量(250mg/日、500mg/日)をHIV感染症患者に対して14日間投与したところ、軽微から中等度の胃腸症状が認められた3)3)。
2.処置
患者の状態を十分観察し、必要に応じ対症療法を実施すること。なお、本剤は血液透析により除去することができ、血液透析クリアランス(体重補正値の中央値)は104mL/hr/kgである。腹膜透析によるアデホビル除去については、検討されていない。

適用上の注意

本剤は吸湿性があるため専用の容器にて保存し、常時乾燥剤を入れておくこと。

その他の注意

アデホビル ピボキシル及びアデホビルはそれぞれマウスのリンパ腫細胞を用いた遺伝子突発変異試験及びヒトの培養リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験において陽性を示した。アデホビル ピボキシルのマウス及びラットを用いたがん原性試験において発がん性は認められなかった。
アデホビル ピボキシルのラット及びサルを用いた反復経口投与毒性試験において、尿細管上皮の細胞及び核の大型化、単細胞壊死、変性/再生を特徴とする尿細管性腎症がみられた。
血中の遊離型カルニチンは、本剤の代謝物であるピバリン酸と抱合体を形成し腎排泄されるため、カルニチン欠乏症の患者では血中カルニチン濃度が低下する可能性がある。

薬物動態

1.血中濃度
(1)B型慢性肝疾患患者(B型慢性肝炎患者及びB型肝硬変患者)(ラミブジン併用時)
ラミブジン100mgを投与中の日本のB型慢性肝疾患患者に、本剤10mgを初回経口投与した時の血漿中アデホビル濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤10mgは経口投与後速やかに吸収され、投与後約1時間でCmaxに達し、投与後24時間で血漿中よりほぼ消失した。平均消失半減期は約8時間であった。B型慢性肝炎患者とB型肝硬変患者の薬物動態は同様であった。
また、日本のB型慢性肝疾患患者に本剤10mgを初回投与した時(ラミブジン併用下)の血漿中アデホビルの薬物動態は、健康成人に本剤10mgを単独で単回投与した時と同様であった。

図-1 本剤10mgを空腹時に初回投与した時(ラミブジン100mg併用時)の血漿中アデホビル濃度(Mean±SD)
(表-1参照)
(2)健康成人(本剤単独投与時)
アデホビルの薬物動態は、本剤5〜60mgの投与量範囲で線形であった。また、本剤10mg投与時の薬物動態は、食事の有無に影響されなかった。なお、本剤10mg投与時の生物学的利用率(アデホビル換算)は、59%である(外国人データ)。
アデホビルの薬物動態は反復投与によって変化しなかった(日本人データ)。
2.分布
ラットにアデホビル ピボキシルを経口投与した結果、アデホビルはほとんどの組織に分布し、特に、腎臓、肝臓、腸の濃度が高かった。
In vitroにおける血漿又は血清蛋白結合率は、アデホビル0.1〜25μg/mLの範囲で4%以下である。また、1.0及び3.0mg/kg/日を静脈内投与した場合の定常状態の分布容積は、それぞれ392±75及び352±9mL/kgである。
3.代謝・排泄
本剤は経口投与後、エステラーゼにより速やかにアデホビルに代謝され、糸球体ろ過及び尿細管分泌により、アデホビルとして腎より排泄される。日本人の健康成人に本剤10mgを単独で反復経口投与した時、投与後24時間までの尿中アデホビル排泄率(投与量に対する%)は、約60%であった。
アデホビルは本剤10mgをラミブジン100mgと共に単回経口投与した時のCmax(約20ng/mL)より4000倍以上高い濃度で、ヒトのチトクロームP450の分子種(CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4)の活性を阻害しなかった。
4.腎機能障害患者における薬物動態(外国人データ)
クレアチニンクリアランス30〜49mL/min又はクレアチニンクリアランス10〜29mL/minの腎機能障害患者に本剤10mgを単独で単回経口投与した時、アデホビルのCmax及びAUC0-∞0-∞が増加し、t1/21/2は延長した。クレアチニンクリアランス50mL/min未満の患者では、本剤の投与間隔を調整することが推奨される(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。
(表-2参照)
5.肝機能障害患者における薬物動態(外国人データ)
肝機能障害患者に本剤10mgを単独で単回経口投与した時の薬物動態は、肝機能が正常な成人と同様であり、肝機能障害患者において、用法・用量を変更する必要はないと考えられた。
6.相互作用(外国人データ)
以下の表のとおり、健康成人に本剤10mgとラミブジン100mgの1日1回7日間併用投与により、両薬の薬物動態は変化しなかった。
(表-3参照)
本剤10mgをスルファメトキサゾール/トリメトプリム(ST合剤)、アセトアミノフェン又はイブプロフェンと併用投与した時、本剤はいずれの薬物の薬物動態にも影響を及ぼさなかった。また、高用量のイブプロフェン(800mg1日3回投与)は、アデホビルのCmax及びAUCをそれぞれ33%及び23%増加させたが、ST合剤及びアセトアミノフェンは、アデホビルの薬物動態に影響を及ぼさなかった。
なお、in vitroの代謝試験結果及びアデホビルの排泄経路より、本剤が他の薬剤とCYP分子種を介した薬物相互作用を引き起こす可能性は少ないと考えられる。

薬物動態の表

薬物動態パラメータB型慢性肝疾患患者(n=11)
Cmax(ng/mL)20.1±3.3
AUC0-∞272.8±51.3
tmax(hr)1.0(0.5-2.0)
t1/28.23±2.05
tmax以外のパラメータ:Mean±SD、tmax:中央値(範囲)、AUC0-∞0-∞及びt1/21/2:n=10
CLcr(mL/min)
>80
50〜80
30〜49
10〜29
Cmax(ng/mL)17.8±3.222.4±4.028.5±8.651.6±10.3
AUC0-∞201±40.8266±55.7455±1761240±629
CL/F(mL/min)469±99.0356±85.6237±11891.7±51.3
CLr(mL/min)231±48.9148±39.383.9±27.537.0±18.4
Mean±SD
CLcr:クレアチニンクリアランス
CL/F:全身クリアランス
CLr:腎クリアランス
 アデホビル(n=17)
アデホビル(n=17)
ラミブジン(n=18)
ラミブジン(n=18)
Cmax(ng/mL)21.121.1999997
AUC0-τ19819645004500
tmax(hr)1.000.801.01.0
t1/27.177.249.79.4
Cmax及びAUC0-τ0-τ:幾何最小二乗平均
tmax及びt1/21/2:中央値

臨床成績

1.有効性
(1)単独投与
核酸アナログ製剤未使用の代償性B型慢性肝疾患患者に対し、本剤10mgを投与した国内外3試験における血清HBV-DNA及び血清ALTの変化量の推移を以下の表に示した。
(表-4、5参照)
また、海外2試験における肝組織学的改善(1年目)において、本剤10mg投与群でプラセボ投与群と比較して有意な改善がみられており、ウイルス増殖抑制に伴う肝組織像の改善が確認されている(表-6参照)。さらに、これらの試験を延長し5年間にわたって長期に使用した場合において、持続的な抗ウイルス効果(HBV DNAの減少:ウイルスマーカーの改善)とそれに伴う肝機能(ALTなど)の改善及び肝組織像(線維化の改善も含む)の改善が認められた。
(2)YMDD変異ウイルスに対するラミブジンとの併用投与
ラミブジンが奏効しないYMDD変異ウイルスを有する代償性B型慢性肝疾患患者に対し、本剤10mgとラミブジン100mgを併用投与した国内外3試験における血清HBV-DNA及び血清ALTの変化量の推移を以下の表に示した。
(表-7、8参照)
また、ラミブジンが奏効しないYMDD変異ウイルスを有する代償性及び非代償性B型慢性肝疾患患者を対象とし、本剤10mgとラミブジン100mgを併用投与した海外NUC20904試験における血清HBV-DNA及び血清ALTの実測値の推移を以下の表に示した。
(表-9参照)
2.安全性
核酸アナログ製剤未使用の代償性B型慢性肝疾患患者及びラミブジンが奏効しないYMDD変異ウイルスを有する代償性あるいは非代償性B型慢性肝疾患患者に対し、本剤10mgとラミブジン100mgを併用投与した国内外7試験において発現した副作用を以下の表に示した。
(表-10参照)
なお、GS-98-437及びGS-98-438試験は5年間の長期投与試験として実施されたが、これらの試験で49〜240週に新たに発現した副作用のうち5%以上に認められたものは耐性出現であった。

臨床成績の表

 試験番号対象投与群血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
国内ADF105220HBe抗原

本剤10mg7.15
-3.65
国内ADF105220HBe抗原

ラミブジン100mg7.30
-4.10
海外GS-98-437HBe抗原

本剤10mg8.40
-3.44
-3.69
-4.05
海外GS-98-438HBe抗原

本剤10mg7.08
-3.52
-3.63
-3.77
※:5年間長期投与解析対象
 試験番号対象投与群血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

国内ADF105220HBe抗原

本剤10mg83.5
-54.5
国内ADF105220HBe抗原

ラミブジン100mg128
-97.5
海外GS-98-437HBe抗原

本剤10mg95
-43
-49.5
-50
海外GS-98-438HBe抗原

本剤10mg98.5
-55
-54
-84
※:5年間長期投与解析対象
 試験番号対象投与群肝組織像の改善
肝組織像の改善
※※
海外GS-98-437HBe抗原

本剤10mg53%(89/168)p<0.001
海外GS-98-437HBe抗原

プラセボ25%(41/161)p<0.001
海外GS-98-438HBe抗原

本剤10mg64%(77/121)p<0.001
海外GS-98-438HBe抗原

プラセボ33%(19/57)p<0.001
※「改善」:Knodell HAIの線維化スコアが悪化することなく、壊死・炎症スコアが2点以上減少した場合
※※Cochran-Mantel-Haenszel検定
 試験番号対象投与群血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
血清HBV-DNAの変化量
10
国内ADF30002
HBe抗原

本剤10mg+
7.80
-3.75
-4.40
-4.70
海外GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
8.20
-0.00
-0.00
海外GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
8.42
-2.86
-4.04
海外GS-00-461HBe抗原

本剤10mg+

7.94
-2.87
-3.59
 試験番号対象投与群血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

血清ALTの変化量

国内ADF30002
HBe抗原

本剤10mg+
108
-68.5
-73.5
-75.5
海外GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
70
-3
0
海外GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
101
-18
-51
海外GS-00-461HBe抗原

本剤10mg+
73.5
-15
-25
 試験番号対象投与群血清HBV-DNA
10
血清HBV-DNA
10
血清HBV-DNA
10
血清ALT

血清ALT

血清ALT

海外NUC20904HBe抗原

プラセボ+
8.61
8.71
8.52
2.71
1.92
1.95
海外NUC20904HBe抗原

本剤10mg+
8.95
5.28
4.53
2.20
1.88
1.09
海外NUC20904HBe抗原

本剤10mg+
8.61
5.04
3.66
1.86
1.21
0.77
 試験番号対象投与群例数副作用
単独投与
ADF105220HBe抗原

本剤10mg52投与開始〜投与52週時:動悸、胃炎、発疹、貧血、鉄欠乏性貧血 各1例
単独投与
ADF105220HBe抗原

ラミブジン100mg53投与開始〜投与52週時:肝炎の悪化 6例、頭痛 3例、胃炎、悪心、胃不快感、胃ポリープ、ざ瘡様皮膚炎、中毒性皮疹、傾眠、動悸、倦怠感 各1例
単独投与
GS-98-437HBe抗原

本剤10mg492【併合データ(2%以上)】
単独投与
GS-98-438HBe抗原

本剤10mg492【併合データ(2%以上)】
ラミブジンとの併用投与
ADF30002
HBe抗原

本剤10mg+
36注)投与開始〜投与16週時:悪心、背部痛、NAG増加、Al-P増加 各1例
2
ラミブジンとの併用投与
GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
19頭痛 3例
ラミブジンとの併用投与
GS-00-461HBe抗原

プラセボ+
19無力症 4例
ラミブジンとの併用投与
GS-00-461HBe抗原

本剤10mg+
20無力症、腹痛 各4例
ラミブジンとの併用投与
NUC20904HBe抗原

プラセボ+
48頭痛 4例

ラミブジンとの併用投与
NUC20904HBe抗原

本剤10mg+
44倦怠感・疲労 4例
ラミブジンとの併用投与
NUC20904HBe抗原

本剤10mg+
40下痢、カルシウム代謝異常・リン代謝障害 各3例
注)投与16週〜治験終了時(最長92週)のデータは34例。

薬効薬理

1.抗ウイルス活性
HBV-DNAをトランスフェクトしたHepG2細胞をアデホビル存在下で1週間培養した時、細胞内HBV複製は抑制された。また、ラミブジンに対する感受性が低下したYMDD変異HBV(L528M,M552I,M552V,L528M/M552V)4)4)及びB型肝炎免疫グロブリンエスケープ変異(T476N,W501Q)に対して、アデホビルは野生型HBVと同程度の抗ウイルス活性を示した。HBV-DNAを発現するトランスジェニックマウスにアデホビル ピボキシルを10日間経口投与した時、血清中及び肝臓中のHBV-DNA濃度は低下した5)5)。HBVと近縁のアヒルB型肝炎ウイルス(DHBV)感染肝細胞をアデホビル及びラミブジンの共存在下で9日間培養した時、細胞内のDHBVウイルス濃度は相乗的に低下した6)6)。
2.作用機序
アデホビルは細胞内でアデホビル二リン酸にリン酸化され7)7)、HBV-DNAポリメラーゼを選択的に阻害することにより(Ki値0.1μmol/L)HBV-DNAの複製を阻害する8),9)8),9)。また、基質としてDNAに取り込まれ、DNA鎖を遮断することによりHBV-DNAの複製を阻害する10)10)。
3.薬剤耐性
アデホビルに対して耐性を示す2種の変異HBV(rtN236T、rtA181V)の出現が臨床において確認されている11),12)11),12)。In vitroにおいて、rtN236T及びrtA181V変異HBVのアデホビルに対する感受性は、それぞれ4〜14倍及び2.5〜4.2倍低下しており、また、ラミブジンに対する感受性は、それぞれ2〜3倍及び1〜14倍低下していた。
4.薬剤耐性の出現頻度
(1)アデホビル単独投与の場合
国内臨床試験における薬剤耐性の出現頻度は、52週時点で0%であった。海外における複数の臨床試験を統合解析したところ、薬剤耐性の出現頻度は、48週、96週、144週及び192週時点でそれぞれ0%、2%、7%及び15%と推定された13)13)。
なお、HBe抗原陰性患者における出現頻度は、投与96週、144週、192週及び240週時点でそれぞれ3%、11%、18%及び29%であり、HBe抗原陽性患者においては、投与135週、189週及び235週時点でそれぞれ3%、17%及び20%であった。
また、HIVに重複感染している患者に対し、ラミブジンとアデホビルを併用投与した結果、投与開始から48週及び96週時点において、アデホビルに対して耐性を示すHIVやHBVの変異は確認されていない14),15)14),15)。
その他、48週時点で血清HBV DNA量が少ない患者(1000 copies/mL以下)では、血清HBV DNA量が多い患者(1000 copies/mL以上)に比べて、長期投与時(4〜5年)のアデホビルに耐性を示すHBVの出現頻度は有意に低かったとの報告がある。
(2)ラミブジンに耐性を示すHBVが認められた患者に対し、アデホビルとラミブジンを併用した場合
肝移植患者を対象とした臨床試験において、投与48週時点ではアデホビルに耐性を示すHBVは認められなかった。
また、3年までの投与において、アデホビルに耐性を示すHBVは認められなかったが、ラミブジン投与を中止した4例で、アデホビル単独投与中にrtN236T変異HBVが認められ、全例に血清HBV DNAの増加がみられた。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
アデホビル ピボキシル
2.化学名
Bis(2,2-dimethylpropanoyloxymethyl)[2-(6-amino-9H-purin-9-yl)ethoxymethyl]phosphonate
3.分子式
C2020H3232N55O88P
4.分子量
501.47
5.構造式
6.性状
白色〜帯黄白色の結晶性の粉末
7.融点
95〜102℃
8.分配係数(logP)
1.91(1-オクタノール/リン酸緩衝液(pH7))

取扱い上の注意

本剤は、吸湿性が有るため乾燥剤入りの包装としている。

包装

ヘプセラ錠10:30錠(瓶)

主要文献及び文献請求先

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Benhamou Y, al.:Hepatology, 38(Suppl 1), 714A(2003)
Thibault V, al.:Hepatology, 42(Suppl 1), 581A(2005)

文献請求先

問い合わせ先 グラクソ・スミスクライン株式会社
**東京都港区赤坂1-8-1カスタマー・ケア・センター
**TEL:0120-561-007(9:00〜17:45
FAX:0120-561-047(24時間受付)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

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薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6250026F1020 ヘプセラ錠10 アデホビル ピボキシル 10mg1錠 1287.9

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