クリキシバンカプセル200mg
- 基本情報
- 添付文書の作成又は改訂年月
- 日本標準商品分類番号
- 薬効分類名
- 承認等
- 一般的名称
- 禁忌
- 効能又は効果の情報
- 使用上の注意
- 薬物動態
- 臨床成績
- 薬効薬理
- 有効成分に関する理化学的知見
- 包装
- 主要文献及び文献請求先
- 製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所
- 薬価
- 関連する添付ファイル一覧
- ** 2016年1月改訂 (第17版)
- * 2015年7月改訂
作成又は改訂年月
- 87625
日本標準商品分類番号
- 再審査結果公表年月(最新)
- 2009年6月
日本標準商品分類番号等
- HIVプロテアーゼ阻害剤
薬効分類名
- クリキシバンカプセル200mg
- 6250007M1035
- 承認番号
- 21800AMX10882000
- 商標名
- CRIXIVAN 200mg
- 2007年6月
- 1997年4月
- 貯法
使用期限等 気密容器、室温保存 (本剤は吸湿性があるため、専用の容器にて保存し、常時乾燥剤を入れておくこと。)- 使用期間
使用期限等 3年- 使用期限
使用期限等 外箱に表示- 劇薬
- 処方箋医薬品
説明事項 注意−医師等の処方箋により使用すること- 有効成分の名称
組成 インジナビル硫酸塩エタノール付加物- 含量:インジナビルとして
組成 200mg (インジナビル硫酸塩エタノール付加物として250mg)- 添加物
組成 ステアリン酸マグネシウム、無水乳糖
カプセル本体: ゼラチン- 剤形
性状 硬カプセル剤- 外観色調
性状 キャップ/ボディ: 白色/白色- 識別コード
性状 CRIXIVANTM 200mg- 外形
性状
1号カプセル
承認等
販売名
販売名コード
承認・許可番号
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
規制区分
組成
性状
一般的名称
インジナビル硫酸塩エタノール付加物カプセル- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- アミオダロン塩酸塩、トリアゾラム、ミダゾラム、アルプラゾラム、ピモジド、エルゴタミン酒石酸塩、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩及びエルゴメトリンマレイン酸塩を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- リファンピシンを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- *エレトリプタン臭化水素酸塩、アゼルニジピン、ブロナンセリン及びスボレキサントを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- **シルデナフィル(レバチオ)及びタダラフィル(アドシルカ)を投与中の患者
〔「相互作用」の項参照〕 - アタザナビルを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- バルデナフィルを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- *リバーロキサバンを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- *リオシグアトを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- *アスナプレビルを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
- *バニプレビルを投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
禁忌
(次の患者には投与しないこと)- 用法及び用量
用法及び用量 通常、成人にはインジナビルとして1回800mgを8時間ごと、1日3回空腹時 (食事の1時間以上前又は食後2時間以降) に経口投与する。投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。なお、患者の肝機能により減量を考慮する。 また、腎結石症の発現を防止する目的で、治療中は通常の生活で摂取する水分に加え、さらに24時間に少なくとも1.5リットルの水分を補給すること。 - 効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意 本剤は「 」の記載に従って服用すること。本剤の使用法を必要以上に変更、又は中止するとHIVの耐性化の促進や副作用が発現するおそれがある。〔「薬効薬理」の項参照〕用法及び用量 - 効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意
効能又は効果毎の用法及び用量に関連する使用上の注意 (カプセル剤を除く) と併用する場合には、2時間以上の間隔をあけて空腹時 (食事の1時間以上前又は食後2時間以降) に投与すること。〔「相互作用」の項参照〕ジダノシン
効能又は効果
用法及び用量
用法及び用量に関連する使用上の注意
- 慎重投与
慎重投与 肝硬変による肝機能不全患者〔代謝能の低下により、高い血中濃度が持続するおそれがある。軽症から中等症 (Child-Pugh診断) の肝機能不全患者には減量 (1回600mgを1日3回) を考慮すること。(「薬物動態」の項参照)〕- 慎重投与
慎重投与 腎機能異常のある患者〔使用経験が少なく、安全性が確立されていない。健康人で20%程度の尿中排泄が認められていることから、排泄能の低下により、高い血中濃度が持続するおそれがある。〕- 慎重投与
慎重投与 血友病患者及び著しい出血傾向を有する患者〔本剤投与により、関節内出血をはじめとする出血事象の増加が血友病患者で報告されている。〕- 本剤の投与によって腎結石症の徴候及び症状があらわれることがある。血尿 (顕微鏡的血尿を含む) あるいは側腹部痛が認められた場合には、一時的 (2〜3日) な休薬又は投薬の中止等の処置を考慮すること。休薬後は600mg1日3回に減量して投与を再開する。腎結石症の発現を抑えるため、本剤を投与したすべての患者に対して、十分な水分補給を指導すること。〔「用法及び用量」の項参照〕
- 本剤の使用に際しては、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
- 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
- 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明である。
- 本剤が性的接触又は血液汚染による他の人への感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていない。
- 高カロリー、高脂肪、高タンパク食摂取後に本剤を投与すると、吸収が約80%減少するので、空腹時 (食事の1時間以上前又は食後2時間以降) に水又は脱脂乳、ジュース、コーヒー、茶とともに投与すること。なお、軽食 (例えば、バターなしのトースト、ジュース、脱脂乳と砂糖入りコーヒー、又は脱脂乳と砂糖入りコーンフレークのような低脂肪食) を服用の前後に摂取してもよい。
- 腎結石症の発現を防止する目的で、治療中は通常の生活で摂取する水分に加え、さらに24時間に少なくとも1.5リットルの水分を補給すること。
- 本剤の抗ウイルス効果を最大にするために、医師への相談なしで、本剤の服用を変更したり、中止しないこと。
- 無症候性の高ビリルビン血症があらわれることがあるが、主として、間接型ビリルビンの上昇であり、AST(GOT)、ALT(GPT)、アルカリホスファターゼの上昇とほとんど無関係であり、本剤を減量することなく継続投与中に回復したとの報告がある。
- 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染 (マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの) 等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
- 抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積があらわれることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。〔「副作用」の項参照〕
相互作用の概略 本剤は肝代謝酵素チトクロームP450 (CYP3A4) の阻害作用を有する。また、本剤は、ヒト肝ミクロソームを用いた 試験で、CYP3A4が本剤の酸化的代謝において主要な役割を担う唯一のP450アイソザイムであることが示された。in vitro -
**アミオダロン塩酸塩(アンカロン)、トリアゾラム(ハルシオン等)、ミダゾラム(ドルミカム)、アルプラゾラム(コンスタン、ソラナックス等)、ピモジド(オーラップ)、エルゴタミン酒石酸塩(
クリアミン配合錠 )、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリン) - これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤な又は生命に危険を及ぼすような事象 (不整脈や持続的な鎮静等) が起こる可能性がある。
- CYP3A4に対する競合による。
- リファンピシン(アプテシン、リファジン、リマクタン等)
- 本剤の代謝が促進され、血漿中濃度が1/10以下に低下するとの報告がある。リファンピシンの投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔を置くことが望ましい。
- リファンピシンがCYP3A4を誘導することによる。
- *エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、アゼルニジピン(カルブロック)、ブロナンセリン(ロナセン)、スボレキサント(ベルソムラ)
- これらの薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇するおそれがある。
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤のクリアランスが減少する。
- *シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)
- 肺動脈性肺高血圧症に対しこれらの薬剤を反復投与で併用した場合、これらの薬剤の代謝が阻害され血漿中濃度が上昇するおそれがある。
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤のクリアランスが減少する。
- アタザナビル(レイアタッツ)
- 本剤とアタザナビルともに高ビリルビン血症が関連している。現在、この併用に関する試験は行われていないので、アタザナビルとの併用は推奨されない。
- バルデナフィル(レビトラ)
-
本剤800mg 1日3回反復投与時に、バルデナフィル10mgを空腹時単回投与した場合、バルデナフィルのAUC及びCmaxが単独投与時と比較して、それぞれ16倍及び7倍に増加し、t
1/2 1/2が2倍に延長したとの報告がある。 - 本剤のCYP3A4阻害によりバルデナフィルのクリアランスが減少する。
- *リバーロキサバン(イグザレルト)
- リバーロキサバンの代謝が阻害され、リバーロキサバンの血漿中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、リバーロキサバンのクリアランスが減少する。
- *リオシグアト(アデムパス)
- リオシグアトの血漿中濃度が上昇するおそれがある。
- 機序不明
- *アスナプレビル(スンベプラ)
- アスナプレビルの代謝が阻害され、アスナプレビルの血漿中濃度が上昇し、肝臓に関連した有害事象が増加し、また重症化するおそれがある。
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、アスナプレビルのクリアランスが減少する。
- *バニプレビル(バニヘップ)
- バニプレビルの代謝が阻害され、バニプレビルの血漿中濃度が上昇するおそれがある。バニプレビルを高用量で投与したとき、悪心、嘔吐、下痢の発現増加が報告されている。
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、バニプレビルのクリアランスが減少する。
- 薬剤名等
- ジダノシン (カプセル剤を除く)
- 臨床症状・措置方法
- 併用する場合には、2時間以上の間隔をあけて空腹時 (食事の1時間以上前又は食後2時間以降) に投与すること。
- 機序・危険因子
- ジダノシンは酸により速やかに分解されることから、pHを上げるために緩衝剤が処方されている。この緩衝剤により、本剤の吸収が抑制されるおそれがある。
- 薬剤名等
- イトラコナゾール、ミコナゾール、デラビルジン
- 臨床症状・措置方法
- 本剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。本剤とイトラコナゾール2剤併用の場合には、本剤の減量 (600mg、8時間ごと) を考慮すること。〔「薬物動態」の項参照〕
- 機序・危険因子
- CYP3A4に対する競合による。
- 薬剤名等
- リファブチン
- 臨床症状・措置方法
- 本剤の血漿中濃度が低下し、リファブチンの血漿中濃度が上昇するため、リファブチンの投与量の半減を考慮すること。インジナビル (800mg、8時間ごと) とリファブチン300mg 1日1回又は150mg 1日1回との併用投与について、異なる2つの臨床試験において評価した。これらの試験では、インジナビルのAUCの減少 (インジナビル800mg、8時間ごとの単剤投与に比べ、それぞれ34%及び33%) 及びリファブチンのAUCの増加 (リファブチン300mg、1日1回単剤投与に比べ、それぞれ173%及び55%) が認められた。
- 機序・危険因子
- リファブチンがCYP3A4を誘導する。
- 薬剤名等
- HIVプロテアーゼ阻害剤(サキナビル、リトナビル、ネルフィナビル)
- 臨床症状・措置方法
- 本剤若しくはこれらの薬剤の血漿中濃度が上昇する。本剤 (800mg1日2回) とリトナビルを併用した場合には、腎結石症のリスクが増加するおそれがあるので注意すること。適切に水分を補給すること。
- 機序・危険因子
- CYP3A4に対する競合による。
- 薬剤名等
- デキサメタゾン、フェノバルビタール、フェニトイン、カルバマゼピン、ネビラピン、エトラビリン
- 臨床症状・措置方法
- 本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。
- 機序・危険因子
- これらの薬剤がCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝が促進される可能性がある。
- 薬剤名等
- エファビレンツ
- 臨床症状・措置方法
- 本剤の血漿中濃度が低下するおそれがある。本剤 (800mg、8時間ごと) をエファビレンツ (200mg 1回/日) と併用した場合、酵素誘導の結果として、インジナビルのAUCとCmaxは、それぞれ約31%と16%減少した。
- 機序・危険因子
- エファビレンツがCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝が促進される可能性がある。
- 薬剤名等
- *シルデナフィル(バイアグラ)、タダラフィル(シアリス)
- 臨床症状・措置方法
- 勃起不全に対しこれらの薬剤を1日1回投与で併用した場合、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇するおそれがある。
- 機序・危険因子
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、これらの薬剤のクリアランスが減少する。
- 薬剤名等
- *タダラフィル(ザルティア)
- 臨床症状・措置方法
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害に対しタダラフィルを反復投与で併用した場合、タダラフィルの血漿中濃度が上昇するおそれがある。
- 機序・危険因子
- 本剤のCYP3A4阻害作用により、タダラフィルのクリアランスが減少する。
- 薬剤名等
- セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
- 臨床症状・措置方法
- 本剤の血漿中濃度が低下し、抗ウイルス作用の欠如及び本剤又は他のHIVプロテアーゼ阻害剤の耐性化がおこるおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
- 機序・危険因子
- セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素(CYP3A4)が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。
- 薬剤名等
- カルシウム拮抗剤(フェロジピン、ジルチアゼム、ベラパミル)、トラゾドン塩酸塩、ジヒドロエルゴトキシンメシル酸塩
- 臨床症状・措置方法
- これらの薬剤の血漿中濃度が上昇し、治療効果及び副作用を増加又は延長させるおそれがある。
- 機序・危険因子
- 本剤のCYP3A4阻害により、これらの薬剤の代謝が抑制される。
- 薬剤名等
- シンバスタチン、アトルバスタチン
- 臨床症状・措置方法
- これらの薬剤の血漿中濃度が上昇し、横紋筋融解症を含むミオパシーが発現する危険性が増加するおそれがある。
- 機序・危険因子
- 本剤のCYP3A4阻害により、これらの薬剤の代謝が抑制される。
- 薬剤名等
- ロスバスタチン
- 臨床症状・措置方法
- これらの薬剤の血漿中濃度が上昇し、横紋筋融解症を含むミオパシーが発現する危険性が増加するおそれがある。
- 機序・危険因子
- 機序不明
- 薬剤名等
-
**
クエチアピンフマル酸塩 - 臨床症状・措置方法
クエチアピンの作用を増強するおそれがあるので、個々の患者の症状及び忍容性に注意し、慎重に投与すること。 - 機序・危険因子
本剤のCYP3A4阻害作用により、クエチアピンの代謝が抑制され、クエチアピンの血漿中濃度が上昇する可能性がある。 - 副作用の概要
副作用の概要 総症例1,074症例中663例 (61.73%)、1,867件に副作用が認められた。主なものは、高ビリルビン血症179例 (16.67%)、腎結石症177例 (16.48%)、嘔気166例 (15.46%)、高脂血症110例 (10.24%)、血尿110例 (10.24%)、嘔吐54例 (5.03%) であった。〔再審査終了時〕- 1.腎結石症(16.48%)
- 本剤の投与(単独及び併用)によって、血尿(顕微鏡的血尿を含む)あるいは側腹部痛を含む腎結石症があらわれることがある。一般的に腎結石症は水分の補給及び一時的(2〜3日)な休薬で回復する。〔「重要な基本的注意」の項参照〕
- 2.出血傾向(4.10%)
- 本剤の投与により、関節内出血をはじめとする出血事象の増加が血友病患者で報告されているので、このような症状があらわれた場合には原疾患を考慮して、血液凝固因子の投与などの適切な処置を行うこと。
- 3.肝炎(0.19%)、肝不全(頻度不明)
- 重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 4.貧血(3.54%)、溶血性貧血(0.09%)
- 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 5.腎不全(0.47%)、水腎症(0.28%)、間質性腎炎(0.19%)、腎盂腎炎(0.28%)
- 6.*アナフィラキシー(頻度不明)
- 7.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 8.血糖値の上昇(0.74%)、糖尿病(1.02%)
- 定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 9.膵炎(0.19%)
- 定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
- 10.狭心症、心筋梗塞等の冠動脈疾患(頻度不明)
- 11.乳酸アシドーシス(0.19%)
- 12.白血球減少(1.21%)
- 13.脳梗塞、一過性脳虚血発作(いずれも頻度不明)
- 脳梗塞や一過性脳虚血発作等の虚血性脳血管障害があらわれることがある。
- 上記のような症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 発熱、倦怠感 全身症状- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 無力症/疲労感 消化器- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 嘔気# 、嘔吐# 、消化不良 消化器- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 下痢、腹痛、食欲不振、口渇 消化器- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 胃酸逆流、鼓腸放屁、便秘、口内及び口周囲の感覚異常、口内炎 肝臓- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 高ビリルビン血症# 肝臓- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 黄疸、AST (GOT) 上昇、LDH上昇、ALT (GPT) 上昇 肝臓- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 Al-P上昇 代謝・栄養- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 高脂血症# 、脱水 代謝・栄養- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 体脂肪の再分布/蓄積 (胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部の脂肪減少、野牛肩)、高尿酸血症 代謝・栄養- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 血清アミラーゼ上昇 腎臓- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 血尿# 、腎機能障害 (BUN上昇、血清クレアチニン上昇等)# 腎臓- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 尿中タンパク上昇、尿中白血球増加、尿沈渣上皮細胞増加 腎臓- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 結晶尿 血液- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 平均赤血球容積上昇、好中球減少、リンパ節症、血小板減少 精神神経系- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 頭痛、味覚倒錯 精神神経系- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 めまい、不眠、末梢神経障害 (四肢の疼痛・しびれ等)、感覚異常 *筋・骨格系- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 関節周囲炎 筋・骨格系- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 背部痛 筋・骨格系- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 筋肉痛 皮膚- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 紅斑 皮膚- 頻度
- 1%以上5%未満
- 詳細
詳細 皮疹、乾燥肌 皮膚- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 色素沈着異常、脱毛、脂漏、蕁麻疹、帯状ヘルペス、皮膚炎、爪障害、 痒症そう その他- 頻度
- 5%以上
# - 詳細
詳細 血管炎 その他- 頻度
- 1%未満
- 詳細
詳細 視力異常、体重減少- 上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 高齢者への投与
高齢者への投与 高齢者における安全性及び有効性は確立していない。一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。- 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与 本剤を妊娠期間中に用いる場合には、治療上の有用性が胎児への危険性を上回ると判断される場合に限定すること。〔妊婦への投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験においてウサギ、イヌでは認められていないが、ラットにおいて胎児の過剰肋骨の発現頻度が対照群よりも増加したとの報告がある。〕- 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与 本剤投与中は授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。〕- 小児等への投与
小児等への投与 小児等における安全性及び有効性は確立されていない。- 過量投与
過量投与 過量投与により消化器系 (嘔気、嘔吐、下痢)、腎臓系 (腎結石症、側腹部痛、血尿) の症状が報告されている。本剤が腹膜又は血液透析によって除去可能か否かは不明である。- 適用上の注意
適用上の注意 本剤は吸湿性があるため、専用の容器にて保存し、常時乾燥剤を入れておくこと。なお、本剤に添付の容器 (蓋に乾燥剤入り) は、必要に応じて小分けの際に使用すること。添付容器以外でも、本剤の保存に適した容器であれば小分けに使用して差し支えない。また、添付容器は本剤の小分け以外の用途に用いないこと。- 適用上の注意
適用上の注意 本剤に添付の患者向け説明書は、必要に応じて使用すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)重要な基本的注意
相互作用
相互作用の概略
併用禁忌
併用禁忌
(併用しないこと)併用注意
(併用に注意すること)副作用
副作用等発現状況の概要
重大な副作用
その他の副作用
全身症状高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
過量投与
適用上の注意
併用禁忌
併用禁忌
(併用しないこと)その他の副作用
全身症状高齢者への投与
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
小児等への投与
過量投与
適用上の注意
- 1.〈日本人における成績〉
1) 1) - (1)血中濃度
- 健康成人男子に本剤の400〜1,000mgを空腹時に単回投与した場合、本剤の血中濃度は、投与約0.8〜1.3時間後にピークに達し、半減期は約1.5時間であった (各n=6)。また、800mg単回投与において、AUC (血中濃度曲線下面積) は30,489±8,320nmol/L・hr、Cmax (最高血中濃度) は11,986±1,870nmol/L、投与後8時間の血中濃度は184±73nmol/Lであった (n=6)。一方、食事摂取後の800mg単回投与では、空腹時と比べCmax及びAUCがそれぞれ43%及び24%減少した (n=6)。
- (2)排泄
- 健康成人男子に本剤の600〜1,000mgを空腹時に単回投与した場合、投与後24時間までの平均尿中回収率は21〜23%であった (各n=6)。
- 2.〈外国人における成績 (参考)〉
- (1)血中濃度
- 本剤は、空腹時に速やかに吸収され、最高血中濃度への到達時間は投与0.8±0.3時間後であった (n=11)。健康者及びHIV-1感染症患者の両方に対して、200〜1,000mgの用量範囲で投与したとき、用量比よりやや大きな血中薬物濃度の上昇が認められた。HIV-1感染症患者へ800mg、8時間ごとの用法・用量で15日間投与した場合の15日目において、AUCは27,813nmol/L・hr (n=16)、Cmaxは11,144nmol/L (n=16)、投与後8時間のトラフ血中濃度は211nmol/L (n=16) であった。
経口吸収に及ぼす食事の影響: 高カロリー、高脂肪、高タンパク食後に本剤を投与すると、空腹時投与と比較してAUCが約80%、Cmaxが約85%低下 (n=10) することが認められている。軽食 (例えば、バターなしのトースト、ジュース、脱脂乳と砂糖入りコーヒー、又は脱脂乳と砂糖入りコーンフレーク) 後に投与した場合、AUC及びCmaxの低下は2〜8%であった。軽食時投与の6及び8時間後の血中濃度は、空腹時投与の場合と類似した値が得られた。 - (2)肝硬変が原因の肝機能不全患者
- 軽度〜中等度の肝機能不全、及び肝硬変の臨床的所見を有する患者では、インジナビルの代謝が低下することが証明されており、400mg単回投与後では平均AUCが約60%高くなった。平均消失半減期も約2.8時間に延長された。重篤な肝機能不全患者を対象とした試験は実施されていない。
- (2)分布
- 本剤は81〜16,300nmol/Lの濃度範囲において、ヒト血漿蛋白と約60%が結合する。
- (3)代謝
2) 2) - 健康人に対して、
14 14C標識インジナビル400mgを経口投与した結果、総放射活性の83±1% (n=4) が糞便中に、19±3% (n=6) が尿中に回収された。本剤の未変化体に由来する糞便中及び尿中放射活性は、それぞれ19.1%及び9.4%であった。7種類の代謝物が同定され、ひとつはグルクロン酸抱合体、他の6種は酸化的代謝物である。in vitro 試験において、チトクロームP450 (CYP3A4) が本剤の酸化的代謝に関与する主要な酵素であることが示された。更に、本剤の投与を受けたヒト血漿及び尿検体を用いた試験により、本剤の代謝物には、プロテアーゼ阻害活性がほとんどみられないことが示された。 - (4)排泄
- 健康人及びHIV-1感染症患者に対して、200〜1,000mgの用量範囲で投与したところ、本剤未変化体の尿中排泄率は20%未満であった。700mg及び1,000mg単回投与後の未変化体の平均尿中排泄量は、それぞれ10.4±4.9% (n=10) 及び12.0±4.9% (n=10) であった。本剤は速やかに排泄され、その半減期は1.8±0.4時間 (n=10) であった。800mg、8時間ごとの反復投与による薬剤の著しい蓄積はみられなかった。
- (5)他剤との併用
† † - (1)リファブチン
- インジナビル (800mg、8時間ごと) とリファブチン300mg 1日1回又は150mg 1日1回との併用投与について、異なる2つの臨床試験において評価した。これらの試験では、インジナビルのAUCの減少 (インジナビル800mg、8時間ごとの単剤投与に比べ、それぞれ34%及び33%) 及びリファブチンのAUCの増加 (リファブチン300mg 1日1回単剤投与に比べ、それぞれ173%及び55%) が認められた。
- (2)ケトコナゾール
- 単回投与試験において、ケトコナゾール400mgとインジナビル400mgを併用投与した結果、インジナビル400mg単独投与に比べ、インジナビルのAUCが68%±48%増加した。多回投与試験において、ケトコナゾール400mg 1日1回とインジナビル600mg、8時間ごとの併用投与は、インジナビル800mg、8時間ごとの単独投与時と同等のインジナビルのAUCを示した。
- (3)イトラコナゾール
- イトラコナゾールカプセル200mg 1日2回とインジナビル600mg、8時間ごとを絶食状態で併用投与した結果、インジナビル800mg、8時間ごとの単独投与を1週間行った場合と同等のインジナビルのAUCを示した。
- (4)エファビレンツ
- インジナビル (800mg、8時間ごと) をエファビレンツ (200mg、1日1回) と併用した場合、酵素誘導の結果として、インジナビルのAUCとCmaxは、それぞれ約31%と16%減少した。
- (5)†いずれの薬剤も経口投与による結果である。
- (6)(注) 本剤の承認された用量は1回800mg、8時間ごとである。
薬物動態
- 1.〈国内臨床試験成績〉
- 国内において第II/III相臨床試験及び拡大臨床試験を実施した。
- (1)第II/III相臨床試験
- HIV-1感染患者41例を対象に、本剤 (1回800mg、8時間ごと) 単独投与、若しくはHIV逆転写酵素阻害剤 (AZT: ジドブジン、ddI: ジダノシン、ddC: ザルシタビン) のうち1剤若しくは2剤との併用投与による、多施設臨床試験を実施した。
治療開始24週における解析データでは、血清HIV-RNA量が、検出限界 (100copies/mL) 未満に減少した患者の割合は、40.0%であった。CD4陽性細胞数の投与前値からの変動の平均値は、46.1cells/mm3 3の上昇であった。安全性調査では、41例中11例 (26.8%) が腎結石症の徴候を示し、そのため3例が投与を中止した。また、血友病患者の5例 (12.2%) で出血がみられた。高ビリルビン血症は12例 (29.3%) でみられたが、治療を継続した。 - (2)拡大臨床試験
- HIV-1感染患者を対象に、本剤 (1回800mg、8時間ごと) 単独投与、若しくはHIV逆転写酵素阻害剤 (AZT、ddI、ddC、3TC: ラミブジン) のうち1剤若しくは2剤との併用投与による拡大臨床試験を実施した。
安全性調査で、195例中45例 (23.1%) が腎結石症の徴候を示し、そのため9例が投与を中止した。また、血友病患者の12例 (6.2%) で出血がみられ、2例が投与を中止した。高ビリルビン血症は45例でみられた。 - 2.〈海外臨床試験成績 (参考)〉
- (1)試験ACTG320
3) 3) - CD4陽性細胞数が200cells/mm
3 3以下のHIV-1感染患者1,156例 (平均年齢39歳) を対象に、病態進行又は死亡に対する有効性を評価するため、多施設二重盲検比較試験を実施した。
本剤 (1回800mg、8時間ごと)+AZT (1回200mg、8時間ごと)〔又はd4T: スタブジン (1回40mg、12時間ごと)〕+3TC (1回150mg、12時間ごと) の3剤併用投与群、AZT (又はd4T)+3TCの二つの併用投与群に無作為に割り付けた。
治療開始後中央値で38週間、最長で52週間の時点での解析では病態の進行又は死亡に至った患者は、本剤+AZT (又はd4T)+3TCの3剤併用投与群で577例中33例 (6%)、AZT (又はd4T)+3TCの併用投与群で579例中63例 (11%) であった。
本剤+AZT (又はd4T)+3TCの3剤併用投与群では、AZT (又はd4T)+3TC併用投与群に比し病態の進行又は死亡へのリスクが約50%低下した (p=0.001)。
血漿中HIV-RNA量の減少及びCD4陽性細胞数の上昇に及ぼす効果はともに、本剤+AZT (又はd4T)+3TCの3剤併用投与群はAZT (又はd4T)+3TC併用投与群を上回る成績であった。 - (2)試験028
- 抗レトロウイルス薬治療歴のないHIV-1感染患者996例 (中央値33歳) を対象に、本剤 (1回800mg、8時間ごと)+AZT (1回200mg、8時間ごと) 投与群、AZT (1回200mg、8時間ごと) 単独投与群、又は本剤 (1回800mg、8時間ごと) 単独投与群に無作為に割り付けた、多施設二重盲検比較試験が行われた。治療期間が中央値で56週間 (最長97週間) の時点での成績では、病態の悪化又は死亡に至った患者数は本剤+AZT投与群、AZT単独投与群、又は本剤単独投与群で、それぞれ20例 (6%)、61例 (18%)、26例 (8%) であった。死亡に至った患者数はそれぞれ8例 (2.4%)、11例 (3.3%)、5例 (1.5%) であった。
AZT単独投与群に比して、本剤+AZT投与群及び本剤単独投与群における病態の悪化又は死亡への進行のリスクはそれぞれ70%、61%低下した (p<0.0001)。また本剤単独投与群と本剤+AZT併用投与群の2群間に有意差は認められなかった。
血清HIV-RNA量の減少及びCD4陽性細胞数の上昇に及ぼす効果は本剤+AZT投与群、本剤単独投与群、AZT単独投与群の順に高い成績であった。 - (3)試験035
4)、5) 4)、5) - AZT治療歴のあるHIV-1感染患者97例 (平均年齢40歳、AZT治療期間の中央値29.7ヵ月) を対象とし、本剤 (1回800mg、8時間ごと)+AZT (1回200mg、8時間ごと)+3TC (1回150mg、1日2回) 投与群、AZT (1回200mg、8時間ごと)+3TC (1回150mg、1日2回) 投与群、又は本剤 (1回800mg、8時間ごと) 単独投与群に無作為に割り付けた、多施設二重盲検比較試験を実施した。
治療開始前から24週間後の血清中HIV-RNA量の減少に及ぼす効果を中央値で比較すると本剤+AZT+3TC3剤併用投与群が、他の2群より高い成績であった。検出限界 (500copies/mL) 未満に減少した患者の割合は本剤+AZT+3TC3剤併用投与群で90% (28例/31例)、AZT+3TC投与群で0% (0例/30例)、本剤単独投与群で43% (12例/28例) であった。100週間後では78% (25例/32例) の患者が検出限界未満を維持している。またCD4陽性細胞数の上昇は本剤+AZT+3TC3剤併用投与群が、他の2群より高い成績であった。 - (4)試験068
- HIV感染小児患者25例 (4〜15歳) を対象に、本剤 (500mg/m
2 2、8時間ごと) とd4T、3TCとの併用投与による多施設オープン試験を実施した。
治療開始24週では、血漿中HIV-RNA量が400copies/mL未満の患者の割合は60%、血漿中HIV-RNA量が50copies/mL未満の患者の割合は46%であった。CD4陽性細胞数の投与前値からの変動の平均値は242cells/mm3 3の上昇であり、CD4陽性細胞数の平均増加率は4.2%であった。また、120週では血漿中HIV-RNA量が400copies/mL未満の患者の割合は62%、血漿中HIV-RNA量が50copies/mL未満の患者の割合は49%であった。CD4陽性細胞数の投与前値からの変動の平均値は358cells/mm3 3の上昇であり、CD4陽性細胞数の平均増加率は6.0%であった。 - (5)試験ACTG395
- HIV感染小児患者16例 (5〜13歳) を対象に、本剤 (500mg/m
2 2、8時間ごと) とd4T、3TCとの併用投与による多施設オープン試験を実施した。
治療開始24週では、血漿中HIV-RNA量が400copies/mL未満の患者の割合は60%、血漿中HIV-RNA量が50copies/mL未満の患者の割合は53%であった。CD4陽性細胞数の投与前値からの変動の平均値は0.5cells/mm3 3の減少であり、CD4陽性細胞数の平均増加率は3.2%であった。また、96週では血漿中HIV-RNA量が400copies/mL未満の患者の割合は39%、血漿中HIV-RNA量が50copies/mL未満の患者の割合は27%であった。CD4陽性細胞数の投与前値からの変動の平均値は17cells/mm3 3の上昇であり、CD4陽性細胞数の平均増加率は1.1%であった。
臨床成績
- 1.作用機序
6) 6) - 本剤は、HIV-1及びHIV-2由来のプロテアーゼの活性を選択的に阻害する。本剤は、ヒト由来のアスパラギン酸プロテアーゼ (レニン、カテプシンD等) やヒトエラスターゼ、ヒト第Xa因子などのプロテアーゼ活性は阻害しない。本剤は、プロテアーゼ活性中心において、HIV前駆体ポリ蛋白質と競合しプロテアーゼ活性を阻害する。その結果、ウイルス粒子の成熟過程において、HIV前駆体ポリ蛋白質の切断が妨げられ、感染性を持つHIVの産生を抑制する。
- 2.抗ウイルス作用 (
in vitro )in vitro )7) 7) - HIV-1 (LAI、MN、RF) 株とヒトTリンパ球細胞 (MT-4) による感染系において、本剤は50〜100nmol/Lの濃度で、ウイルス増殖を95%阻害 (無処理ウイルス感染の対照と比較) した。マクロファージ指向性ウイルス株 (SF162) を用いた初代培養ヒト単球/マクロファージにおいても、同様の本剤によるHIV-1感染の阻害が認められた。更に、ジドブジンあるいは非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対する耐性HIVを含むHIV-1初代臨床分離株を感染させたマイトジェン活性化ヒト末梢血単核細胞の系において、本剤は25〜100nmol/Lの濃度でウイルス増殖を95%阻害した。
また、ヒトTリンパ球とHIV-1 (LAI) 株の感染系において、本剤は逆転写酵素阻害剤 (ジドブジン、ジダノシン等) との併用により、相乗的なHIV増殖抑制作用を示した。 - 3.薬剤耐性
8) 8) - 本剤が投与された患者において、本剤に対する感受性が低下したHIVが単離された。本剤に対する耐性HIVの発現は、HIVプロテアーゼのアミノ酸置換に基づくことが確認されている。耐性化に関与するアミノ酸置換の部位は、11ヵ所で認められており、これらのアミノ酸置換の数や組み合わせと耐性の発現、強度との間には相関性が認められている。また、通常用量 (2,400mg/日) 未満での低用量の投与では薬剤耐性が発現しやすい。
- 4.交差耐性
9)、10) 9)、10) - 本剤とHIV逆転写酵素阻害剤との間には、交差耐性は認められていない。一方、本剤と他のHIVプロテアーゼ阻害剤との間には、おおむね交差耐性が認められている。特にリトナビルとの間には強い交差耐性が認められている。
薬効薬理
- 1.一般名
- インジナビル硫酸塩エタノール付加物 (Indinavir ethanolate)
(INN: indinavir) - 2.化学名
- (+)-(α
R , γS , 2S )- α-Benzyl-2-(tert -butylcalbamoyl)-γ-hydroxy-N -〔(1S , 2R )- 2-hydroxyindan-1-yl〕-4-(3-pyridylmethyl) piperazine-1-valeramide monoethanolate - 3.分子式
- C
36 36H47 47N5 5O4 4・H2 2SO4 4・C2 2H6 6O - 4.分子量
- 757.95
- 5.融点
- 約152℃ (分解)
- 6.性状
- 白色の粉末で、水に極めて溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
- 7.構造式
有効成分に関する理化学的知見
- 1カプセル200mg:1瓶360カプセル
(小分け調剤用容器4本及び患者向け説明書を添付)
包装
- 矢島忠孝 他: 臨床医薬, (4): 875, 1997
- Chiba, M. al. : Metab. Disposition, (3): 307, 1996
- Hammer, S. M. al. : N. Engl. J. Med., (11): 725, 1997
- Gulick, R. M. al. : N. Engl. J. Med., (11): 734, 1997
- Gulick, R. M. al. : J. Am. Med. Assoc. (1): 35, 1998
- West, M. L. al. : TiPS, 16: 67, 1995
- Vacca, J. P. al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 91: 4096, 1994
- Condra, J. H. al. : Nature, (6): 569, 1995
- Gulnik, S. V. al. : Biochemistry, 34: 9282, 1995
- Rose, R. E. al. : Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 1648, 1996
問い合わせ先 MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター- 東京都千代田区九段北1-13-12
- 医療関係者の方:フリーダイヤル0120-024-961
主要文献及び文献請求先
文献請求先
- 製造販売元
- MSD株式会社
- 東京都千代田区九段北1-13-12
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
薬価
販売名コード | 品名 | 成分名 | 規格 | 薬価 |
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6250007M1035 | クリキシバンカプセル200mg | インジナビル硫酸塩エタノール付加物 | 200mg1カプセル | 103.3 |