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薬剤師ネクスト経営塾

ゼルボラフ錠240mg

作成又は改訂年月

** 2017年2月改訂 (第5版)
* 2015年10月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2011年8月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤 BRAF阻害剤

承認等

販売名

ゼルボラフ錠240mg

販売名コード

4291037F1022

承認・許可番号

承認番号
22600AMX01406
商標名
ZELBORAF

薬価基準収載年月

2015年2月

販売開始年月

2015年2月

貯法・使用期限等

貯 法
使用期限等室温保存、吸湿注意(PTP包装のまま保存すること)
使用期限
使用期限等包装に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

劇薬
処方箋医薬品注1)
説明事項注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分(1錠中)
組成ベムラフェニブ 240mg
添加物
組成ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クロスカルメロースナトリウム、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、酸化チタン、マクロゴール4000、タルク、三二酸化鉄

性状

色・剤形
性状帯赤白色〜だいだい白色のフィルムコーティング錠
識別コード
性状VEM
外形
性状
外形
性状
長径
性状約19.1mm
短径
性状約9.7mm
厚さ
性状約7.4mm
質量
性状870mg

一般的名称

ベムラフェニブ錠

警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果

十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、BRAF遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬を用いること。
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で適応患者の選択を行うこと。
本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法・用量

用法及び用量
用法及び用量通常、成人にはベムラフェニブとして1回960mgを1日2回経口投与する。

用法・用量に関連する使用上の注意

副作用が発現した場合には、以下「減量・休薬の規定」を参考にして減量・休薬すること。ただし、有棘細胞癌(皮膚の扁平上皮癌)又は新たな原発性悪性黒色腫が発現した場合には、外科的切除等の適切な処置を行った上で、減量・休薬することなく治療の継続を可能とする。
また、QT間隔延長が発現した場合には、以下「QT間隔延長に基づく減量・休薬の規定」を参考にして減量・休薬すること。
(1)減量・休薬の規定
NCI-CTCAE注2)注2)によるGrade判定:治療期間中の処置
(1)Grade 1又は忍容可能なGrade 2
減量・休薬不要
(2)忍容不能なGrade 2又はGrade 3
(1)初回発現
休薬
Grade 1以下又はベースラインまで軽快後、1回720mg(1日2回)で投与を再開注3)注3)
(2)2回目発現
休薬
Grade 1以下又はベースラインまで軽快後、1回480mg(1日2回)で投与を再開注4)注4)
(3)3回目発現
投与中止
(3)Grade 4
(1)初回発現
原則投与中止
治療継続が患者にとって望ましいと判断された場合には、休薬
Grade 1以下又はベースラインまで軽快後、1回480mg(1日2回)で投与を再開注4)注4)
(2)2回目発現
投与中止
注2)NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定
注3)休薬前に1回720mgに減量されていた場合には1回480mgとする。
注4)休薬前に1回480mgに減量されていた場合には本剤の投与を中止する。
(2)QT間隔延長に基づく減量・休薬の規定
QT間隔:治療期間中の処置
(1)QTc値が500msを超え、かつ、ベースライン値からの延長が60msを超える場合
投与中止
(2)QTc値が500msを超え、かつ、ベースライン値からの延長が60ms以下の場合
(1)初回発現
休薬
QTc値が500ms以下まで軽快後、1回720mg(1日2回)で投与を再開注3)注3)
(2)2回目発現
休薬
QTc値が500ms以下まで軽快後、1回480mg(1日2回)で投与を再開注4)注4)
(3)3回目発現
投与中止
食後に本剤を投与した場合、Cmaxmax及びAUCが増加するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けることが望ましい(【薬物動態】の項参照)。
他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
重度の肝機能障害のある患者[安全性は確立していない。]
QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者[QT間隔延長が起こるおそれがある。](「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)

重要な基本的注意

有棘細胞癌があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認すること。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること(「重大な副作用」の項参照)。
皮膚以外の部位に扁平上皮癌があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。
QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤の投与開始前には心電図検査及び電解質測定を行うこと。投与開始前にQTcのベースライン値が500msを超える場合又は補正できない電解質異常が認められる場合には投与を避けること。本剤投与期間中は定期的に心電図検査及び電解質測定を行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重大な副作用」の項参照)。
肝不全、肝機能障害、黄疸等の肝障害又はALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇等があらわれることがあるので、患者の状態に応じて定期的に肝機能検査を行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重大な副作用」の項参照)。
**急性腎障害があらわれることがあるので、投与開始前及び投与中に定期的に腎機能検査を行うこと(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重大な副作用」の項参照)。
光線過敏症があらわれることがあるので、外出時には帽子や衣類等による遮光や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けるよう患者を指導すること。
ブドウ膜炎等の重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。

相互作用

相互作用の概略
相互作用の概略*本剤はCYP3A4を誘導し、CYP1A2、CYP2C9及びP-糖蛋白(P-gp)を阻害することが示されている。(【薬物動態】の項参照)

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
CYP3A4の基質となる薬剤
 ミダゾラム、アトルバスタチン、シンバスタチン 等
臨床症状・措置方法
CYP3A4の基質となる薬剤と併用する場合、これらの薬剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
機序・危険因子
CYP3A4の基質となる薬剤との併用により、併用薬剤の代謝が誘導され血漿中濃度が低下する可能性がある。
薬剤名等
**,*CYP1A2の基質となる薬剤
 カフェイン、テオフィリン、チザニジン 等
臨床症状・措置方法
CYP1A2の基質となる薬剤と併用する場合、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
CYP1A2の基質となる薬剤との併用により、併用薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*CYP2C9の基質となる薬剤
 ワルファリン 等
臨床症状・措置方法
CYP2C9の基質となる薬剤と併用する場合、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
CYP2C9の基質となる薬剤との併用により、併用薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
*P-gpの基質となる薬剤
 ジゴキシン 等
臨床症状・措置方法
P-gpの基質となる薬剤と併用する場合、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
機序・危険因子
P-gpの基質となる薬剤と併用する場合、本剤のP-gp阻害作用により併用薬剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
薬剤名等
QT間隔延長を引き起こすことが知られている薬剤
 イミプラミン、ピモジド 等
臨床症状・措置方法
QT間隔延長作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
薬剤名等
抗不整脈薬
 キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、ソタロール 等
臨床症状・措置方法
QT間隔延長作用を増強する可能性がある。
機序・危険因子
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
薬剤名等
*放射線照射
臨床症状・措置方法
放射線照射の併用又は本剤投与前後の放射線照射により放射線皮膚障害、放射線性肺臓炎等の放射線照射リコール反応、放射線増感作用があらわれることがある。
機序・危険因子
放射線毒性を増強させる可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要
1.<国内臨床試験成績>
国内第I/II相臨床試験(JO28178試験)における安全性評価対象例11例において、11例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、関節痛10例(90.9%)、発疹(湿疹、丘疹等)10例(90.9%)、筋骨格痛7例(63.6%)、脱毛症7例(63.6%)、疲労6例(54.5%)等であった(承認時)。
2.<海外臨床試験成績>
海外第III相臨床試験(NO25026試験)における安全性評価対象例337例において、329例(97.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、発疹(湿疹、丘疹等)178例(52.8%)、関節痛162例(48.1%)、光線過敏症157例(46.6%)、脱毛症153例(45.4%)、疲労146例(43.3%)等であった(承認時)。
重大な副作用
1.有棘細胞癌注5)注5)
皮膚有棘細胞癌(18.7%)、ケラトアカントーマ(10.6%)、ボーエン病(0.6%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
2.悪性腫瘍(二次発癌)注5)注5)
扁平上皮癌(皮膚以外)(頻度不明注6)注6))、原発性悪性黒色腫(1.1%)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
3.アナフィラキシー(頻度不明注6)注6))、過敏症(0.9%)注5)注5)
アナフィラキシーを含む重篤な過敏症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.3%)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Necrolysis;TEN)(頻度不明注6)注6))、多形紅斑(0.3%)、紅皮症(剥脱性皮膚炎等)(0.9%)注5)注5)
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.薬剤性過敏症症候群(頻度不明注6)注6))注5)注5)
初期症状として発疹、発熱が認められ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤の投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
6.QT間隔延長(2.0%)注5)注5)
QT間隔延長があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.肝不全(頻度不明注6)注6))、肝機能障害(2.0%)、黄疸(頻度不明注6)注6))注5)注5)
肝不全、肝機能障害、黄疸等の肝障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
8.**急性腎障害(頻度不明注6)急性腎障害(頻度不明注6)
急性腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
注5)海外臨床試験(NO25026試験:2012年2月1日データカットオフ)及び国内臨床試験(JO28178試験)で認められた発現頻度を示した。
注6)上記試験以外で認められた事象については頻度不明とした。
その他の副作用
詳細
詳細次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
皮膚注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細発疹(湿疹、丘疹等)(54.0%)、光線過敏症(46.0%)、脱毛症(46.0%)、過角化(25.9%)、そう痒症(21.8%)、皮膚乾燥、紅斑、日光性角化症、脂漏性角化症、手足症候群、毛孔性角化症、皮膚病変、毛包炎
皮膚注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細ざ瘡様皮膚炎、皮膚剥脱、ざ瘡、メラノサイト性母斑、稗粒腫、皮膚嚢腫、全身性皮疹、結節性紅斑、掌蹠角皮症、色素沈着障害、皮膚炎、皮膚肥厚、毛質異常、蕁麻疹、日光皮膚炎、毛髪成長異常、アレルギー性皮膚炎、寝汗、多汗症、皮膚腫瘤、皮膚変色
皮膚注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細せつ、顔面腫脹、休止期脱毛、苔癬様角化症、熱傷、皮膚刺激、皮膚毒性、皮膚疼痛、脂肪織炎
注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細回転性めまい
注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細網膜静脈閉塞(頻度不明注6)
注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細ブドウ膜炎、眼充血、流涙増加、眼乾燥、結膜炎、羞明、眼刺激、霧視
注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細眼痛
筋・骨格注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細関節痛(49.4%)、筋骨格痛、四肢痛
筋・骨格注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細筋骨格硬直、関節炎、関節腫脹、背部痛、筋力低下、筋痙縮
筋・骨格注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細関節滲出液、頚部痛、変形性関節症、腱痛
血液・凝固注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細貧血、リンパ球減少、血小板減少、好中球減少
血液・凝固注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細好酸球増加症、白血球減少
呼吸器注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細呼吸困難、咽頭喉頭痛、上気道感染(鼻咽頭炎、副鼻腔炎、上気道感染等)
消化器注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細悪心(26.1%)、下痢(21.3%)、嘔吐、腹痛
消化器注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細口内炎、逆流性食道炎、口唇炎、便秘、口内乾燥、消化不良、腹部膨満
消化器注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細鼓腸、口唇腫脹、腹部不快感、嚥下障害、膵炎
肝臓注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細血中ビリルビン増加、Al-P上昇、ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇
肝臓注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細γ-GTP増加
心・血管系注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細ほてり
心・血管系注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細リンパ浮腫
心・血管系注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細血管炎、動悸
精神神経系注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細頭痛、味覚異常、末梢神経障害、顔面神経麻痺(頻度不明注6)
精神神経系注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細不眠症、浮動性めまい、知覚過敏、嗜眠
精神神経系注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細傾眠、振戦
生殖器注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細乳頭痛
代謝注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細食欲減退
代謝注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細低カリウム血症、脱水
代謝注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細高コレステロール血症
その他注5)注5)
頻度
5%以上又は頻度不明注6)
詳細
詳細疲労(43.7%)、皮膚乳頭腫(21.6%)、浮腫(全身性浮腫、末梢性浮腫)、発熱、体重減少
その他注5)注5)
頻度
1〜5%未満
詳細
詳細疼痛、乾燥症、棘細胞腫、悪寒、乳頭腫、アクロコルドン、インフルエンザ様疾患、カンジダ症、胸痛、全身健康状態低下、眼瞼乳頭腫、小結節
その他注5)注5)
頻度
1%未満
詳細
詳細ヘルペスウイルス感染、腫瘤、転倒、乳頭腫ウイルス感染、膿瘍

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠可能な婦人には、本剤投与中及び本剤投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[妊娠ラット及びウサギを用いた胚・胎児発生に関する試験において、胚・胎児への影響は認められていないが、最大投与量におけるAUCは臨床曝露量の約1.2倍(ラット)及び約0.5倍(ウサギ)であった。]
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトの乳汁中への移行は不明であり、授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

適用上の注意

1.薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

イヌ39週間毒性試験において、忍容性低下のため早期(投与10日目)に終了した900mg/kg/日の1例に限局的な骨髄壊死が報告されており、この時のAUCは臨床曝露量の約0.5倍であった。
海外市販後の自発報告において、RAS遺伝子変異を有する慢性骨髄単球性白血病の進行が報告されている1)1)。
*本剤とイピリムマブを併用投与した海外第I相臨床試験において、重度の肝機能障害が高頻度に発現し、忍容性が認められなかった2)2)。

薬物動態

1.血中濃度
(1)<日本人における成績>3)3)
悪性黒色腫患者9例を対象に本剤960mgを単回経口投与したときの血漿中ベムラフェニブ濃度の推移を以下の図に示した。
また、引き続き15日目まで1回960mgを1日2回反復経口投与した7例の血漿中ベムラフェニブ濃度推移図を示すと共に、薬物動態パラメータを単回投与時(1日目)の結果と併せて表に示した。
単回投与時(1日目)と反復投与時(15日目)のAUC、Cmaxmaxから算出した蓄積係数は、それぞれ20.5、16.5を示した。

1日目の血漿中ベムラフェニブ濃度推移(平均値±標準偏差)

15日目の血漿中ベムラフェニブ濃度推移(平均値±標準偏差)
(表1)
(2)<外国人における成績>4)4)
悪性黒色腫患者52例を対象に本剤240注7)注7)、480、720又は960mgを単回経口投与し、その後15日目まで、1日2回反復経口投与したところ、投与15日目までに多くの症例が定常状態に達していた。単回投与時、反復投与時ともに240mg注7)注7)から960mgの範囲で線形性が認められた。
注7)承認された用法・用量及び減量・休薬規定外である。
(3)*食事の影響5)5)
<外国人における成績>
悪性黒色腫患者16例を対象に本剤960mgを単回経口投与したとき、食後(高脂肪・高カロリー食)投与では絶食時投与と比較して、Cmaxmaxが2.5倍、AUCが4.6倍に増加し、Tmaxmaxの中央値は4時間から7.5時間に延長した。
2.分布
ベムラフェニブは、血漿中のアルブミン及びα11-酸性糖蛋白と結合し、蛋白結合率はいずれも99%以上であった6)6)。母集団薬物動態解析によると、悪性黒色腫患者のみかけの分布容積は、90.9L(個体間変動64.8%)であった7)7)。
3.代謝、排泄
<外国人における成績>

<外国人における成績>
悪性黒色腫患者7例を対象に本剤1回960mgを1日2回14日間連日反復投与し、15日目に1414C-ベムラフェニブ960mgを単回経口投与したところ、血漿中放射能の95%がベムラフェニブ、代謝物は5%未満であった。放射能の94%が糞中に排泄され、尿中に排泄されたのは1%未満であった8)8)。
ヒト肝ミクロソームでは、ベムラフェニブは主にCYP3A4で代謝された9)9)。
4.QT間隔に及ぼす影響10)10)
<外国人における成績>
悪性黒色腫患者128例を対象に心電図の中央判定を行った結果、QTcの補正はQTcPが適切であると判断された。 サイクル2及びそれ以降にスクリーニング時からのQTcの変化量は、12〜15msの延長がみられ、サイクル6 Day1で15.1ms(上側95%信頼区間:17.7ms)の延長がみられた(1サイクル:21日)。
5.肝機能障害7)7)
<外国人における成績>
悪性黒色腫患者458例を対象に母集団薬物動態解析を実施し、肝機能に関連するALT、Al-P、AST、総ビリルビン、肝転移の有無で共変量探索を実施した結果、これらの変数は共変量として組み込まれなかった。
6.腎機能障害7)7)
<外国人における成績>
悪性黒色腫患者458例を対象に母集団薬物動態解析を実施し、腎機能に関連するクレアチニンクリアランスで共変量探索を実施した結果、クレアチニンクリアランスは共変量として組み込まれなかった。
7.**,*薬物相互作用
<外国人における成績>
悪性黒色腫患者20例を対象に5種のCYP分子種(CYP1A2、CYP2D6、CYP3A4、CYP2C19、CYP2C9)の基質となるカクテル薬剤を用いて、本剤が各CYP分子種の基質となる薬剤の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す11)11)。
(表2)
悪性腫瘍患者16例を対象にCYP1A2の基質であるチザニジンを用いて、本剤がCYP1A2の基質となる薬剤の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す12)
(表3)
12)
(表3)
悪性腫瘍患者29例を対象にP-gpの基質であるジゴキシンを用いて、本剤がP-gpの基質となる薬剤の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す13)13)。
(表4)
In vitro試験において、本剤はP-gp及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質であること、並びにCYP2C8、P-gp、BCRP及び胆汁酸排泄ポンプ(BSEP)を阻害することが示されている14, 15)14, 15)。

薬物動態の表

 nAUC0-12(μg・h/mL)Cmax(μg/mL)t1/2(h)Tmax(h)
960mg/回
946.4
6.40
12.7
a)
3.88
960mg/回
7669
73.3
60.8
b)
2.12
平均値(CV%)
Tmaxmax:中央値(最小値−最大値)
a)n=6、b)n=4
基質薬薬物動態パラメータ併用、非併用時の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
カフェイン
AUC0-last2.56(2.24-2.93)
カフェイン
Cmax1.05(0.98-1.13)
デキストロメトルファン
AUC0-last1.47(1.21-1.78)
デキストロメトルファン
Cmax1.36(1.07-1.72)
ミダゾラム
AUC0-last0.61(0.50-0.74)
ミダゾラム
Cmax0.65(0.54-0.78)
オメプラゾール
AUC0-last1.13(0.92-1.37)
オメプラゾール
Cmax1.17(0.92-1.49)
S-ワルファリン
AUC0-last1.18(1.12-1.24)
S-ワルファリン
Cmax1.00(0.93-1.08)
(カフェインはn=19,他はn=20)
基質薬薬物動態パラメータ併用、非併用時の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
チザニジン
(CYP1A2)
AUC0-last4.22(3.37-5.28)
チザニジン
(CYP1A2)
Cmax2.15(1.71-2.71)
**(n=16)
基質薬薬物動態パラメータ併用、非併用時の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
ジゴキシンAUC0-last1.82(1.63-2.02)
ジゴキシンCmax1.47(1.30-1.65)
(n=26)

臨床成績

1.<日本人における成績>
(1)BRAF V600変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫患者を対象とした第I/II相臨床試験(JO28178試験)I/II相臨床試験(JO28178試験)16)16)
BRAF V600変異を有する注8)注8)根治切除不能な悪性黒色腫患者11例を対象とし、本剤1回960mgを1日2回空腹時(投与前2時間、投与後1時間絶食)に連日投与する第I/II相試験を実施した。有効性評価の対象となった8例における奏効率注9)注9)は75.0%(95%信頼区間:34.9-96.8)であった。
注8)コンパニオン診断薬として製造販売承認されているコバス V600変異検出キットを用いて検査された。
注9)RECIST(ver1.1)ガイドラインによる判定(CR+PR)
2.<外国人における成績>
(1)未治療のBRAF V600変異を有する根治切除不能なIII期/IV期の悪性黒色腫患者を対象とした第III相臨床試験(NO25026)III期/IV期の悪性黒色腫患者を対象とした第III相臨床試験(NO25026)17)17)
化学療法歴のないBRAF V600変異を有する注8)注8)根治切除不能なIII期/IV期の悪性黒色腫患者675例を対象とし、ダカルバジン1000mg/m22を3週毎に投与注10)注10)する群と本剤1回960mgを1日2回連日投与する群を比較した第III相非盲検ランダム化比較試験の成績(2010年12月30日データカットオフ)を以下に示す。
OS解析において、ダカルバジン投与群に対する本剤投与群のハザード比は0.37(95%信頼区間:0.26-0.55)であり、Kaplan-Meier法で推定した中央値は、ダカルバジン投与群7.75カ月(95%信頼区間:6.28-10.28)、本剤投与群9.23カ月(95%信頼区間:8.05-未到達)と、統計学的に有意なOSの延長が確認された(非層別Log-rank検定、p<0.0001)。
また、PFS解析において、ダカルバジン投与群に対する本剤投与群のハザード比は0.26(95%信頼区間:0.20-0.33)であり、Kaplan-Meier法で推定した中央値はダカルバジン投与群1.61カ月(95%信頼区間:1.58-1.74)、本剤投与群5.32カ月(95%信頼区間:4.86-6.57)と、統計学的に有意なPFSの延長が確認された(非層別Log-rank検定、p<0.0001)。
注10)承認された用法・用量外である。

全生存期間(OS)のKaplan-Meier曲線
(2010年12月30日 カットオフ)

無増悪生存期間(PFS)のKaplan-Meier曲線
(2010年12月30日 カットオフ)

薬効薬理

1.抗腫瘍効果18)18)
ベムラフェニブは、in vitroにおいて、BRAF V600E変異を有するヒト悪性黒色腫由来Colo829及びA375細胞株並びにBRAF V600D変異を有するヒト悪性黒色腫由来WM2664細胞株に対して増殖抑制作用を示した。また、BRAF V600E変異を有するヒト悪性黒色腫由来細胞株(LOX、Colo829及びA375)を皮下移植したヌードマウスにおいて、ベムラフェニブ投与による腫瘍増殖抑制作用が示された。
2.作用機序
ベムラフェニブは、BRAF V600変異(V600E、V600D、V600R、V600K、V600G、V600M)を含む活性化変異型のBRAFキナーゼ活性を阻害することにより19)19)、BRAF活性化によるMEK及びERKのリン酸化を阻害し、BRAF V600変異を有する腫瘍の増殖を抑制すると考えられる18)18)。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
ベムラフェニブ
(Vemurafenib)(JAN)
2.化学名
N-{3-[5-(4-Chlorophenyl)-1H-pyrrolo[2, 3-b]pyridin-3-carbonyl]-2, 4-difluorophenyl}propane-1-sulfonamide
3.構造式
4.分子式
C2323H1818ClF22N33O33S
5.分子量
489.92
6.性 状
白色の粉末又は塊のある粉末である。N, N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、アセトンに溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくく、水にはほとんど溶けない。
7.融 点
約271℃

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

*ゼルボラフ錠240mg:56錠(PTP8錠×7)

主要文献及び文献請求先

Callahan MK., al.:N Med, 367:2316, 2012
*Ribas A., al. : Med, : 1365, 2013
社内資料:薬物動態解析報告書(JO28178)
Grippo JF., al.:Cancer Pharmacol, 73(1):103, 2014
*社内資料:海外臨床薬理試験(NP25396)
社内資料:In vitro血漿中タンパク結合・血球移行試験
社内資料:母集団薬物動態解析報告書
*Goldinger SM., al. : Perspect, 3(2): e00113, 2015
社内資料:ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞を用いた代謝試験
社内資料:海外第II相臨床試験(NP22657)
社内資料:海外臨床薬物相互作用試験(NP22676)
**社内資料:海外臨床薬物相互作用試験(GO28396)
*社内資料:海外臨床薬物相互作用試験(GO28394)
社内資料:ヒト排出トランスポーターを介したin vitro輸送及び基質輸送阻害試験
社内資料:薬物代謝酵素誘導・阻害
社内資料:国内第I/II相臨床試験(JO28178)
Chapman PB., al.:N Med, 364:2507, 2011
Yang H., al.:Cancer Res, 70(13):5518, 2010
社内資料:変異BRAFキナーゼに対する阻害活性

文献請求先

問い合わせ先 **主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
Fax:0120-189705

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1
提携
Plexxikon

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
4291037F1022 ゼルボラフ錠240mg ベムラフェニブ 240mg1錠 4935.5

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