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薬剤師ネクスト経営塾

フィニバックス点滴静注用0.25g

作成又は改訂年月

**2017年6月改訂(第14版,使用上の注意の項の自主改訂)
*2013年3月改訂

日本標準商品分類番号

876139

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
**2016年12月
効能又は効果追加承認年月(最新)
2012年5月
国際誕生年月
2005年7月

薬効分類名

カルバペネム系抗生物質製剤

承認等

販売名

フィニバックス点滴静注用0.25g

販売名コード

6139402D1032

承認・許可番号

承認番号
22300AMX00576
欧文商標名
FINIBAX

薬価基準収載年月

2011年11月

販売開始年月

2005年9月

貯法・使用期限等

貯 法
貯法・使用期限等 室温保存(「取扱い上の注意」の項参照)
使用期限
貯法・使用期限等 外箱等に表示(使用期間3年)

規制区分

処方箋医薬品注1)
規制区分 注1) 注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量
組成1瓶中
ドリペネム水和物0.25g(力価)

性状

性状・剤形
性状白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末である。(注射剤)
pH
性状4.5〜6.0
10mg(力価)/mL水溶液
浸透圧比〔生理食塩液に対する比〕
性状約1
2.5mg(力価)/mL生理食塩液
性状 

販売名

フィニバックス点滴静注用0.5g

販売名コード

6139402D2020

承認・許可番号

承認番号
22300AMX00625
欧文商標名
FINIBAX

薬価基準収載年月

2011年9月

販売開始年月

2011年11月

貯法・使用期限等

貯 法
貯法・使用期限等 室温保存(「取扱い上の注意」の項参照)
使用期限
貯法・使用期限等 外箱等に表示(使用期間3年)

規制区分

処方箋医薬品注1)
規制区分 注1) 注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量
組成1瓶中
ドリペネム水和物0.5g(力価)

性状

性状・剤形
性状白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末である。(注射剤)
pH
性状4.5〜6.0
10mg(力価)/mL水溶液
浸透圧比〔生理食塩液に対する比〕
性状約1
5mg(力価)/mL生理食塩液
性状 

販売名

フィニバックスキット点滴静注用0.25g

販売名コード

6139402G1039

承認・許可番号

承認番号
22300AMX00577
欧文商標名
FINIBAX

薬価基準収載年月

2011年11月

販売開始年月

2006年6月

貯法・使用期限等

貯 法
貯法・使用期限等 室温保存(「取扱い上の注意」の項参照)
使用期限
貯法・使用期限等 外箱等に表示(使用期間3年)

規制区分

処方箋医薬品注1)
規制区分 注1) 注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量
組成1キット中
ドリペネム水和物0.25g(力価)

性状

性状・剤形
性状白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末である。(注射剤)
pH
性状4.5〜6.0
2.5mg(力価)/mL生理食塩液
浸透圧比〔生理食塩液に対する比〕
性状約1
2.5mg(力価)/mL生理食塩液
添付溶解液
性状1キット中
日局生理食塩液100mL
 
キット:1つのプラスチック容器に隔壁を設けて,上室に薬剤,下室に溶解液を充てんした注射剤
性状 

一般的名称

注射用ドリペネム水和物

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者[てんかんの発作が再発するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]

原則禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

用法・用量

用法・用量
用法・用量通常,成人にはドリペネムとして1回0.25g(力価)を1日2回又は3回,30分以上かけて点滴静注する。
用法・用量
用法・用量なお,年齢・症状に応じて適宜増減するが,重症・難治性感染症には,1回0.5g(力価)を1日3回投与し,増量が必要と判断される場合に限り1回量として1.0g(力価),1日量として3.0g(力価)まで投与できる。
用法・用量
用法・用量通常,小児にはドリペネムとして1回20mg(力価)/kgを1日3回,30分以上かけて点滴静注する。
用法・用量
用法・用量なお,年齢・症状に応じて適宜増減するが,重症・難治性感染症には,1回40mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし,投与量の上限は1回1.0g(力価)までとする。

用法・用量に関連する使用上の注意

1.注射液の調製方法
(1)フィニバックス点滴静注用0.25g(力価)10mL容量瓶,フィニバックス点滴静注用0.5g(力価)20mL容量瓶
通常,生理食塩液100mLを用いて,よく振盪して溶解する。注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。また,L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると,著しく力価が低下するので,配合しないこと。
(2)フィニバックスキット点滴静注用0.25g(力価)
溶解液(日局生理食塩液)部分を手で押して隔壁を開通させ,更に溶解液部分を繰り返し押して薬剤を完全に溶解する。
(詳しい溶解方法については,キット製品の外袋及びカバーシートに記載の溶解操作方法を参照のこと。)
2.高度の腎障害のある患者では,投与量を減らすか,投与間隔をあけるなど患者の状態を十分に観察し,慎重に投与すること。
腎機能障害患者への投与に際しては,下表を目安に投与量を調節すること。[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
3.本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
4.本剤の使用に際しては,投与開始後3日を目安として更に継続投与が必要か判定し,投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。

**,*使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1.ドリペネムに関する注意
(1)カルバペネム系,ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2)本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3)高度の腎障害のある患者[血中からの消失が遅延する。また,痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重大な副作用」及び「薬物動態」の項参照)]
(4)肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
(5)経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
(6)高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
(7)てんかんの既往歴あるいは中枢神経障害を有する患者[痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「重大な副作用」の項参照)]
2.生理食塩液に関する注意
(1)心臓,循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷及び循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある。]
(2)腎障害のある患者[水分,塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

1.本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
(1)事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深く観察すること。
2.発疹等の副作用の発現には特に注意し,症状が発現した時には,他剤に切り替えるなど適切な処置を講じること。なお,継続使用にあたっても,引き続き副作用症状に注意すること。

相互作用

併用禁忌

併用禁忌
(併用しないこと)
バルプロ酸ナトリウム
 デパケン,バレリン,ハイセレニン等
バルプロ酸の血中濃度が低下し,てんかんの発作が再発するおそれがある。
機序は不明

副作用

副作用等発現状況の概要
<成人>承認時における安全性評価対象例835例中,副作用は37例(4.4%)に認められた。主なものは,下痢6例(0.7%),発疹5例(0.6%)であった。また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例818例中,195例(23.8%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇102例/806例(12.7%),AST(GOT)上昇78例/807例(9.7%)であった。再審査申請時における製造販売後調査での安全性評価対象例3787例中,臨床検査値異常を含む副作用は471例(12.44%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇115例(3.04%),肝機能異常112例(2.96%),AST(GOT)上昇100例(2.64%)であった。再審査申請時における製造販売後臨床試験での安全性評価対象例200例中,臨床検査値異常を含む副作用は82例(41.0%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇27例(13.5%),AST(GOT)上昇27例(13.5%)であった。重症・難治性感染症患者を対象とした1回1.0g(力価)1日3回投与による臨床試験の安全性評価対象例101例中,臨床検査値異常を含む副作用は42例(41.6%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇14例(13.9%),AST(GOT)上昇13例(12.9%),γ-GTP上昇9例(8.9%),下痢9例(8.9%),Al-P上昇7例(6.9%)であった。再審査終了時における製造販売後調査での安全性評価対象例337例中,臨床検査値異常を含む副作用は99例(29.4%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇24例(7.1%),肝機能異常22例(6.5%),AST(GOT)上昇19例(5.6%)であった。<小児>承認時における安全性評価対象例107例中,臨床検査値異常を含む副作用は30例(28.0%)に認められた。主なものは,下痢14例(13.1%),血小板増多6例(5.6%),ALT(GPT)上昇6例(5.6%)であった。
重大な副作用
1.ショック(頻度不明),アナフィラキシー(0.1%未満0.1%未満):ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.偽膜性大腸炎(0.1〜1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.肝機能障害(0.1〜1%未満0.1〜1%未満),黄疸(0.1%未満0.1%未満):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4.急性腎不全(0.1〜1%未満0.1〜1%未満):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5.汎血球減少症(0.1%未満0.1%未満),無顆粒球症(頻度不明),白血球減少(0.1%未満0.1%未満),血小板減少(0.1〜1%未満0.1〜1%未満):汎血球減少症,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7.間質性肺炎(0.1%未満0.1%未満):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,咳嗽,呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し,間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8.痙攣,意識障害(頻度不明):痙攣,意識障害等の中枢神経症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。特に腎障害や,脳血管障害等の中枢神経障害のある患者に起こりやすいので,投与する場合には注意すること。
.※:製造販売後調査の結果に基づく
重大な副作用(類薬)
1.溶血性貧血:他のカルバペネム系抗生物質で,溶血性貧血があらわれることが報告されているので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.肺好酸球増加症(PIE症候群):他のカルバペネム系抗生物質で,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う肺好酸球増加症(PIE症候群)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3.血栓性静脈炎:他のカルバペネム系抗生物質で,血栓性静脈炎があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
その他の副作用
その他の副作用次のような副作用があらわれた場合には,必要に応じて,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
過敏症注1
頻度
0.5〜5%未満
その他の副作用
その他の副作用発疹
過敏症注1
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用そう痒,発熱,発赤,蕁麻疹
血液
頻度
0.5〜5%未満
その他の副作用
その他の副作用顆粒球減少,血小板増多,好酸球増多
血液
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),血小板減少,好塩基球増多
肝臓
頻度
5%以上
その他の副作用
その他の副作用AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇
肝臓
頻度
0.5〜5%未満
その他の副作用
その他の副作用LDH上昇,Al-P上昇,γ-GTP上昇,LAP上昇,ビリルビン上昇
腎臓
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用BUN上昇,血清クレアチニン上昇
消化器
頻度
0.5〜5%未満
その他の副作用
その他の副作用下痢
消化器
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用嘔気,嘔吐,胃不快感,腹痛,食欲不振
精神神経系
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用しびれ感,振戦
菌交代症
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用口内炎,カンジダ症
ビタミン欠乏症
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
ビタミン欠乏症
頻度
頻度不明
その他の副作用
その他の副作用ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等)
その他
頻度
0.5〜5%未満
その他の副作用
その他の副作用血清カリウム上昇
その他
頻度
0.5%未満
その他の副作用
その他の副作用頭痛,倦怠感,ほてり,注射部位血管痛,電解質異常(血清カリウム,血清ナトリウム,血清クロール)
その他の副作用
その他の副作用注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。
その他の副作用
その他の副作用※:製造販売後調査の結果に基づく

高齢者への投与

1.本剤は腎排泄型の薬剤であり,高齢者では一般に生理機能が低下していることが多いので,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
2.高齢者では,ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.投与中は授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

臨床検査結果に及ぼす影響

1.テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬,クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
3.ウロビリノーゲン検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。

適用上の注意

1.投与経路:本剤は点滴静脈内注射にのみ使用すること。
2.調製方法:通常,生理食塩液100mLを用いて,よく振盪して溶解する。注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。また,L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると,著しく力価が低下するので,配合しないこと。
3.調製時 
(1)調製後は速やかに使用すること。なお,やむを得ず保存を必要とする場合でも日局生理食塩液に溶解した場合,室温保存では8時間以内に,冷蔵庫保存では24時間以内に使用すること。(「取扱い上の注意」の項参照)
(2)キット製品の場合は残液は決して使用しないこと。

薬物動態

1.血漿中濃度
(1)健康成人
健康成人男性各6例に0.25g(力価),0.5g(力価)及び1.0g(力価)を30分かけて単回点滴静注したときの血漿中濃度及び薬物動態パラメータを図1・表1に示す。反復投与での体内動態は単回投与時とほとんど変わらなかった1)
表1 薬物動態パラメータ参照
(2)小児患者
小児患者(2ヵ月〜13歳)99例に20mg(力価)/kg〔体重25kg以上は0.5g(力価)〕を30分以上かけて点滴静注したときの血漿中濃度(190ポイント)を図2に示す。また,母集団薬物動態解析結果に基づいて推定した薬物曝露量を表2に示す2)
表2 小児における薬物曝露量推定値注1(1日3回投与)参照
(3)高齢者
健康高齢者(66〜69歳)6例に0.25g(力価)を30分かけて単回点滴静注したとき,高齢者では非高齢者に比べて血中からの消失が遅延する傾向が認められるものの,Cmaxに有意な差はみられなかった3)
表3 薬物動態パラメータ参照
(4)腎機能障害患者
(1)腎機能障害患者12例に0.25g(力価)を30分かけて単回点滴静注したとき,腎機能の低下に伴い,血中からの消失が遅延する傾向が認められた4)
表4 薬物動態パラメータ参照
(2)健康成人,腎機能障害患者及び健康高齢者の92例から得られた921ポイントの血漿中濃度について,母集団薬物動態解析を行った。本剤の薬物動態に対する影響因子として,腎機能障害の程度(Ccr)の影響が大きく,Ccrに応じた投与量の調節が必要であると考えられた5)
Ccr別の1日投与量ごとの曝露量(1日あたりのAUC)を表5に示す。また,Ccrに応じた投与量の調節は,「用法・用量に関連する使用上の注意」のCcr別の1日投与量の目安を参考にすること。
表5 Ccr別の1日投与量ごとの1日あたりのAUC(定常状態)注1参照
(5)血液透析患者
血液透析患者6例に0.5g(力価)を1時間かけて単回点滴静注したときの血漿中濃度を図3に示す。点滴開始2時間後から4時間かけて透析することにより血液透析未実施の場合と比較してAUCは43%に低下した6)。(外国人によるデータ)
2.分布
皮膚組織,関節液,滑膜,海綿骨,皮質骨,喀痰,前立腺組織,胆汁,胆嚢,腹腔内滲出液,子宮・子宮付属器,骨盤死腔液,前房水,中耳粘膜,口蓋扁桃,中耳分泌物,歯肉,嚢胞,髄液への移行が認められた7),8)
(参考)乳汁中移行
授乳ラットに[14C]-ドリペネム20mg(力価)/kgを静脈内投与したときの乳汁中放射能濃度は投与30分後に最高濃度に達したが,血漿中放射能濃度の約1/6であった9)
3.代謝・排泄
(1)主として糸球体ろ過及び尿細管分泌により腎から尿中に排泄される。健康成人男性6例に0.25g(力価),0.5g(力価)及び1.0g(力価)を単回点滴静注したときの尿中排泄率は,投与量に関係なく,24時間までに未変化体として約75%,βラクタム環が開裂したジカルボン酸体(主代謝物)を含めると約90%であった1)
(2)ヒト腎デヒドロペプチダーゼ-Iに安定性を示す10)
4.その他
血清蛋白結合率:0.5g(力価)1日2回反復投与試験において限外ろ過法にて測定した血清蛋白結合率は約9%であった1)

薬物動態の表

投与量〔g(力価)〕nCmax(μg/mL)AUC0-12(μg・hr/mL)T1/2
0.25618.1±1.920.26±3.480.90±0.08
0.5633.1±4.834.38±2.230.86±0.04
1.0663.0±5.175.52±5.890.98±0.09
(測定法:bioassay)(mean±S.D.)
投与量注2nCmax(μg/mL)1日あたりのAUC
209930.5±2.6140.6±23.1
注1:NONMEM(R)を用いて推定
注2:体重25kg以上は0.5g(力価)
(mean±S.D.)
 投与量
nCmax
AUC0-24(μg・hr/mL)T1/2
高齢者0.25617.5±2.525.72±4.621.43±0.19
非高齢者0.25618.1±1.920.26±3.48注10.90±0.08
注1:AUC0-12
(測定法:bioassay)(mean±S.D.)
Ccr
nCmax
AUC0-24(μg・hr/mL)T1/2
50≦Ccr<70421.9±1.340.55±5.891.98±0.38
30≦Ccr<50621.2±4.648.21±13.412.16±0.32
Ccr<30217.964.313.56
Ccr:クレアチニンクリアランス
(測定法:bioassay,HPLC)(mean±S.D.)
Ccr
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
1日投与量ごとの1日あたりのAUC(μg・hr/mL)
105≦Ccr34.7
52.3
69.4
104
139
209
70≦Ccr
41.3
62.2
82.7
124
165
250
50≦Ccr<7058.2
87.5
117
175
233
349
30≦Ccr<5082.9
124
166
250
332
498
Ccr<30145
215
293
433
587
872
Ccr:クレアチニンクリアランス
注1:中央値(90%予測範囲),母集団薬物動態解析パラメータ(NONMEM(R)を用いて推定)によるシミュレーション結果

臨床成績

1.成人
承認時における臨床試験での有効性評価対象例は734例であり,有効率は93.2%(684例)であった11)
表6 臨床成績参照
重症・難治性感染症患者を対象とした1回1.0g(力価)1日3回投与による臨床試験で登録された101例のうち,本剤1回1.0g(力価)1日3回投与が必要となる重症・難治性感染症患者で,かつ本剤単独での有効性評価が可能な症例を選択した結果,有効性評価対象例は73例となり,有効率は75.3%(55例)であった12),13)
表7 臨床成績〔1回1.0g(力価)1日3回投与〕参照
2.小児
承認時における臨床試験での有効性評価対象例は100例であり,有効率は97.0%(97例)であった7),14)
表8 臨床成績参照

臨床成績の表

疾患名有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
敗血症,感染性心内膜炎 11/11100
深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎 19/19100
外科領域感染症
20/2290.9
整形外科領域感染症
6/6
呼吸器感染症
299/32691.7
尿路感染症
198/20994.7
腹腔内感染症
33/3594.3
肝・胆道感染症
22/2491.7
産婦人科領域感染症
32/3786.5
眼科領域感染症
15/15100
耳鼻科領域感染症
5/6
歯科・口腔外科領域感染症
24/24100
疾患名有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
敗血症27/3969.2
肺炎15/1978.9
腹膜炎,腹腔内膿瘍12/1485.7
手術創の二次感染1/1
疾患名有効例数/有効性評価対象例数有効率(%)
敗血症5/5
リンパ管・リンパ節炎 2/2
呼吸器感染症
61/6396.8
尿路感染症
11/11100
化膿性髄膜炎6/6注1
耳鼻科領域感染症
8/8
歯科・口腔外科領域感染症
4/5
注1:本剤単剤での評価が可能であった症例は6例中2例であり,他の4例はセフェム系抗生物質との併用療法での評価症例である。

薬効薬理

1.薬理作用
好気性のグラム陽性菌,グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して,幅広い抗菌スペクトルを有し,特に緑膿菌に対しては既存のカルバペネム系抗生物質に比べ強い抗菌力を有する15)
2.作用機序
細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合蛋白(PBP)に結合し,細菌の細胞壁合成阻害により抗菌作用を発揮し,その作用は殺菌的である。
黄色ブドウ球菌ではPBP1に,緑膿菌ではPBP2,3に,大腸菌ではPBP2に高い結合親和性を示した15)

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称:ドリペネム水和物(JAN)
Doripenem Hydrate略号:DRPM化学名:(+)-(4R,5S,6S)-6-[(1R)-1-Hydroxyethyl]-4-methyl-7-oxo-3-[[(3S,5S)-5-[(sulfamoylamino)methyl]-3-pyrrolidinyl]thio]-1-azabicyclo[3.2.0]hept-2-ene-2-carboxylic monohydrate分子式:C15H24N4O6S2・H2O分子量:438.52化学構造式:性状:白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく,メタノールに溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない。融点:明確な融点を示さない。(140℃以上で徐々に着色する。)分配係数:0.002[1-オクタノール/水]

取扱い上の注意

1.キット製品では,下記の点に注意すること。
(1)製品の品質を保持するため,本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。
(2)次の場合には使用しないこと。
(1)外袋が破損しているときや溶解液が漏出しているとき。
(2)隔壁の開通前に薬剤が溶解しているとき。
(3)薬剤が変色しているときや,薬剤溶解前に溶解液が着色しているとき。
(3)容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
2.生理食塩液溶解時の安定性
0.25g製剤1瓶及び1キットを生理食塩液100mLに溶解したときの含量を表9に示す。
3.主な輸液製剤との配合変化
0.25g製剤1瓶を主な輸液製剤に溶解したときの含量を表10に示す16)

包装

フィニバックス点滴静注用0.25g:10瓶(10mL容量瓶)
フィニバックス点滴静注用0.5g:10瓶(20mL容量瓶)
フィニバックスキット点滴静注用0.25g:10キット

主要文献及び文献請求先

〔文献請求番号〕
中島光好ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),104〔200501276〕
社内資料(小児患者における薬物動態)〔201101349〕
中島光好ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),124〔200501277〕
上原慎也ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),130〔200501278〕
社内資料(母集団薬物動態解析)〔201100103〕
社内資料(血液透析患者における薬物動態)〔201100104〕
社内資料(国内第3相試験(化膿性髄膜炎))〔201101351〕
塩野義製薬集計;荒田次郎ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),303〔200501272〕を含む10文献
社内資料(ラットにおける乳汁移行性)〔200501112〕
山野佳則ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),92〔200501279〕
塩野義製薬集計;齊藤厚ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),157〔200501261〕を含む17文献
社内資料(国内第3相試験(高用量・血液内科))〔201100101〕
社内資料(国内第3相試験(高用量・血液内科以外))〔201100102〕
社内資料(国内第3相試験(一般感染症))〔201101350〕
藤村亨滋ほか:日本化学療法学会雑誌,2005,53(S-1),57〔200501281〕
社内資料(フィニバックスの配合変化表)

文献請求先

問い合わせ先主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
問い合わせ先 
問い合わせ先塩野義製薬株式会社 医薬情報センター
〒541-0045大阪市中央区道修町3丁目1番8号
電話0120-956-734
FAX 06-6202-1541
http://www.shionogi.co.jp/med/

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
塩野義製薬株式会社
〒541-0045大阪市中央区道修町3丁目1番8号

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6139402D2020 フィニバックス点滴静注用0.5g ドリペネム水和物 500mg1瓶 1625
6139402G1039 フィニバックスキット点滴静注用0.25g ドリペネム水和物 250mg1キット(生理食塩液100mL付) 1708
6139402D1032 フィニバックス点滴静注用0.25g ドリペネム水和物 250mg1瓶 1165

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