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薬剤師ネクスト経営塾

キュビシン静注用350mg

作成又は改訂年月

**2016年10月改訂(第5版)
*2015年10月改訂

日本標準商品分類番号

876119

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2003年9月

薬効分類名

環状リポペプチド系抗生物質製剤

承認等

販売名

キュビシン静注用350mg

販売名コード

6119402D1021

承認・許可番号

承認番号
22300AMX00604000
商標名
CUBICIN 350mg

薬価基準収載年月

2011年9月

販売開始年月

2011年9月

貯法・使用期限等

貯法
使用期限等2〜8℃
使用期間
使用期限等3年
使用期限
使用期限等外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品
説明事項注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分の名称
組成ダプトマイシン
含量
組成350mg
(調製時の損失を考慮に入れ、1バイアル中367.5mgを含む。)
添加物
組成水酸化ナトリウム(pH調節剤)

性状

容器
性状10mLバイアル(単回用)
pH
性状4.0〜5.0
浸透圧比
性状約1(生理食塩液に対する比)
性状
性状凍結乾燥した微黄色〜淡褐色の塊又は粉末(無菌製剤)

一般的名称

注射用ダプトマイシン

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
禁忌
禁忌本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

左心系感染性心内膜炎に対する本剤の有効性は認められていないため、右心系感染性心内膜炎にのみ使用すること。〔左心系感染性心内膜炎に対して、国内での使用経験はなく、海外でも有効性は認められていない。〕
本剤は肺炎に使用しないこと。〔本剤は肺サーファクタントに結合し、不活性化される。〕

用法及び用量

1.[敗血症、感染性心内膜炎の場合]
通常、成人にはダプトマイシンとして1日1回6mg/kgを24時間ごとに30分かけて点滴静注又は緩徐に静脈内注射する。
2.[深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染の場合]
通常、成人にはダプトマイシンとして1日1回4mg/kgを24時間ごとに30分かけて点滴静注又は緩徐に静脈内注射する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤は1バイアルにつき7mLの生理食塩液を加えて溶解し、この溶解液の濃度を50mg/mLとして用いること。〔「適用上の注意」の項参照〕
ダプトマイシンは主に腎臓で排泄されるため、血液透析又は連続携行式腹膜透析(CAPD)を受けている患者を含む腎機能障害の患者では、下表を目安に本剤の用量調節をすること。〔「慎重投与」「重要な基本的注意」及び「薬物動態」の項参照〕



†可能な場合、血液透析日には血液透析後に本剤を投与すること。週3回でも可。
本剤は、1日2回以上投与しないこと。〔海外第I相及び第II相試験において1日2回以上投与した場合、血中クレアチンキナーゼ(血中クレアチンホスホキナーゼ)[CK(CPK)]値が上昇した。〕
ダプトマイシンはグラム陽性菌に対してのみ抗菌活性を有する。したがってグラム陰性菌等を含む混合感染と診断された場合、又は混合感染が疑われる場合は本剤と適切な薬剤を併用して治療を行うこと。
本剤の使用にあたっては、耐性菌の出現等を防ぐため、次のことに注意すること。
感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで行うこと。
原則として他の抗菌薬及びダプトマイシンに対する感受性を確認すること。〔「薬効薬理」の項参照〕
投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か判定し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。〔「臨床成績」の項参照〕

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
慎重投与
慎重投与腎機能障害がある患者

重要な基本的注意

本剤投与中に、CK(CPK)上昇が報告されているので、以下の点について十分注意すること。
CK(CPK)値を投与期間中は定期的に(週1回以上)モニタリングすること。腎機能障害がある患者、原因不明のCK(CPK)上昇を発現した患者及びHMG-CoA還元酵素阻害剤を前治療又は併用した患者では、CK(CPK)値を更に頻回にモニタリングすること。
CK(CPK)値が1,000U/L(基準値上限の約5倍)を超え原因不明のミオパシーの徴候又は症状を示す患者、あるいは症状はないがCK(CPK)値が2,000U/L(基準値上限の約10倍)を超える顕著な増加を示した場合は、本剤の投与を中止すること。
腎機能障害がある患者では、腎機能を頻回にモニタリングすること。
*本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
点滴静注の場合は投与開始から投与終了後まで、また、静脈内注射の場合は投与終了後もしばらくの間、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等 
HMG-CoA還元酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
本剤及びHMG-CoA還元酵素阻害剤を併用した場合CK(CPK)が上昇する可能性があることから、本剤投与中はこれらの薬剤の休薬を考慮すること。〔「重要な基本的注意」の項参照〕
機序・危険因子
機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要
副作用の概要
副作用の概要国内で実施した実薬対照試験において、安全性解析対象例99例中11例(11.1%)に副作用が認められ、16例(16.2%)に臨床検査値の副作用が認められた。主なものはAST(GOT)上昇7例(7.1%)、ALT(GPT)上昇7例(7.1%)、湿疹2例(2.0%)、発熱2例(2.0%)、下痢2例(2.0%)、血小板数減少2例(2.0%)、Al-P上昇2例(2.0%)、CK(CPK)上昇2例(2.0%)、好酸球数増加2例(2.0%)であった。
副作用の概要
副作用の概要外国で実施した菌血症及び感染性心内膜炎を対象にした実薬対照比較試験において、安全性解析対象例120例中42例(35.0%)に副作用が認められ、主なものは、CK(CPK)上昇6例(5.0%)、軟便4例(3.3%)、消化不良3例(2.5%)、発疹3例(2.5%)、血中リン増加3例(2.5%)であった。
副作用の概要
副作用の概要外国で実施した複雑性皮膚・軟部組織感染症を対象にした2つの実薬対照比較試験及び1つの薬物動態試験において、安全性解析対象例550例中99例(18.0%)に副作用が認められ、主なものは、悪心13例(2.4%)、CK(CPK)上昇12例(2.2%)、嘔吐10例(1.8%)、下痢9例(1.6%)、便秘7例(1.3%)、皮膚炎7例(1.3%)であった。
重大な副作用
*ショック・アナフィラキシー
頻度
(1.0%)
重大な副作用
重大な副作用ショック・アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**急性汎発性発疹性膿疱症急性汎発性発疹性膿疱症
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)値上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
好酸球性肺炎
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用本剤投与2〜4週後、発熱、低酸素血症性呼吸困難、びまん性肺浸潤を伴う好酸球性肺炎が報告されている。これらの症状や徴候があらわれた場合には、投与を中止し、全身ステロイド療法等の適切な処置を行うこと。
末梢性ニューロパシー
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用末梢性ニューロパシーがあらわれることがあるので、本剤投与中は末梢性ニューロパシーの徴候及び症状に注意し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
腎不全
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎
頻度
(頻度不明)注1)
重大な副作用
重大な副作用偽膜性大腸炎は、ダプトマイシンを含むほぼすべての抗菌薬の使用により報告されている。偽膜性大腸炎が疑われたり、確定診断がなされた場合には、本剤の投与中止又は適切な処置を考慮すること。
**注1)自発報告又は外国において認められている。
その他の副作用
感染症及び寄生虫症
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用尿路感染、真菌感染、カンジダ感染、真菌血症
血液及びリンパ系障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用貧血注2)、血小板増加症、好酸球増加症
代謝及び栄養障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用高血糖、電解質失調、食欲減退
精神障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用不安、不眠症
神経系障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用浮動性めまい、頭痛、錯感覚、振戦、味覚異常
耳及び迷路障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用回転性めまい
心臓障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用上室性不整脈
血管障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用高血圧、低血圧、潮紅
胃腸障害
頻度
(2〜10%)
その他の副作用
その他の副作用下痢
胃腸障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用消化器痛/腹痛、嘔吐、鼓腸/腹部膨満感/腹部膨満、便秘、悪心、消化不良
肝胆道系障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用黄疸
皮膚及び皮下組織障害
頻度
(2〜10%)
その他の副作用
その他の副作用湿疹
皮膚及び皮下組織障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用そう痒症、発疹、蕁麻疹注2)、小水疱水疱性皮疹(粘膜性又は非粘膜性)
筋骨格系及び結合組織障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用四肢痛、筋力低下、筋肉痛、関節痛
腎及び尿路障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用腎障害
生殖系及び乳房障害
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用腟炎
全身障害及び投与局所様態
頻度
(2〜10%)
その他の副作用
その他の副作用発熱
全身障害及び投与局所様態
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用無力症、注射部位反応、悪寒、疲労、血管性浮腫
臨床検査
頻度
(2〜10%)
その他の副作用
その他の副作用肝機能検査異常(AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇)、血小板数減少、CK(CPK)上昇、好酸球数増加
臨床検査
頻度
(頻度不明注1)
その他の副作用
その他の副作用血中クレアチニン上昇、INR増加、LDH上昇注2)、プロトロンビン時間延長、血中ミオグロビン上昇、尿中ミオグロビン上昇
上のような症状又は異常があらわれた場合には、適切な処置を行うこと。
注1)外国において認められている。
注2)国内においても認められている(1.0%)。

高齢者への投与

高齢者への投与
高齢者への投与高齢者では一般的に生理機能が低下しているので注意すること。CLCR≧30mL/minの高齢者では用量調節は必要ない。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠ラットにおいて、ダプトマイシンは胎盤を通過することが認められている。〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与授乳中の婦人にやむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。〔症例報告にて、ヒト母乳中へダプトマイシンが低濃度(0.045μg/mL、乳汁中濃度/血漿中濃度比:0.12%)で移行することが報告された。1)

小児等への投与

小児等への投与
小児等への投与小児等に対する安全性及び有効性は確立していない。(国内での使用経験がない。)〔「薬物動態」の項参照〕
小児等への投与
小児等への投与*成人と比較して小児、小児と比較して新生児では神経及び筋障害のリスクが増大する可能性がある。(幼若イヌ及び新生児イヌを用いた試験により、神経及び筋症状に対する感受性の亢進がみられた。〔「その他の注意」の項参照〕)

臨床検査結果に及ぼす影響

遺伝子組換え型トロンボプラスチン試薬を用いた測定において、ダプトマイシンの血漿中の濃度が臨床的に十分高い場合、見かけ上、濃度依存的かつ有意なプロトロンビン時間(PT)延長及び国際標準比(INR)増加がみられることがある。遺伝子組換え型トロンボプラスチン試薬とダプトマイシンの相互作用による見かけ上のPT延長及びINR増加は、ダプトマイシンの血漿中濃度がトラフ付近でPT又はINR検査用の試料を採取することにより可能性を最小限にできる。しかし、トラフ値でも相互作用を引き起こす可能性が十分にある。
本剤投与中にPT又はINRが異常に高い場合には、以下を行うことが望ましい。
2回目以降の本剤投与直前(トラフ時)に採血し、PT又はINRの評価を繰り返す。トラフ時のPT又はINRが予想よりも顕著に高い場合には、他の方法によるPT又はINRの評価を検討すること。
PT又はINRの異常高値を引き起こす他の原因について評価すること。
本剤とワルファリンを併用する場合には、本剤投与開始後数日間は抗凝血活性をモニタリングすること。

過量投与

過量投与
過量投与本剤の過量投与が疑われた場合は患者の状態を注意深く観察し、必要に応じ支持療法を行うことが望ましい。本剤は、血液透析(4時間で投与量の約15%除去)又は腹膜透析(48時間で約11%除去)により体内から緩やかに除去される。

適用上の注意

1.調製方法
本剤1バイアルにつき7mLの生理食塩液をゆっくりと加えて溶解し、50mg/mLの溶液とする。なお、泡立ちを抑えるため、溶解時又は溶解後のバイアルは激しく振とうせずに、以下の手順に従って調製する。
・ ゴム栓の中央部に針を刺す。
・ 生理食塩液7mLをバイアルの内壁をつたわらせながらゆっくりと注入する。
・ バイアルをゆっくりと回しながら塊又は粉末を十分に湿らせる。
・ 溶解するまで約10分間静置する。
・ 数分間ゆっくりとバイアルを回す。
・ 完全に溶解したことを確認する。
静脈内注射する場合、1)の溶液をそのまま使用する。
30分かけて点滴静注する場合、1)の溶液をさらに生理食塩液で希釈し使用する。
調製後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、調製開始後、室温(25℃)では12時間以内、冷所(2〜8℃)では48時間以内に使用すること。
2.投与前
不溶物がないことを目視で確認すること。
3.配合適性
本剤は生理食塩液及び乳酸リンゲル液とは配合可能である。
ブドウ糖を含む希釈液とは配合不適である
配合適性については限られたデータしかないため、他の薬剤を同一の輸液ラインを通して同時に注入しないこと。他の薬剤を同一の輸液ラインから連続注入する場合には、配合変化を起こさない輸液(生理食塩液又は乳酸リンゲル液)を本剤の投与前後に輸液ライン内に流すこと。

その他の注意

その他の注意
その他の注意*ラット及びイヌにおいて、ダプトマイシン投与により骨格筋に影響がみられたが、心筋及び平滑筋に変化は認められなかった。この変化は、病理組織学的に骨格筋の変性又は再生像を呈し、CK(CPK)の上昇を伴っていた。線維化及び横紋筋融解症は認められなかった。病理組織学的変化を含む骨格筋への影響はすべて、ラットにおいて休薬後4週以内及びイヌにおいて休薬後11週以内に完全に回復した。
ラット及びイヌにおいて、末梢神経に変化(軸索の変性像を呈し、機能的な変化を伴うこともあった)がみられ、この変化はミオパシーよりも高用量で認められた。病理組織学的及び機能的な影響はイヌで評価したところ、実質的に休薬後6ヵ月以内に回復した。
7週齢の幼若イヌ(神経及び筋等の発達段階が乳幼児に相当)にダプトマイシンを28日間静脈内投与した試験において、成熟イヌと比較して低い血漿中曝露量(50mg/kg/日:Cmaxの比較で約1/2)から末梢神経の変性がみられた。また、成熟イヌと同様の所見に加えて脊髄の変性がみられた。これらの所見は28日間の休薬後に回復傾向が認められた。
4日齢新生児イヌにダプトマイシンを28日間(生後4〜31日)静脈内投与した試験において、幼若イヌと比較して低い血漿中曝露量(25mg/kg/日:Cmaxの比較で約1/3)から筋攣縮及び筋硬直がみられた。これらの所見は28日間の休薬後には回復した。なお、25mg/kg/日投与時の血中濃度は、ヒトの乳児において予想される血中濃度の範囲内であった。

薬物動態

1.血漿中濃度
(1)単回投与(30分間点滴静注)
健康成人にダプトマイシン2、4、6、9及び12mg/kgを30分間単回点滴静脈内投与した際、ダプトマイシンの血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0-∞0-∞)及び最高血漿中濃度(Cmax)は、ほぼ用量に比例して増加した。終末相消失半減期(t1/21/2)、血漿クリアランス(CL)及び分布容積(Vdd)は、用量によらずほぼ一定であった(図1及び表1)。



図1 健康成人におけるダプトマイシン30分間点滴静注時の平均血漿中濃度の推移(平均、n=6)
(2)単回投与(静脈内注射)
健康成人にダプトマイシン6mg/kgをクロスオーバーで10秒間静脈内注射又は30分間点滴静注した際、静脈内注射のCmaxは、30分間点滴静注に比べ約1.5倍高かったが、AUC、C24hr24hr及びt1/21/2等の他の薬物動態パラメータは同程度であった(表2)。
(3)反復投与
健康成人にダプトマイシン4、6及び10mg/kgを1日1回7日間反復静脈内投与した際、ダプトマイシンの薬物動態はおおむね線形(用量比例)で、時間(投与日数)非依存的であった。ダプトマイシンの血漿中濃度は、おおむね3〜5日目で定常状態に達した。反復投与による蓄積性はほとんど認められず、4、6及び10mg/kg投与によるAUC0-24hr0-24hr及びCmaxの累積係数(7日目/1日目)はそれぞれ1.15〜1.17及び1.03〜1.08であった。
2.分布
健康成人におけるダプトマイシンの分布容積は約0.1L/kgで、2〜12mg/kgの用量範囲でほぼ一定であった。また、ダプトマイシンは濃度非依存的にヒト血漿蛋白に可逆的に結合する(平均値90〜93%)。
著しい腎機能障害患者(外国人、クレアチニンクリアランス(CLcr)30mL/min未満又は透析)においてダプトマイシンの血清蛋白結合率(83.5〜87.6%)が低下する傾向を示した。軽度から中等度肝機能障害患者(外国人、Child-Pugh分類B)における蛋白結合率は健康成人と同様であった。
ラットにおける組織分布試験の結果、ダプトマイシンは単回投与及び反復投与後、血液−脳関門及び胎盤をごくわずかしか通過しなかった。
3.代謝(外国人データ)
健康成人(外国人)に14C14C-ダプトマイシン静脈内投与後の血漿中放射能濃度は、微生物学的分析で測定した濃度と類似していた。総放射能濃度と微生物学的活性濃度の差より、不活性代謝物が尿中に認められた。別試験において、血漿中に代謝物は認められず、微量の3種類の酸化代謝物及び1種類の構造未知な代謝物が尿中に検出された。代謝部位は特定されていない。
ヒト肝細胞を用いたin vitro 試験において、ダプトマイシンはCYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4の活性を阻害せず、さらにそれらの活性を誘導しないことが示された。また、in vitro 試験において、ダプトマイシンはヒト肝ミクロソームにより代謝されなかった。ダプトマイシンは、P450を介して代謝される薬物の代謝を阻害又は誘導する可能性は低い。
4.排泄
ダプトマイシンは主に腎臓から排泄される。健康成人にダプトマイシン12mg/kg単回静脈内投与した際、未変化体ダプトマイシンの投与後48時間までの尿中排泄率は73.4%で、腎クリアランスは約6mL/hr/kgであった。
健康成人(外国人)に放射能標識したダプトマイシンを静脈内投与した際、総放射能に基づくと、投与量の約78%が尿中に排泄され、このうち未変化体の尿中排泄率は投与量の約52%であった。また総放射能に基づくと、投与量の約6%が糞中に排泄された。
5.腎機能障害患者(外国人データ)
腎機能障害の程度がさまざまな患者[複雑性皮膚軟部組織感染症(cSSSI)及び黄色ブドウ球菌菌血症]にダプトマイシン4mg/kg又は6mg/kgを静脈内投与した場合、ダプトマイシンのクリアランスは減少し、AUCは増加した。CLcr(30mL/min未満)の患者及び透析患者[連続携行式腹膜透析(CAPD)又は血液透析後に投与]におけるAUCは、腎機能正常の患者に比べてそれぞれ約2倍及び3倍高かった。腎機能障害患者にダプトマイシン4mg/kgもしくは6mg/kg静脈内投与時の薬物動態パラメータを表3に示す。
また、末期腎不全患者[血液透析実施患者及び連続携行式腹膜透析(CAPD)実施患者含む]にダプトマイシン4mg/kgもしくは6mg/kg反復静脈内投与時の定常状態での推定曝露量(シミュレーションにより算出)を表4に示す。
6.肝機能障害患者(外国人データ)
中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)にダプトマイシン6mg/kgを単回静脈内投与した際の薬物動態は、健康成人と変わらなかった。重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)での薬物動態は検討していない。
7.高齢者(外国人データ)
健康高齢者(75歳以上)及び健康若年者(18〜30歳)に、ダプトマイシン4mg/kg単回静脈内投与した際、高齢者では若年者に比べてダプトマイシンの血漿クリアランスは約35%低く、AUC0-∞0-∞は約58%高かったが、Cmaxに差はなかった。
8.小児等(外国人データ)
本剤4mg/kgを単回静脈内投与した後のダプトマイシンの薬物動態を、グラム陽性菌に感染した小児患者3群において評価した。12歳から17歳の小児患者での曝露量は低かったが、薬物動態プロファイルは健康成人と類似していた。12歳未満の小児患者(7〜11歳及び2〜6歳)では、12歳から17歳の小児患者と比較するとクリアランスが高く、曝露量(AUC0-∞0-∞及びCmax)が低下し消失半減期が短くなった。本試験において有効性は評価されなかった。
9.肥満(外国人データ)
ダプトマイシンの薬物動態を中等度肥満[体格指数(BMI)25〜39.9kg/m22]の被験者6例、重度肥満(BMI 40kg/m22以上)の被験者6例において検討した。AUCは、非肥満対照被験者と比較して中等度の肥満被験者では約30%、重度肥満の被験者では31%高かった。
10.薬物相互作用(外国人データ)
(1)トブラマイシンとの併用
健康成人にダプトマイシン2mg/kgとトブラマイシン1mg/kgを併用して静脈内投与した場合、ダプトマイシンのAUC0-∞0-∞及びCmaxはそれぞれ8.7%及び12.7%上昇し、トブラマイシンのAUC0-∞0-∞及びCmaxはそれぞれ6.6%及び10.7%低下した。臨床用量のダプトマイシンとトブラマイシンの相互作用は不明である。
(2)その他の薬剤との併用
ヒトにおけるダプトマイシンとアズトレオナム、ワルファリン及びプロベネシドとの薬物相互作用が検討された。ダプトマイシンはワルファリン及びプロベネシドの薬物動態に影響を及ぼさず、またこれらの薬剤もダプトマイシンの薬物動態に影響を与えなかった。アズトレオナムはダプトマイシンの薬物動態にほとんど影響を与えなかった。

薬物動態の表

用量(mg/kg)AUC0-∞(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)t1/2(hr)Vd§(L/kg)CL§(mL/hr/kg)
2202.8
26.4
7.4
0.1087
10.07
4457.4
58.0
9.1
0.1175
8.90
6728.1
83.8
10.2
0.1212
8.20
9998.8
113.5
9.7
0.1262
8.92
121434.8
155.4
9.4
0.1147
8.47
n=6
†パネル及びパネル内投与量を固定効果、パネル内被験者を変量効果とした混合効果モデルによる最小二乗幾何平均(95%信頼区間)
‡調和平均(ジャックナイフ法を用いて計算した標準偏差)
§算術平均(標準偏差)
AUC0-∞(μg・hr/mL)Cmax(μg/mL)C24hr(μg/mL)t1/2(hr)Vd§(L/kg)CL§(mL/hr/kg)
静脈内
700
133
8.14
9.22
0.115
8.60
30分間
690
88.2
7.76
9.25
0.117
8.72
静脈内注射は10秒間投与で実施した。
n=16
†自然対数変換後の値に対する混合効果モデルから計算した最小二乗平均及び信頼区間を逆変換した。(95%信頼区間)
‡調和平均(ジャックナイフ法を用いて計算した標準偏差)
§算術平均(標準偏差)
正常軽度腎機能障害中等度腎機能障害重度腎機能障害血液透析、CAPD
4mg/kg
AUC0-∞(μg・hr/mL)417±155
466±177
560±258
925±467
1244±374
t1/2(hr)9.39±4.74
10.75±8.36
14.70±10.50
27.83±14.85
29.81±6.13
CL(mL/hr/kg)10.9±4.0
9.9±4.0
8.5±3.4
5.9±3.9
3.7±1.9
6mg/kg
AUCss(μg・hr/mL)545±296
637±215
868±349
1050,892
NA
平均±標準偏差
腎機能の程度[CLcr(mL/min)]:正常(>80)、軽度(50〜80)、中等度(30〜<50)、重度(<30)
†cSSSI患者及び健康被験者より得られた単回投与後の薬物動態パラメータ
‡黄色ブドウ球菌菌血症患者より得られた定常状態での薬物動態パラメータ
用法Cmax
AUC0-24 hr(μg・hr/mL)AUC24-48 hr(μg・hr/mL)AUC48-72 hr(μg・hr/mL)AUC0-168 hr(μg・hr/mL)
4mg/kg
血液透析
48時間
54.87984827984638
血液透析
48時間


48.6〜53.9||7814712893838
血液透析
48時間


43.9〜47.1||4962851752425
血液透析
48時間


45.1〜48.6||6804092463368
CAPD§48時間
51.97234097234119
6mg/kg
血液透析
48時間
82.1119672211966950
血液透析
48時間


72.9〜80.8||11717074345756
血液透析
48時間


65.9〜70.7||7434282623637
血液透析
48時間


67.7〜72.9||10196143695052
CAPD§48時間
77.9108561410856182
†投与終了後0〜4時間に実施
‡1回目及び2回目投与時は投与終了後44〜48時間に、3回目投与時は投与終了後68〜72時間に実施
§連続携行式腹膜透析
||定常状態の1回目投与時のCmax〜3回目投与時のCmax
¶週3回投与

臨床成績

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症
臨床成績
臨床成績MRSA感染症あるいはMRSA感染症が疑われる成人患者を対象として、ダプトマイシンを敗血症に対しては1日6mg/kgを14〜42日間、皮膚・軟部組織感染症に対しては1日4mg/kgを7〜14日間投与する実薬対照試験を行った。組入れ時にMRSA感染が確認されたmodified intent-to-treat集団(MITT-MRSA)患者における追跡有効性調査時(敗血症:投与終了後38〜46日目、皮膚・軟部組織感染症:投与終了後7〜14日目)の臨床効果(「治癒」及び「改善」を「有効」とした)、微生物学的効果(「消失」及び「推定消失」を「有効」とした)は以下のとおりであった。

(臨床成績の表参照)
菌血症及び感染性心内膜炎(外国人における成績)2)2)
臨床成績
臨床成績黄色ブドウ球菌による菌血症及び感染性心内膜炎が疑われる成人患者を対象にダプトマイシンを10〜42日間投与する実薬対照比較試験を行った。組入れ時にMRSA感染が確認されたintent-to-treat集団(ITT)患者における追跡調査終了時の臨床効果の有効率は44.4%(20/45)であった。
複雑性皮膚・軟部組織感染症(外国人における成績)3)3)
臨床成績
臨床成績グラム陽性菌による複雑性皮膚・軟部組織感染症が疑われる成人患者を対象にダプトマイシンを7〜14日間投与する2つの実薬対照比較試験を行った。両試験での組入れ時にMRSA感染が確認されたmicrobiologically evaluable集団(ME)患者における追跡調査終了時の臨床効果の有効率は75.0%(21/28)であった。

臨床成績の表

臨床効果
臨床効果
微生物学的効果
微生物学的効果
皮膚・軟部組織感染症45/5581.831/5556.4
  ・ 深在性皮膚感染症4/666.74/666.7
  ・ 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染31/3881.623/3860.5
  ・ びらん・潰瘍の二次感染9/9100.04/944.4
  ・ その他の皮膚関連疾患(伝染性膿痂疹、乾癬の二次感染)1/250.00/20.0
敗血症2/450.02/450.0

薬効薬理

1.抗菌作用
ダプトマイシンは、MRSAを含むブドウ球菌属、レンサ球菌属、腸球菌属等、臨床的に最も重要な好気性グラム陽性菌に対して、in vitro で抗菌力を示す。メチシリン、バンコマイシン及びリネゾリド耐性を含む薬剤耐性グラム陽性菌にも抗菌力を示す。また、ダプトマイシンは、in vitro 及びin vivo 動物モデルにおいて、グラム陽性菌に対して速やかかつ用量依存的な殺菌作用を示す。
2.作用機序4)〜7)4)〜7)
ダプトマイシンは菌の細胞膜と結合し、速やかに膜電位を脱分極させる。また、ダプトマイシンにより、DNA、RNA及び蛋白質の合成阻害が生じることが示されている。これら膜電位の消失、並びにDNA、RNA及び蛋白質の合成阻害により細菌が死滅する。
3.耐性機序
ダプトマイシンに対する耐性機序は明らかにされていない。耐性をもたらす伝達性因子は知られていない。他クラスの抗菌薬に対する特異的な耐性機序による交差耐性はみられていない。
臨床において、ダプトマイシンによる治療後に、ダプトマイシン感受性が低下した黄色ブドウ球菌及び腸球菌の出現が報告されている。
4.他の抗菌薬との相互作用8)、9)8)、9)
ダプトマイシンと他抗菌薬とのin vitro 相互作用試験では、殺菌曲線の検討において拮抗作用はみられていない。ダプトマイシンと、アミノグリコシド系薬剤、βラクタム系薬剤又はリファンピシンとの併用により、メチシリン耐性株を含む黄色ブドウ球菌及びバンコマイシン耐性株を含む腸球菌属に対しin vitro において、相乗作用が示されている。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
ダプトマイシン(Daptomycin)
2.略号
DAP
3.化学名
N -(Decanoyl)-L-tryptophyl-D-asparaginyl-L-aspartyl-L-threonylglycyl-L-ornithyl-L-aspartyl-D-alanyl-L-aspartylglycyl-D-seryl-(3R )-3-methyl-L-glutamyl-3-(2-aminobenzoyl)-L-alanine1.13→3.4-lactone
4.分子式
C72H101N17O2672H101N17O26
5.分子量
1620.67
6.性状
暗黄色〜淡褐色の澄明な液
7.構造式

承認条件

患者より検出されたMRSAのバンコマイシン及び本薬に対する感受性について調査を実施し、医療関係者に対して、必要な情報提供を継続すること。

包装

1バイアル 350mg:10バイアル

主要文献及び文献請求先

Buitrago al.:Pharmacotherapy., 29(3):347, 2009
Fowler al.:N Med., 355(7):653, 2006
Arbeit al.:Clin Dis., 38(12):1673, 2004
Silverman al.:Antimicrob Chemother., 47(8):2538, 2003
Canepari al.:Antimicrob Chemother., 34(6):1220, 1990
Laganas al.:Antimicrob Chemother., 47(8):2682, 2003
Hobbs al.:J Chemother., 62(5):1003, 2008
Snydman al.:J Chemother., 17(6):614, 2005
Rand al.:J Chemother., 53(3):530, 2004

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

問い合わせ先MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
医療関係者の方:フリーダイヤル0120-024-961

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
MSD株式会社
東京都千代田区九段北1-13-12

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6119402D1021 キュビシン静注用350mg ダプトマイシン 350mg1瓶 13530

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