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薬剤師ネクスト経営塾

レトロビルカプセル100mg

作成又は改訂年月

** 2017年12月改訂 (第19版)
* 2016年8月改訂 (第18版)

日本標準商品分類番号

87625

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
1994年12月
効能又は効果追加承認年月(最新)
1990年8月
国際誕生年月
1987年3月

薬効分類名

抗ウイルス化学療法剤

承認等

販売名

レトロビルカプセル100mg

販売名コード

6250001M1038

承認・許可番号

承認番号
21900AMX00752
商標名
Retrovir Capsules

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

1987年11月

貯法・使用期限等

貯法 
遮光した気密容器、室温保存
使用期限
包装に表示

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量
1カプセル中に日局ジドブジン100mgを含有する。
添加物
トウモロコシデンプン、結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ゼラチン、酸化チタン

性状

白色(不透明)/白色(不透明)の硬カプセル剤であり、識別コード及び形状は下記のとおりである。
識別コード
GSYJU
外形

質量
280mg

一般的名称

ジドブジン別名:アジドチミジン,AZT Zidovudine

警告

本剤の投与により骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
好中球数750/mm33未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)(「重要な基本的注意 3.」の項参照)[好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。]
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
イブプロフェン投与中の患者[出血傾向が増強したとの報告がある(「相互作用」の項参照)。]

効能又は効果

無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドライン1)〜3)1)〜3)を確認すること。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。

用法及び用量

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤投与中特に著しい好中球減少(750/mm33未満又は投与前値からの50%以上の減少)又は著しい貧血(ヘモグロビン値が7.5g/dL未満又は投与前値からの25%以上の減少)が認められた場合は、骨髄機能が回復するまで休薬する。これより軽度の貧血(ヘモグロビン値が7.5〜9.5g/dL)及び好中球減少(750〜1000/mm33)の場合は、減量する。著しい貧血がみられた場合、休薬及び減量を行っても輸血の必要な場合がある。休薬又は減量後、骨髄機能が回復した場合には、血液学的所見及び患者の耐容性に応じて徐々に通常の投与量に増量する。
本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
ジドブジンとして1日量が400mg(1回100mg、1日4回投与)による有効性及び安全性が認められたとの報告はあるが4)4)、1日量が400mg未満の用量による有効性は確認されていない。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
好中球数1000/mm33未満又はヘモグロビン値が9.5g/dL未満の患者[好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。]
腎又は肝機能障害のある患者[高い血中濃度が持続するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]
ビタミンB1212欠乏患者[貧血が発現するおそれがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
本剤を含む現在の抗HIV療法が、性的接触又は血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていない。
本剤は相互作用が多く知られていることから、他院で処方された薬剤又は市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告すること(「相互作用」の項参照)。
本剤の投与により骨髄抑制があらわれるので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも2週間毎に血液学的検査を行い、その後は最低1ヵ月毎の検査を行うこと。
本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無く、かつ、原疾患であるHIV感染症により好中球数750/mm33未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少したと判断される患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、本剤の投与を考慮すること。
本剤を含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身けん怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、上記の乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による神経機能障害に対する有効性は確認されていない。

相互作用

併用禁忌

併用禁忌
(併用しないこと)
イブプロフェン(ブルフェン等)
血友病患者において出血傾向が増強することがある。
機序は不明である。

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
ペンタミジン、ピリメタミン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン
臨床症状・措置方法
本剤の毒性作用が増強されることがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。
薬剤名等
プロベネシド
臨床症状・措置方法
本剤の全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。
機序・危険因子
本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。
薬剤名等
フルコナゾール、ホスフルコナゾール
臨床症状・措置方法
本剤の最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある5)5)。
機序・危険因子
本剤のグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。
薬剤名等
リトナビル
臨床症状・措置方法
本剤の最高血中濃度が27%減少しAUCが25%減少するとの報告がある6)6)。
機序・危険因子
本剤のグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。
薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある7)7)。
機序・危険因子
機序は不明である。
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある8)8)。
また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。
機序・危険因子
機序は不明である。
薬剤名等
サニルブジン
臨床症状・措置方法
細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、本剤とサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。
機序・危険因子
本剤が細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。
薬剤名等
リバビリン
臨床症状・措置方法
in vitroにおいてリバビリンとの併用により本剤の効果が減弱するとの報告があるので、本剤とリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。
機序・危険因子
本剤の細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。
薬剤名等
アトバコン
臨床症状・措置方法
本剤のAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、本剤の血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。
機序・危険因子
本剤のグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。

副作用

副作用等発現状況の概要
総症例157例中、76例(48.41%)に副作用が認められ、主な副作用は貧血、大球性貧血等の赤血球障害36例(22.93%)、白血球減少、顆粒球減少等の白血球・網内系障害29例(18.47%)、嘔気、食欲不振、腹痛等の消化管障害29例(18.47%)であった。(再審査終了時)
重大な副作用
次のような症状があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(1)重篤な血液障害
再生不良性貧血(頻度不明注))、赤芽球癆(頻度不明注))、汎血球減少(頻度不明注))、貧血(24.84%)、白血球減少(17.83%)、好中球減少(8.28%)、血小板減少(5.10%)注))、赤芽球癆(頻度不明注))、汎血球減少(頻度不明注))、貧血(24.84%)、白血球減少(17.83%)、好中球減少(8.28%)、血小板減少(5.10%)
(2)うっ血性心不全(頻度不明注)注)
(3)乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(いずれも頻度不明注)注)
(4)てんかん様発作(頻度不明注)注)
(5)膵炎(頻度不明注)注)
その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。血液
頻度不明注)
消化器
5%以上
消化器
0.1%〜5%未満
消化器
頻度不明注)
消化不良、嚥下困難、口唇浮腫、舌浮腫、あい気、歯肉出血、直腸出血、口内潰瘍、胃炎
全身症状
5%以上
全身症状
0.1%〜5%未満
発熱、けん怠感
全身症状
頻度不明注)
肝臓
0.1%〜5%未満
腎臓
0.1%〜5%未満
腎臓
頻度不明注)
筋骨格
頻度不明注)
精神神経系
0.1%〜5%未満
精神神経系
頻度不明注)
循環器
頻度不明注)
呼吸器
頻度不明注)
過敏症
0.1%〜5%未満
発疹、そう痒感、蕁麻疹
過敏症
頻度不明注)
皮膚
頻度不明注)
その他
0.1%〜5%未満
その他
頻度不明注)
注)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝され腎臓から排泄されるが、高齢者では肝機能又は腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[本剤はヒト胎盤を通過する。出生児の血漿中ジドブジン濃度は、分娩時の母親の血漿中濃度と同じであることが報告されている9)9)。また、本剤が胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたという報告がある10)10)。ラットの受胎能及び一般生殖能試験(50、150、450mg/kg/日、1日2回投与)では、中及び高用量群に胎児吸収率の増加、高用量群に胎児平均体重の減少がみられた。また、サルを用いた試験で、胎児にミトコンドリア障害(心筋及び骨格筋におけるミトコンドリアミオパシー)が認められたとの報告がある11)11)。ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。また、非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。]
*本剤を投与された妊婦より出生した児に貧血があらわれることがある。定期的に検査を行うなど児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[経口投与されたジドブジン(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されている。また、ジドブジンの母体血漿中濃度と乳汁中濃度の比率は0.4〜3.2であることが報告されている。乳児の血清中のジドブジン濃度は24ng/mLであったとの報告がある12)12)。]

小児等への投与

小児等における安全性及び有効性は確立されていないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

適用上の注意

1.薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

in vitroの試験において、アスピリン、インドメタシン等のグルクロン酸抱合により代謝される薬剤が本剤のグルクロン酸抱合を阻害したとの報告がある13)13)。
がん原性試験で試験末期に雌動物に膣腫瘍が発生したとの報告がある。[マウス(20、30、40mg/kg/日、1日1回経口投与)及びラット(80、220、300mg/kg/日、1日1回経口投与)におけるがん原性試験で、膣扁平上皮癌(マウス高用量群5/60、ラット高用量群2/60)が認められた14)14)。]
マウスにおける経胎盤曝露によるがん原性試験で次の報告がある。
最大耐量(420mg/kg/周産期体重)を妊娠12〜18日(妊娠中〜末期)に投与された母動物からの出生児において、出生1年後、肺、肝及び雌性生殖器の腫瘍発生率の増加が認められた15)15)。
母動物に最高40mg/kgを妊娠10日から分娩を経て離乳まで投与した。引き続き離乳後は出生児に同量を生後24ヵ月まで投与したところ、投与期間末期に膣扁平上皮癌が認められた。この成績は上記 2. のがん原性試験で認められた腫瘍の発生率及び発生時期と同様であった16)16)。
本剤の変異原性について次の報告がある。
Ames試験では変異原性は認められなかったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験において弱い変異原性を示し、in vitroの細胞形質転換試験において陽性を示した14)14)。
ラットを用いたin vivo染色体異常試験では染色体の損傷は認められなかったが、ヒト培養リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験、ラット及びマウスを用いたin vivo小核試験で染色体異常誘発作用が認められた14)14)。また、11人のAIDS患者の末梢血リンパ球において、本剤服用患者は非服用患者と比較して染色体異常頻度が高かったとの報告がある17)17)。
本剤が成人AIDS患者の白血球のDNA及びその胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたとの報告がある10)10)。

薬物動態

1.<日本人における成績>18)18)
HIV感染者6例に対し、ジドブジン100mg1日4回とラミブジン150mg1日2回を25日間以上連続経口投与した時のジドブジン、ラミブジンの血漿中薬物濃度の推移を図-1に、薬物動態パラメータを表-1に示した。ジドブジンは投与後0.8時間で最高血漿中濃度(Cmax)が平均0.55±0.26μg/mLに達し、半減期は平均1.1時間であった。

図-1 血漿中薬物濃度の推移(6例の平均値±標準偏差)
2.<外国人における成績>
(1)吸収
(1)血中薬物動態
成人HIV感染患者にジドブジンを反復経口投与後のCmax及びAUCは、2mg/kgを8時間毎〜10mg/kgを4時間毎の投与量範囲で投与量に比例して増加し、0.5〜1.5時間で最高濃度に達し、半減期約1時間(0.78〜1.93時間)で消失した。また、ジドブジンを静脈内投与した場合、投与量1〜5mg/kgの範囲で線形の薬物動態を示し、半減期は平均1.1時間(0.48〜2.86時間)であった。全身クリアランス(CL)は1900mL/min/70kg、みかけの分布容積(Vd)は1.6L/kgであった19)19)。
参考までに、総説にまとめられた薬物動態パラメータを表-2に示す20)20)。
(2)活性体の細胞内濃度21)21)
HIV陽性患者にジドブジン1回300mgを1日2回反復経口投与時の血漿中濃度は、投与1時間後に最高濃度2.59±0.52μmol/Lを示し、投与後12時間でほぼ消失した。同時に測定した細胞内三リン酸化体(AZTTP)は、投与後2〜4時間で最高濃度を示し、投与後12時間では最高濃度のおよそ1/2の濃度であった。
(3)バイオアベイラビリティ19)19)
成人HIV感染患者にジドブジン250〜1250mgを4時間毎に経口投与した場合の生物学的利用率は平均65%(52〜75%)であった。
(4)食事の影響
8例のHIV感染患者に対し高脂肪食(脂肪50%、蛋白質28%、炭水化物22%、総カロリー945kcal)摂取直後にジドブジン100mg又は250mgを経口投与した場合、空腹時に比べCmaxが50%低下し、最高血中濃度到達時間(Tmax)が約3倍有意に遅延した22)22)。11例のHIV感染患者において蛋白食(蛋白質25g)摂取直後にジドブジン200mgを経口投与した場合は、Cmaxが68%に低下し、平均滞留時間(MRT)が1.2倍遅延したが、AUC、Tmax、終末相における半減期及び腎クリアランスに有意な変化は認められなかった23)23)。
(2)分布
髄液中への移行が認められ、2mg/kg経口投与1.8時間後におけるジドブジンの髄液中/血漿中濃度比は0.15であり、2.5及び5.0mg/kg静脈内投与2〜4時間後の髄液中/血漿中濃度比はそれぞれ0.20及び0.64であった19)19)。
in vitroにおけるジドブジンの血漿蛋白結合率は34〜38%であり、結合部位置換による薬物相互作用は予想されない19)19)。また、結合蛋白はアルブミンと同定された24)24)。
(3)代謝・排泄
ジドブジンは吸収後、主にUDP-glucuronosyl transferaseによってグルクロン酸抱合をうけ、主代謝物3'-azido-3'-deoxy-5'-O-β-D-glucopyranuronosylthymidine(GZDV)に速やかに代謝される。また、副代謝経路として3'-amino-3'-deoxy-thymidine(AMT)及びそのグルクロン酸抱合体(GAMT)に代謝される経路も存在する20)20)。静脈内投与後のGZDVのAUCは未変化体のAUCの約3倍であり、AMTのAUCは未変化体のAUCの1/5であった。HIV感染患者にジドブジンを経口投与後の未変化体及びGZDVの尿中排泄率はそれぞれ14.3%及び75.2%であった。ジドブジンの腎クリアランスは400mL/min/70kgと算出され、糸球体濾過及び能動的尿細管分泌による排泄機構が示唆される19)19)。
(4)腎機能障害者における薬物動態19)19)
腎機能障害を有する成人HIV感染患者(平均クレアチニンクリアランス18±2mL/min)に、ジドブジン200mgを単回経口投与した時、腎機能が正常な患者での半減期が1.0時間であったのに対し、腎機能障害患者では1.4時間であり、AUCは正常患者の約2倍であった。また、GZDVの半減期は正常患者で0.9時間であったのに対して8.0時間に延長し、AUCは17倍であった。血液透析又は腹膜透析で病状を維持している重度の腎疾患患者には1回100mgを6〜8時間毎に投与することが望ましい。
(5)小児等における薬物動態19)19)
生後6ヵ月〜12歳の小児HIV感染患者に80〜160mg/m22を6時間毎に静脈内投与した時、ジドブジンは二相性に消失し、終末相の平均半減期及び全身クリアランスは1.5時間及び30.9mL/min/kgであった。これらは該当する成人での成績とほぼ同じであった(1.1時間、27.1mL/min/kg)。

薬物動態の表

 Cmax(μg/mL)Tmax(h)t1/2AUC0-6AUC0-12
ジドブジン0.549±0.2610.8±0.31.1±0.10.858±0.266
ラミブジン1.547±0.3021.3±0.62.3±0.65.089±1.6926.165±2.312
CL(L/h/kg)1.3±0.3
Vd/F(L/kg)3.0±0.6
Vdss(L/kg)1.6±0.6
t1/2z1.1±0.2
F(%)63±13
Ka(h-16.3±2.7
Cmaxa2.0
Cmina0.2
Vd/F:見かけの分布容積
Vdss:定常状態での分布容積
tl/2zl/2z :終末相における消失半減期
F:生物学的利用率
a:100mg単回経口投与時

臨床成績

日本人における臨床試験は例数が少ないため、海外での臨床試験結果を以下に記す。
なお、投与前CD4リンパ球数500/mm33以上のHIV感染患者については、有効性及び安全性は確認されていない。
(1)<海外において実施された比較試験の成績>注)注)
(1)ジドブジンとラミブジンの併用療法によるHIV感染症の進展に関する比較検討25)25)
欧米で行われた4つの二重盲検比較試験についてmeta-analysisを行った。ジドブジン1回200mg1日3回にラミブジン1回150mg又は300mg1日2回を併用投与した群(ラミブジン併用群)における症例数は569例、ジドブジン1回200mg1日3回の単独投与又はジドブジンにザルシタビンを併用投与した群(比較対照群)は316例で、両群の患者背景には差を認めなかった。
試験期間中、CDC分類のB/Cあるいは新たなB/C症状に進展した患者数は計118例、また、Cへの進展は計28例に認められた。meta-analysisの結果、ラミブジン併用群は比較対照群に比し、CDC分類のB/Cへの進展は49%減少し(p<0.0001)、CDC分類Cへの進展は66%減少した(p=0.003)。
(2)HIV感染症に対するジドブジンとジダノシン又はザルシタビンの併用療法とジドブジン単独投与の無作為二重盲検比較試験(Delta試験)26)26)
ジドブジン治療経験の無いCD4リンパ球数50/mm33以上のエイズ患者並びに350/mm33以下の症候性、無症候性HIV感染症患者2124例を対象とした比較試験において、ジドブジン1回200mg1日3回を単独(ジドブジン単独群700例)、ジドブジンにジダノシン1回200mg1日2回を併用(ジダノシン併用群718例)、又は、ジドブジンにザルシタビン1回0.75mg1日3回を併用(ザルシタビン併用群706例)で、30ヵ月間(中間値)投与した。ジダノシン併用群及びザルシタビン併用群の死亡率はそれぞれ42%、32%でジドブジン単独群に比較して有意に低かった(p<0.0001,p=0.003)。ジドブジン治療歴が少なくとも3ヵ月以上の患者1083例においては、ジドブジン単独群(355例)とジダノシン併用群(362例)若しくはザルシタビン併用群(366例)の死亡率には有意差は認められなかったが(p=0.14)、ジドブジン治療歴の有無に関わらず、全症例を対象に解析した結果、ジダノシン併用群及びザルシタビン併用群の死亡率はそれぞれ33%、21%であり、ジドブジン単独群に比較して有意に低かった(p<0.001,p=0.008)。
ジドブジン単独群に比較して、ジダノシンの併用又はザルシタビンの併用による新たな副作用の発現は認められなかった。
(3)エイズ患者又は進行したARC患者におけるジドブジンの投与量変更に関する臨床試験
エイズ患者及び進行性ARC患者320例を対象とした二重盲検比較試験において、ジドブジン1回300mgを1日2回12時間毎(2回投与群162例)又は1回100mgを1日6回4時間毎(6回投与群158例)を48週間投与した。死亡症例数及び日和見感染症発症例数等について、両群間に差は認められなかった(表-3)。
副作用発現頻度について、両群間に差は認められなかった(表-4)。
(4)エイズ患者に対するジドブジンの減量投与法による無作為割り付け試験27)27)
エイズ患者524例を対象とした比較試験において、ジドブジン1回250mgを1日6回4時間毎(高用量群262例)又は1回200mgを1日6回4時間毎を4週間、その後1回100mgを1日6回4時間毎(低用量群262例)8.3ヵ月間(中間値)投与した。追跡調査を行った32.5ヵ月間における死亡症例数は高用量群188例、低用量群169例、また、推定生存率は高用量群52%(18ヵ月)、27%(24ヵ月)、低用量群63%(18ヵ月)、34%(24ヵ月)であり、低用量群においても有効性を認めた。
低用量群ではジドブジンによる副作用のため投与中止した症例は77例と少なかった。貧血及び好中球減少の発現率は低用量群は29%(77/262)、37%(96/262)で高用量群の39%(101/262)、51%(134/262)に比べ低かったが、頭痛の発現率は高用量群の68%(177/262)に比べ低用量群78%(205/262)で高かった。その他の副作用発現率に両群間で差は認められなかった。
(5)無症候性HIV感染症患者における二重盲検比較試験28)28)
無症候性HIV感染患者(投与前CD4リンパ球数500/mm33以下)1338例を対象とした比較試験(ジドブジン500mg/日群453例、同1500mg/日群457例、プラセボ群428例)において、ジドブジン1回100mg又は300mg、又はプラセボを1日5回4時間毎(夜間を除く)41〜52週投与した。その結果、両ジドブジン群において重症ARC又はエイズへの進行率(ジドブジン500mg/日群、同1500mg/日群、プラセボ群:3.8% 4.2% 8.9%)に有効性を認め、またCD4リンパ球数及び血清中p24抗原量にも効果がみられた。
貧血及び好中球減少の発現率はそれぞれジドブジン500mg/日群1.1%(5/453)、1.8%(8/453)、同1500mg/日群6.4%(29/457)、6.4%(29/457)、プラセボ群0.2%(1/428)、1.6%(7/428)であった。ジドブジンを投与した群において、有意に発現率の高い副作用は無力症、頭痛、けん怠感、食欲不振、便秘、嘔気、嘔吐、めまいであった。
(6)注)外国人における成績である。

臨床成績の表

 2回投与群(n=162)6回投与群(n=158)
死亡症例数55
日和見感染症発症例数3329
平均体重増加量(第20週)(kg)1.93.2
CD4リンパ球増加量(/mm322(最高値、第4週)29(最高値、第8週)
※両群共に16-24週の間にベースラインまで減少し、以降更に減少した。
 2回投与群(n=162)6回投与群(n=158)
貧血
14%16%
好中球減少
3
42%42%
嘔気15%18%
頭痛12%11%
無力症6%5%
筋肉痛1%5%
嘔吐4%4%

薬効薬理

1.作用機序29)29)
ジドブジン(AZT)はHIV感染細胞内でリン酸化され、活性型の三リン酸化体(AZTTP)となる。AZTTPはHIV逆転写酵素を競合的に阻害し、またデオキシチミジン三リン酸の代りにウイルスDNA中に取り込まれて、DNA鎖伸長を停止することによりウイルスの増殖を阻害する。AZTTPのHIV逆転写酵素に対する親和性は、正常細胞のDNAポリメラーゼに比べて約100倍強いので、選択性の高い抗ウイルス作用を示す(ヒトリンパ球系H9細胞増殖に対するin vitroでのID5050値は267μg/mL(1000μM))。
2.抗ウイルス作用
ジドブジンのHIVに対するin vitroにおけるID5050値は、CD4リンパ球系細胞を用いた系では0.13μg/mL(0.49μM)以下であった30)30)。
マウスにマウスレトロウイルス(Rauscherマウス白血病ウイルス)を接種し、接種4時間目より、ジドブジンを1.0mg/mLの割合で飲用水に混入して投与した実験では、平均脾臓重量、脾臓細胞感染率、及び血中ウイルス力価が対照群に比し著しく低下した。また感染後生存日数も延長した31)31)。
In vitroでジドブジンとアバカビル、ラミブジン、ジダノシン等の抗HIV薬あるいはインターフェロンαとの相加又は相乗作用が認められた。
3.薬剤耐性
ジドブジンを含むチミジンアナログに対する耐性は、HIV逆転写酵素の41、67、70、210、215及び219番目のアミノ酸の変異によって生じ、これらのうち41番目と215番目の変異あるいは4個以上の変異によってウイルスは表現型として耐性を示す32),33)32),33)。
なお、これらチミジンアナログの変異を有するウイルスは高度の交差耐性を示さない34)34)。
また、62、75、77、116及び151番目のアミノ酸の変異、並びに69番目のアミノ酸のスレオニンからセリンへの変異とそれに加えて同じ個所への6塩基対の挿入により、ウイルスはジドブジンを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬に対し多剤耐性を示す35)〜37)35)〜37)。
なお、in vitroで、ジドブジン耐性ウイルスはジドブジン及びラミブジンの投与によりラミブジンに対して耐性を獲得すると、ジドブジンに対して感受性は回復する。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジンとラミブジンを併用することによりジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する38)38)。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
ジドブジン(Zidovudine)
2.化学名
3'-アジド-3'-デオキシチミジン
3.分子式
C1010H1313N55O44
4.分子量
267.24
5.構造式
6.性状
白色〜微黄白色の粉末で、においはない。
エタノール(95)にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
光によって分解する。
7.融点
124〜126℃

包装

レトロビルカプセル100mg:100カプセル(10カプセル×10)PTP

主要文献及び文献請求先

Guidelines HIV-Infected Adolescents.(DHHS,http://www.aidsinfo.nih.gov/Guidelines/)
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文献請求先

問い合わせ先 グラクソ・スミスクライン株式会社
**東京都港区赤坂1-8-1ヴィーブヘルスケア・カスタマー・サービス
**TEL:0120-066-525(9:00〜17:45
FAX:0120-128-525(24時間受付)

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**製造販売元
ヴィーブヘルスケア株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
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東京都港区赤坂1-8-1

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6250001M1038 レトロビルカプセル100mg ジドブジン 100mg1カプセル 284.4

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