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薬剤師ネクスト経営塾

シプロキサン錠100mg

作成又は改訂年月

** 2016年7月改訂 (第22版)
* 2014年10月改訂

日本標準商品分類番号

876241

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
100mg 1996年3月
再評価結果公表年月(最新)
100mg 2004年9月
効能又は効果追加承認年月(最新)
100mg 2006年2月

薬効分類名

広範囲経口抗菌剤

承認等

販売名

シプロキサン錠100mg

販売名コード

6241008F1023

承認・許可番号

承認番号
16300AMY00066
商標名
Ciproxan 100

薬価基準収載年月

1988年5月

販売開始年月

1988年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温,遮光した気密容器に保存
使用期限
外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意―医師等の処方箋により使用すること

組成

**成分・含量
1錠中,シプロフロキサシン100mg(日局シプロフロキサシン塩酸塩水和物として116.4mg)含有
添加物
結晶セルロース,トウモロコシデンプン,クロスポビドン,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マクロゴール4000,酸化チタン

性状

色・剤形
白色〜淡黄色のフィルムコーティング錠
外形(識別コード)

直径(mm)
8
厚さ(mm)
3.1
重さ(mg)
153

販売名

シプロキサン錠200mg

販売名コード

6241008F2020

承認・許可番号

承認番号
16300AMY00067
商標名
Ciproxan 200

薬価基準収載年月

1988年5月

販売開始年月

1988年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温,遮光した気密容器に保存
使用期限
外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)
注)注意―医師等の処方箋により使用すること

組成

**成分・含量
1錠中,シプロフロキサシン200mg(日局シプロフロキサシン塩酸塩水和物として232.8mg)含有
添加物
結晶セルロース,トウモロコシデンプン,クロスポビドン,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マクロゴール4000,酸化チタン

性状

色・剤形
白色〜淡黄色のフィルムコーティング錠
外形(識別コード)

直径(mm)
10
厚さ(mm)
4.0
重さ(mg)
305

一般的名称

シプロフロキサシン塩酸塩錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
*ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
チザニジン塩酸塩を投与中の患者[「相互作用」の項参照]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
小児等[「小児等への投与」の項参照]
ただし,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては,炭疽に限り,治療上の有益性を考慮して投与すること.

効能又は効果

用法及び用量

シプロフロキサシンとして,通常成人1回100〜200mgを1日2〜3回経口投与する.
なお,感染症の種類及び症状に応じ適宜増減する.
炭疽に対しては,シプロフロキサシンとして,成人1回400mgを1日2回経口投与する.

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること.
小児の炭疽に対しては,米国疾病管理センター(CDC)が,シプロフロキサシンとして,1回15mg/kg体重(ただし,成人用量を超えないこと)を1日2回経口投与することを推奨している.
炭疽の発症及び進展抑制には,米国疾病管理センター(CDC)が,60日間の投与を推奨している.

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するので,投与量を減量するか,あるいは投与間隔をあけて使用すること.(「薬物動態」の項参照)]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある.]
重症筋無力症患者[症状を悪化させることがある.]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
QT延長を起こすおそれのある患者[QT延長を起こすことがある.(「重大な副作用」の項参照)]

相互作用

相互作用の概略
本剤はチトクロームP450 1A2(CYP1A2)を阻害するので,本酵素で代謝される薬剤の代謝を阻害し,血中濃度を上昇させるおそれがある.

併用禁忌

併用禁忌
(併用しないこと)
*ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)
カピステン等
痙攣を起こすことがあるので,併用しないこと.
併用により,ニューキノロン系抗菌剤のGABAAA受容体への阻害作用が増強され,痙攣が誘発されると考えられている.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者,腎障害のある患者では特に注意すること.
チザニジン塩酸塩
テルネリン等
チザニジンのCmaxが7倍,AUCが10倍それぞれ上昇し,血圧低下,傾眠,めまい等があらわれたとの報告がある.チザニジンの作用を増強させるおそれがあるので,併用しないこと.
チザニジンの肝での代謝を阻害し,チザニジンの血中濃度を上昇させると考えられている.

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
テオフィリン
アミノフィリン水和物
臨床症状・措置方法
テオフィリンのCmaxが17%,AUCが22%それぞれ上昇したとの報告がある1)1).テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので,併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと.
機序・危険因子
テオフィリンの肝での代謝を抑制し,クリアランスを減少させるためと考えられている.
肝障害のある患者,高齢者では特に注意すること.
薬剤名等
カフェイン
臨床症状・措置方法
カフェインの血中濃度が上昇することがある.
機序・危険因子
カフェインの肝での代謝を抑制し,クリアランスを減少させるためと考えられている.
薬剤名等
フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
ジクロフェナク,アンフェナク等
*プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし,皮膚外用剤以外のケトプロフェンとは併用禁忌)
ロキソプロフェン,プラノプロフェン,ザルトプロフェン等
臨床症状・措置方法
痙攣を起こすおそれがある.症状が認められた場合,両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
機序・危険因子
併用により,ニューキノロン系抗菌剤のGABAAA受容体への阻害作用が増強され,痙攣が誘発されると考えられている.
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者,腎障害のある患者では特に注意すること.
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
相互に副作用(腎障害等)が増強されるおそれがあるので,頻回に腎機能検査(クレアチニン,BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,相互に肝での代謝を抑制し,一方又は両方の血中濃度が上昇するためと考えられている.
肝障害のある患者,高齢者では特に注意すること.
薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
ワルファリンの作用を増強し,出血,プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある.本剤を併用する場合は,プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど,観察を十分に行うこと.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,ワルファリンの肝での代謝を抑制し,クリアランスを減少させるためと考えられている.
薬剤名等
スルホニル尿素系血糖降下剤
グリメピリド,グリベンクラミド等
臨床症状・措置方法
スルホニル尿素系血糖降下剤の作用を増強し,低血糖があらわれることがある.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,グリベンクラミドの肝での代謝を阻害するとの報告2)2)がある.また,膵臓のβ細胞を用いたin vitro試験において,本剤がインスリン分泌作用を促進するとの報告がある.
薬剤名等
ロピニロール塩酸塩
臨床症状・措置方法
ロピニロールのCmaxが60%,AUCが84%それぞれ上昇したとの報告がある.ロピニロールの投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には,必要に応じてロピニロールの用量を調節すること.
機序・危険因子
併用により,ロピニロールの肝での代謝が阻害されるためと考えられている.
薬剤名等
メトトレキサート
臨床症状・措置方法
メトトレキサートの血中濃度が上昇し,作用が増強されるおそれがある.併用する場合には患者の状態を十分に観察すること.
機序・危険因子
発現機序の詳細は不明であるが,メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている.
薬剤名等
アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤等
ケイ酸アルミニウム,水酸化アルミニウムゲル・水酸化マグネシウム,スクラルファート水和物等
鉄剤
カルシウム含有製剤
マグネシウム含有製剤
ジダノシン錠
臨床症状・措置方法
本剤の吸収が低下し,効果が減弱されるおそれがあるので,本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること.
機序・危険因子
多価金属イオン含有製剤を併用した場合,難溶性のキレートを形成し,本剤の消化管からの吸収を減少させ,血中濃度を低下させるためと考えられている.
薬剤名等
カルシウムを多量に含有する飲料
牛乳等
臨床症状・措置方法
本剤を空腹時にカルシウムを多量に含有する飲料と同時に服用すると,本剤の吸収が低下し,効果が減弱されるおそれがある.
機序・危険因子
多価金属イオンと難溶性のキレートを形成し,本剤の消化管からの吸収を減少させ,血中濃度を低下させるためと考えられている.
薬剤名等
クラスIA抗不整脈薬
キニジン,プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン,ソタロール等
臨床症状・措置方法
本剤を併用した場合,QT延長がみられるおそれがある.
機序・危険因子
併用により,QT延長作用が相加的に増加するおそれがある.
薬剤名等
セベラマー塩酸塩
炭酸ランタン水和物
臨床症状・措置方法
本剤の吸収が低下し,効果が減弱されるおそれがあるので,本剤服用後2時間以上あけるなど注意すること.
機序・危険因子
上記薬剤を併用した場合,難溶性のキレートを形成し,本剤の消化管からの吸収を減少させ,血中濃度を低下させるためと考えられている.
薬剤名等
クロザピン
オランザピン
臨床症状・措置方法
クロザピン及びその代謝物の血中濃度が29%と31%それぞれ上昇したとの報告がある.上記薬剤の投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には,必要に応じて上記薬剤の用量調節をすること.
機序・危険因子
併用により,上記薬剤の肝での代謝が阻害されるためと考えられている.
薬剤名等
シルデナフィルクエン酸塩
臨床症状・措置方法
シルデナフィルのCmax及びAUCがそれぞれ約2倍上昇したとの報告がある.
機序・危険因子
CYP3A4阻害によりクリアランスが減少するとの報告もあるが,発現機序の詳細は不明である.
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
フェニトインの血中濃度が低下したとの報告がある.本剤を併用する場合は,フェニトインの血中濃度を測定するなど,観察を十分に行うこと.
機序・危険因子
機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要
承認時及び使用成績調査での調査症例17,359例中498例(2.87%)に副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が認められ,主な副作用は,発疹34件(0.20%),胃不快感36件(0.21%),下痢27件(0.16%),嘔気27件(0.16%),食欲不振25件(0.14%)等であった.
重大な副作用
ショック,アナフィラキシー(0.1%未満)大腸炎(0.1%未満)横紋筋融解症(0.1%未満)間質性肺炎(0.1%未満)低血糖(0.1%未満)骨髄抑制,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少(0.1%未満)劇症肝炎,肝機能障害,黄疸(0.1%未満)中毒性表皮壊死融解症(Toxic Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),多形紅斑,急性汎発性発疹性膿疱症(0.1%未満)急性腎不全,間質性腎炎(0.1%未満)痙攣(0.1%未満)アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害(0.1%未満)錯乱,抑うつ等の精神症状(0.1%未満)重症筋無力症の悪化(0.1%未満)血管炎(0.1%未満)QT延長,心室頻拍(Torsades pointesを含む)(0.1%未満)
その他の副作用
過敏症
頻度
0.1〜5%未満
発疹
過敏症
頻度
0.1%未満
光線過敏症,蕁麻疹,そう痒,発熱,発赤(結節性紅斑),浮腫(末梢,血管,顔面,咽頭)
過敏症
頻度
頻度不明
固定薬疹,血清病様反応
腎臓
頻度
0.1%未満
腎臓
頻度
頻度不明
肝臓
頻度
0.1〜5%未満
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇,γ-GTP上昇
循環器
頻度
頻度不明
血液
頻度
0.1〜5%未満
好酸球増多
血液
頻度
0.1%未満
白血球減少,赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少
血液
頻度
頻度不明
貧血,血小板増加,白血球増加,点状出血,プロトロンビン量増加,溶血性貧血
消化器
頻度
0.1〜5%未満
消化器
頻度
0.1%未満
消化器
頻度
頻度不明
感覚器
頻度
0.1%未満
感覚器
頻度
頻度不明
精神神経系
頻度
0.1%未満
精神神経系
頻度
頻度不明
その他
頻度
0.1%未満
その他
頻度
頻度不明
※自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした.

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄される(「薬物動態」の項参照)が,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,高い血中濃度が持続するおそれがあるので,用量ならびに投与間隔に留意し,慎重に投与すること.

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが,やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること.[母乳中へ移行することが報告されている.]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していないので,小児等には投与しないこと.[「その他の注意」の項参照]

過量投与

1.徴候と症状
腎毒性があらわれたとの報告がある.
2.処置
腎機能をモニターするとともに,本剤の吸収を減少させるためにマグネシウム,カルシウム等を含む制酸剤を投与し,水分及び電解質の補充を行う.シプロフロキサシンは腹膜透析,血液透析では少量(10%程度)しか除去されない.

適用上の注意

1.薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.]

その他の注意

動物実験(幼若イヌ,幼若ラット)で関節異常が認められている.
大量投与[750mg/回以上(経口剤)]により結晶尿が認められたとの報告がある.
遺伝毒性については,in vitro試験の一部(マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験,ラット肝初代培養細胞を用いた不定期DNA合成試験,チャイニーズハムスターCHL細胞を用いた染色体異常試験)成績において,陽性を示したとする報告がある.
光遺伝毒性については,ネズミチフス菌TA104を用いた復帰突然変異試験,チャイニーズハムスターV79細胞を用いた染色体異常試験,マウスリンパ腫細胞を用いたコメットアッセイにおいて陽性を示す所見が認められている.
5.プロベネシドによる影響
プロベネシドとの併用により,本剤の最高血中濃度は大きく変化しなかったが,t1/21/2の延長とAUCの増加が認められたとの報告がある.

薬物動態

1.血中濃度
健康成人に1回100mg,200mg又は400mgを経口投与した場合,血中濃度は図のとおりである3〜5)3〜5).
2.分布
健康成人又は患者に経口投与した場合,胆汁,前立腺で高く(血中濃度の2〜10倍),扁桃,鼻粘膜,上顎洞粘膜,副鼻腔粘膜,喀痰,皮膚,創部浸出液,乳腺組織,女性性器(腟,卵巣,卵管,子宮),唾液,涙液へ良好な移行(血中濃度の11/33〜1倍)が認められる6〜14)6〜14).
3.代謝
健康成人に経口投与した場合,生体内でほとんど代謝を受けず尿中排泄量の約80%が未変化体であり,その他3種の代謝物が認められる.
4.排泄
健康成人に1回100mg又は200mgを経口投与した場合,尿中濃度は0〜2時間で最高濃度を示し,それぞれ平均141μg/mL,256μg/mLであり,24時間までの尿中排泄率は約40〜50%である.また同様に1日3回5日間連続経口投与した場合,糞中濃度は投与終了1日後に最高濃度を示し,それぞれ平均249μg/g,554μg/gであり,投与終了6日後ではいずれも検出限界以下である3〜5,15)3〜5,15).
5.腎機能障害時の血中濃度
間欠的腹膜透析中の腎機能障害患者等3例に200mg単回経口投与した場合,クレアチニンクリアランスの低下とともにt1/21/2が延長,また投与24時間までの尿中排泄率も各々32.6,13.9,0.04%と低下する16)16).
6.〈参考〉
1.関節毒性
幼若ラット及び幼若ビーグル犬を用いた反復投与試験(経口)において,関節軟骨のびらん等が認められた.成熟動物(サル)を用いた反復静脈内投与試験においてはいずれの試験でも関節毒性は認められなかった.
2.眼毒性
サルを用いた4,13,26週間反復静脈内投与試験において,いずれの試験でも眼毒性を示唆する所見は認められなかった.
ネコを用いた2週間静脈内投与試験において,ERG(網膜電位図)及びVEP(視覚誘発脳波)に関して異常は認められなかった.
3.腎毒性
ラット及びサルを用いた反復静脈内投与試験において,それぞれ高用量群[ラット(4週間:80mg/kg/日,26週間:20,40mg/kg/日),サル(4週間:30mg/kg/日,13週間:18mg/kg/日,26週間:20mg/kg/日,4週間/点滴静脈内投与:20mg/kg)]で尿中に排泄されたシプロフロキサシンが再結晶化したことに起因すると考えられる尿細管変化が認められた.
また,ウサギを用いた反復静脈内投与試験において,30mg/kg/日群で正常ウサギに尿細管拡張が,腎障害ウサギに病理組織学的所見の悪化がみられ,無毒性量は10mg/kg/日であった.
4.光毒性
マウスに静脈内投与後UVAを照射したが,光毒性は100mg/kg/日においても認められなかった.
5.ヒスタミン遊離能
ラット腹腔肥満細胞及びヒト皮膚肥満細胞を用いたin vitro試験17)17)において,200μg/mL以上の高濃度ではヒスタミン遊離が認められた.

臨床成績

総計3,633例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである.
なお,細菌性肺炎,慢性気道感染症,急性陰窩性扁桃炎,複雑性尿路感染症,化膿性中耳炎,浅在性化膿性疾患,腸管感染症,産婦人科領域感染症で二重盲検比較試験により有用性が認められている18,19)18,19).

臨床成績の表

  効能・効果有効率
呼吸器感染症咽頭・喉頭炎



93.2%(41/44)



  小計77.1%(861/1,117)
尿路感染症腎盂腎炎



80.5%(136/169)



  小計85.7%(1,025/1,196)
胆道感染症のう
79.2%(19/24)
  小計77.8%(28/36)
腸管感染症感染性腸炎97.8%(88/90)
 小計97.8%(88/90)
耳鼻科領域感染症中耳炎
64.4%(130/202)
 小計70.2%(205/292)
皮膚科領域感染症表在性皮膚感染症


84.3%(75/89)


  小計88.2%(420/476)
外科領域感染症乳腺炎

75.6%(31/41)

  小計78.4%(152/194)
眼科領域感染症麦粒腫
のう
85.7%(30/35)

 小計81.6%(62/76)
産婦人科領域感染症子宮付属器炎

88.0%(44/50)

 小計84.6%(132/156)
合計  81.8%(2,973/3,633)
炭疽に対する臨床試験は国内外とも実施されていない.

薬効薬理

1.抗菌作用
グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広い抗菌スペクトルを有し,ブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,淋菌,炭疽菌,大腸菌,赤痢菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,レジオネラ属,ペプトストレプトコッカス属に対して優れた抗菌作用を示す20,21)20,21).
ほとんどの臨床分離株に対して同系統のオフロキサシン,ノルフロキサシン及びエノキサシン水和物より2〜4倍強い抗菌作用を示し,その作用はまたセフェム剤(セフタジジム水和物),アミノグリコシド剤(ゲンタマイシン),カルバペネム剤(イミペネム水和物)より優れた抗菌作用を示す22〜24)22〜24).
各種のマウス実験的感染症治療試験においてオフロキサシンと同等もしくはそれ以上,ノルフロキサシン,ピペミド酸より優れた治療効果を示す25)25).
雌雄アカゲザルに炭疽菌芽胞を吸入曝露させた後の肺炭疽に対する発症抑制効果が検討された.同菌株に対するMICは0.08μg/mLであった.吸入曝露24時間後より本剤を30日間経口投与した結果,非治療群(10例中9例死亡:吸入曝露後3〜8日以内)と比較し,本剤投与群(9例中1例死亡:投与終了6日目)で有意な死亡率の低下が認められた26)26).
2.作用機序
細菌のDNAジャイレースに作用し,DNA合成を阻害する.抗菌作用は殺菌的で溶菌作用が認められる.最小発育阻止濃度は最小殺菌濃度とほぼ一致し,細菌の対数増殖期だけでなく休止期にも作用する27)27).

有効成分に関する理化学的知見

1.構造式
2.一般名
シプロフロキサシン塩酸塩水和物
(Ciprofloxacin Hydrate)JAN
(Ciprofloxacin INN)
(略号:CPFX)
3.化学名
1-Cyclopropyl-6-fluoro-4-oxo-7-(piperazin-l-yl)-1, 4-dihydroquinoline-3-carboxylic hydrate
4.分子式
C1717H1818FN33O33・HCl・xH22O
5.分子量
367.80(無水物)
6.性状
本品は白色〜微黄色の結晶性の粉末である.
本品は水にやや溶けにくく,メタノールに溶けにくく,エタノール(99.5)に極めて溶けにくい.
本品は光によって徐々に僅かに褐色を帯びた淡黄色となる.

包装

錠剤
100mg PTP包装 100錠(10錠×10),500錠(10錠×50)
200mg PTP包装 100錠(10錠×10),600錠(10錠×60)

主要文献及び文献請求先

二木芳人他:基礎と臨床, 20(17), 8903(1986)
Roberge, R. J. al.:Ann. Emerg. Med., 36(2), 160(2000)
村中幸二他:Chemotherapy, 33(S-7), 684(1985)
小林宏行他:Chemotherapy, 33(S-7), 140(1985)
鈴木恵三他:Chemotherapy, 33(S-7), 632(1985)
谷村 弘他:Chemotherapy, 33(S-7), 892(1985)
水野全裕他:Chemotherapy, 33(S-7), 714(1985)
森 慶人他:Chemotherapy, 33(S-7), 978(1985)
斎藤 寿他:Chemotherapy, 33(S-7), 995(1985)
那須 勝他:Chemotherapy, 33(S-7), 548(1985)
矢田浩二他:Chemotherapy, 33(S-7), 1022(1985)
張 南薫他:Chemotherapy, 33(S-7), 810(1985)
渡辺晋一他:Chemotherapy, 33(S-7), 932(1985)
酒井克治他:Chemotherapy, 38(6), 582(1990)
本廣 孝他:Chemotherapy, 33(S-7), 100(1985)
柴 孝也他:Chemotherapy, 33(S-7), 305(1985)
中川武正他:炎症, 15(4), 337(1995)
小田切繁樹他:日本化学療法学会雑誌, 44(11), 842(1996)
渡辺晋一他:西日本皮膚科, 58(6), 1006(1996)
西野武志他:Chemotherapy, 33(S-7), 39(1985)
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薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6241008F1023 シプロキサン錠100mg 塩酸シプロフロキサシン 100mg1錠 48.6
6241008F2020 シプロキサン錠200mg 塩酸シプロフロキサシン 200mg1錠 85.2

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