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薬剤師ネクスト経営塾

トリーメク配合錠

作成又は改訂年月

2015年3月作成 (第1版)

日本標準商品分類番号

87625

日本標準商品分類番号等

国際誕生年月
2014年8月

薬効分類名

抗ウイルス化学療法剤

承認等

販売名

トリーメク配合錠

販売名コード

6250106F1021

承認・許可番号

承認番号
22700AMX00630000
商標名
Triumeq Tablets

薬価基準収載年月

2015年3月

販売開始年月

2015年4月

貯法・使用期限等

貯法 
室温保存
使用期限
包装に表示

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量
1錠中にドルテグラビルナトリウム52.6mg(ドルテグラビルとして50mg)、アバカビル硫酸塩702mg(アバカビルとして600mg)、ラミブジン300mgを含有する。
添加物
D-マンニトール、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、ポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、黒酸化鉄、三二酸化鉄、マクロゴール4000、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、タルク、酸化チタン

性状

本剤は紫色のフィルムコート錠で、識別コード及び形状は下記のとおりである。
識別コード
572 Tri


長径:約22mm
短径:約11mm

側面


厚さ:約7.6mm
質量
1720.8mg

一般的名称

ドルテグラビルナトリウム Dolutegravir Sodium アバカビル硫酸塩 Abacavir Sulfate ラミブジン Lamivudine

警告

1.過敏症:
海外の臨床試験において、アバカビル投与患者の約5%に過敏症の発現を認めており、まれに致死的となることが示されている。アバカビルによる過敏症は、通常、アバカビル製剤による治療開始6週以内(中央値11日)に発現するが、その後も継続して観察を十分に行うこと。
アバカビルによる過敏症では以下の症状が多臓器及び全身に発現する
・皮疹
・発熱
・胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)
・疲労感、けん怠感
・呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等
このような症状が発現した場合は、直ちに担当医に報告させ、アバカビルによる過敏症が疑われたときは本剤の投与を直ちに中止すること。
アバカビルによる過敏症が発現した場合には、決してアバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を再投与しないこと。本製剤の再投与により数時間以内にさらに重篤な症状が発現し、重篤な血圧低下が発現する可能性及び生命を脅かす可能性がある。
呼吸器疾患(肺炎、気管支炎、咽頭炎)、インフルエンザ様症候群、胃腸炎、又は併用薬剤による副作用と考えられる症状が発現した場合あるいは胸部X線像異常(主に浸潤影を呈し、限局する場合もある)が認められた場合でも、アバカビルによる過敏症の可能性を考慮し、過敏症が否定できない場合は本剤の投与を直ちに中止し、決して再投与しないこと
患者に過敏症について必ず説明し、過敏症を注意するカードを常に携帯するよう指示すること。また、過敏症を発現した患者には、アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)を二度と服用しないよう十分指導すること(「禁忌」、「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)。
B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[特に、本剤の投与に際しては、アバカビル含有製剤(本剤、ザイアジェン錠又はエプジコム配合錠)の服用経験を必ず確認し、アバカビルによる過敏症の既往歴がある場合は、決して本剤を投与しないこと(「警告」、「重要な基本的注意」及び「副作用」の項参照)。]
重度の肝障害患者[アバカビルの血中濃度が上昇することにより、副作用が発現するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。]

効能又は効果

以下のいずれかのHIV感染症患者に使用すること。
抗HIV薬による治療経験のない患者
インテグラーゼ阻害剤以外の抗HIV薬による治療でウイルス学的抑制が得られていない患者
ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンの組み合わせによりウイルス学的抑制が得られている患者
抗HIV薬による治療で既にウイルス学的抑制が得られている患者において、本剤に切り替えた使用経験はないため、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンによる治療でウイルス学的抑制が得られている患者以外において、本剤への切り替えは推奨されない。
インテグラーゼ阻害剤に耐性を有する患者に対して、本剤の使用は推奨されない(ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジンの3成分で治療された経験はない)。
本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤による治療経験がある場合には、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤に対する耐性変異を有している可能性がある)。

用法及び用量

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤による治療は、抗HIV療法に十分な経験を持つ医師のもとで開始すること。
本剤はドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてドルテグラビル製剤、アバカビル製剤、ラミブジン製剤、又はアバカビル・ラミブジン製剤を併用投与しないこと。ただし、本剤とエトラビリン(リトナビルでブーストしたプロテアーゼ阻害剤と併用投与しない場合)、エファビレンツ、ネビラピン、カルバマゼピン又はリファンピシンを併用する場合には、ドルテグラビルとして50mgを1日2回投与する必要があるので、ドルテグラビル製剤を本剤投与の約12時間後に投与すること。

(次の患者には慎重に投与すること)

薬物動態

0.<日本人における成績>
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績12)12)
日本人健康成人男性(6例)及び女性(4例)にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータを表-1に示す。ドルテグラビルは投与後約3時間で最高血漿中濃度に達し、消失半減期は約15時間であった。また、日本人における薬物動態は外国人における薬物動態と同様であった。
(2)アバカビル・ラミブジン製剤での成績13)13)
アバカビル・ラミブジン製剤を空腹時単回投与したときのアバカビル、ラミブジンの薬物動態パラメータを表-2に示す。
0.<外国人における成績>
(1)本剤投与時の成績14)14)
外国人健康成人(62例)に本剤を空腹時に単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの薬物動態パラメータを表-3に示す。
1.吸収
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績15)〜17)15)〜17)
ドルテグラビル製剤は経口投与により速やかに吸収され、投与後約2〜3時間で最高血漿中濃度に達した。ドルテグラビル製剤を経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの曝露量は、2〜100mgの範囲では投与量増加の割合を下回って増加した15),16)15),16)が、25〜50mgの範囲では投与量にほぼ比例して増加した17)17)。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績18)〜20)18)〜20)
HIV感染症患者(12例)を対象にアバカビル製剤100、300、600、900、1200mgを単回経口投与した場合、Cmax及びAUC0-inf0-infは投与量に依存して上昇した。未変化体の血漿中濃度は投与約1.5時間後に最高濃度に達し、消失半減期は約1.5時間であった18)18)。
一方、HIV感染症患者(20例)を対象にアバカビル製剤300mgを1日2回投与した場合の定常状態におけるCmaxは約3μg/mL、12時間までのAUCは約6μg・h/mLであった19)19)。また、生物学的利用率は約83%であった20)20)。
また、HIV感染症患者(27例)を対象にアバカビル製剤600mg1日1回投与時とアバカビル製剤300mg1日2回投与時の定常状態における薬物動態パラメータを比較した結果、細胞内カルボビル三リン酸の曝露は、アバカビル製剤600mg1日1回投与時の方が大きく、AUC0-240-24、Cmax及びCτがそれぞれ32%、99%及び18%増加した。
(3)ラミブジン単独投与での成績21),22)21),22)
成人HIV感染者に2mg/kgを1日2回15日間経口投与したとき、初回投与時では投与1.5時間後に最高血中濃度の1.5μg/mLに達し、半減期は2.6時間であり、15日間投与後では血中濃度は定常状態に達し、最高血中濃度は1.9μg/mLであった。また、成人HIV感染者に0.25〜8mg/kgを単回経口投与したときの生物学的利用率は約82%であった。
2.分布
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績23)〜25)23)〜25)
ドルテグラビルのヒト血漿蛋白結合率は約99.3%であった(in vitro)23)23)。健康成人男性にドルテグラビル20mg(懸濁液)を単回経口投与した時の見かけの分布容積は12.5Lであった。血液/血漿比(平均値)は0.441〜0.535であり、ドルテグラビルの血球移行性は低かった(5%未満)。In vitroにおいて、ドルテグラビルはヒトP糖蛋白質及びヒトBreast Proteinの基質である24),25)24),25)。血漿中ドルテグラビルの遊離分画は健康成人で約0.2〜1.1%、中等度の肝機能障害患者で約0.4〜0.5%、重度の腎機能障害患者で約0.8〜1.0%、HIV感染症患者で0.5%であった。
ドルテグラビルは脳脊髄液中にも分布する。ドルテグラビル製剤50mg及びアバカビル/ラミブジン(600/300mg)が併用投与された抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者(11例)において、ドルテグラビルの脳脊髄液中濃度(中央値)は18ng/mLであり、血漿中濃度の0.11〜0.66%であった。
ドルテグラビルは女性及び男性の生殖器に分布する。健康成人女性にドルテグラビル製剤50mg/日を5〜7日間経口投与した時の子宮頸膣液、子宮頸部組織及び膣組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの6〜10%であった。また、健康成人男性にドルテグラビル製剤50mg/日を8日間経口投与した時の精液及び直腸組織におけるドルテグラビルのAUCは定常状態での血漿中ドルテグラビルのAUCの7及び17%であった。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績10),20),26)10),20),26)
HIV感染症患者(6例)を対象にアバカビルを150mg静脈内投与したときの見かけの分布容積は約0.86L/kgであり、広く組織に分布することが示唆された10),20)10),20)。
アバカビルは10μg/mLまでの添加濃度範囲で、ヒト血漿タンパク結合率は49%と一定であった。また、血液及び血漿中放射能濃度が同じであったことから、本薬は血球に直ちに分布することが示された10)10)。
HIV感染症患者におけるアバカビルの脳脊髄液(CSF)への移行は良好で、血漿中AUCに対するCSF中AUCの比は30〜44%であった10),26)10),26)。アバカビル600mg1日2回投与時の最高濃度の実測値はIC5050(0.08μg/mLあるいは0.26μM)の9倍であった10)10)。
(3)ラミブジン単独投与での成績27)27)
成人HIV感染者に4〜10mg/kgを1日2回2週間以上反復経口投与したとき、投与2時間後の脳脊髄液中濃度は血中濃度の約6%であった27)27)。
3.代謝・排泄
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績28)〜31)28)〜31)
ドルテグラビルは主に肝臓でUGT1A1でグルクロン酸抱合される28)28)。また、ドルテグラビルはCYP3Aでわずかに代謝され29)29)、健康成人に1414C-ドルテグラビル20mg(懸濁液)を単回経口投与した時の総投与量の約9.7%が酸化的代謝物として尿糞中に回収された。
健康成人にドルテグラビル20mgを単回経口投与した時の主な排泄経路は糞であり、経口投与量の53%が未変化体として糞中に排泄された。また、尿中には経口投与量の31%が排泄され、その内訳は18.9%がエーテル型グルクロン酸抱合体、3.6%がN-脱アルキル体、3.0%がベンジル位の酸化体であり、未変化体は1%未満であった。In vitroにおいて、ドルテグラビルはヒト有機アニオントランスポーター1(OAT1)、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2-Kを介した輸送を阻害した(IC5050:それぞれ2.12、1.97、1.93、6.34及び24.8μM)30),31)30),31)。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績10),26),32)10),26),32)
ヒトにおける主要代謝物は、5'-カルボン酸体及び5'-グルクロン酸抱合体であった26)26)。ヒト肝由来試料を用いたin vitro試験から、アバカビルは肝可溶性画分により酸化的代謝を受け5'-カルボン酸体を生成したが、肝ミクロソーム画分ではアバカビルの酸化的代謝は起こらなかった。アバカビルの酸化代謝にはチトクロームP-450ではなく、アルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼ系が関与していた。なお、これらの代謝物には抗ウイルス活性はなかった。また、ヒトUGT発現系を用いたin vitro試験において、アバカビルはUGT2B7でのみ代謝された32)32)。
さらに、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験において、臨床使用量での血漿中濃度ではチトクロームP-450分子種CYP2D6、2C9及び3A4を阻害しないことが示唆された10)10)。
アバカビルは細胞内で活性代謝物であるカルボビル三リン酸に代謝される。HIV感染症患者(20例)にアバカビル300mg1日2回投与した時の定常状態における細胞内カルボビル三リン酸の半減期は20.6時間であった。
HIV感染症患者(6例)を対象に1414C標識アバカビル600mgを単回経口投与後、薬物体内動態を検討した。総放射能の約99%が排泄され、主な排泄経路は尿(約83%)であり、糞中には約16%排泄された。尿中に排泄された放射能の約1%は未変化体であり、約30%が5'-カルボン酸体、約36%が5'-グルクロン酸抱合体であった26)26)。
(3)ラミブジン単独投与での成績33)〜35)33)〜35)
ヒトでの主代謝体はトランス-スルホキシド体(1-[(2R,5S)-trans-2-hydroxymethyl-1,3-oxathiolan-3-oxide-5-yl]cytosine)であった。成人HIV感染者に2mg/kgを経口投与したとき、投与後12時間尿中にトランス-スルホキシド体が投与量の5.2%存在した。
また、血中濃度が定常状態での未変化体排泄率は約73%であり、腎排泄がラミブジンの体内からの除去の主要な経路であることが示された33)33)。
In vitroにおいて、ラミブジンはOCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質である34),35)34),35)。
4.生物学的同等性
健康成人62例に、本剤1錠、ドルテグラビル製剤(ドルテグラビル50mgを含有する製剤)及びアバカビル・ラミブジン製剤(アバカビル600mg及びラミブジン300mgを含有する製剤)各1錠を空腹時に単回経口投与し、生物学的同等性を評価した。
本剤投与時とドルテグラビル製剤及びアバカビル・ラミブジン製剤の併用投与時のドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンのAUC0-t0-t、AUC0-inf0-inf及びCmaxは、生物学的同等性の判定基準(平均値の比の90%信頼区間が0.80〜1.25の範囲内)を満たし、生物学的同等性が示された。
5.食事の影響
健康成人12例に、高脂肪食(869kcal、53%が脂肪由来)摂取後に本剤を経口投与したとき、空腹時投与時と比較して、ドルテグラビルのAUC0-inf0-inf及びCmaxがそれぞれ48及び37%増加した。また、ラミブジンのAUC0-inf0-inf及びCmax、アバカビルのAUC0-inf0-infに変化は認められなかったが、アバカビルのCmaxは23%低下した。
6.小児等への投与
小児患者における本剤の薬物動態は確立していない。
12歳以上18歳未満の小児患者におけるドルテグラビル、アバカビル及びラミブジンの薬物動態は成人と同様であった。
7.腎機能障害患者
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績36)36)
重度の腎機能障害(8例、クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)を有する患者にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した。その結果、重度の腎機能障害患者における薬物動態は健康成人との間に臨床的に重要である差はみられなかったことから、腎機能障害患者に対してドルテグラビル製剤の用量調節を行う必要はない。なお、透析患者でのドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響については検討していない。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績37)37)
腎疾患患者(GFR:<10mL/min)におけるアバカビルの薬物動態は、腎機能が正常な患者の薬物動態と同様であった。
(3)ラミブジン単独投与での成績38)38)
腎機能の低下したHIV患者にラミブジンを300mg単回経口投与したとき、クレアチニンクリアランスの低下につれてAUC及び最高血中濃度が増加し、半減期が延長し、見かけの全身クリアランスが減少した。
8.肝機能障害患者
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績39)39)
ドルテグラビルは主に肝臓で代謝されて排泄される。中等度の肝機能障害(8例、Child-Pugh分類:B)を有する患者にドルテグラビル製剤50mgを単回経口投与した。その結果、中等度の肝機能障害患者における薬物動態は健康成人と同様であったことから、中等度の肝機能障害に対してドルテグラビル製剤の用量調節の必要はない。なお、重度の肝機能障害患者でのドルテグラビルの薬物動態に及ぼす影響については検討していない。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績40)40)
軽度の肝障害(Child-Pugh 分類の合計点数:5)を有するHIV感染症患者におけるアバカビルの薬物動態を検討した結果、AUC及び消失半減期は肝障害を有さないHIV感染症患者のそれぞれ1.89倍及び1.58倍であった。代謝物の体内消失速度にも変化が認められたが、AUCは肝障害による影響を受けなかった。なお、これら患者に対する推奨投与量は明らかでない。
(3)ラミブジン単独投与での成績41)41)
中等度及び重度の肝障害を有する患者における成績より、ラミブジンの薬物動態は、肝障害によって重大な影響を受けないことが示されている。
9.その他の要因
(1)性別
健康成人にドルテグラビル250mg(懸濁液)を単回経口投与した時の血漿中ドルテグラビルの薬物動態パラメータは、男性(17例)よりも女性(24例)の方がわずか(最大約20%)に高い傾向がみられた。
成人HIV感染症患者を対象とした後期第II相及び第III相試験での母集団薬物動態解析の結果、性別はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響を及ぼさなかった。
アバカビル及びラミブジンに対しても、性別は臨床的な影響を及ぼさなかった。
(2)人種
成人HIV感染症患者を対象とした後期第II相及び第III相試験での母集団薬物動態解析の結果、人種はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響は認められなかった。
アバカビル及びラミブジンに対しても、人種は臨床的な影響を及ぼさなかった。
(3)B型肝炎及びC型肝炎のウイルス重複感染患者
C型肝炎ウイルス重複感染患者を対象とした母集団薬物動態解析の結果、C型肝炎ウイルス重複感染はドルテグラビルの曝露量に対して臨床的な影響を及ぼさなかった。なお、B型肝炎ウイルス重複感染患者におけるドルテグラビル製剤投与時の薬物動態データは限られている。
アバカビル及びラミブジンに対して、B型肝炎及びC型肝炎ウイルス重複感染が薬物動態に及ぼす影響については検討されていない。
10.相互作用
(1)ドルテグラビルナトリウム単独投与での成績
ドルテグラビル製剤を併用薬剤と投与した時の薬物動態パラメータの変化を、表-4及び表-5に示す。
(2)アバカビル硫酸塩単独投与での成績8),42)8),42)
アバカビルの主要代謝酵素であるアルコールデヒドロゲナーゼ/アルデヒドデヒドロゲナーゼ系への阻害効果をin vitro試験において検討した結果、アバカビル自身、これらの酵素を阻害しなかった。
ヒト肝スライスを用いたin vitro試験において、HIVプロテアーゼ阻害剤であるアンプレナビルはアバカビルの代謝を阻害しなかった。
アバカビルの薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響を表-6に、併用薬剤の薬物動態に及ぼすアバカビルの影響を表-7に示す。
(3)ラミブジン単独投与での成績
併用薬剤の薬物動態に及ぼすラミブジンの影響を表-8に示す。

薬物動態の表

Cmax
Tmax
AUC0-inf(μg・h/mL)t1/2(h)C24(μg/mL)
2.37±1.233.0(2.0-4.0)47.7±24.614.7±1.560.73±0.36
平均値±標準偏差(n=10)、Tmax:中央値(範囲)
 Cmax
AUClast(μg・h/mL)AUC0-τ(μg・h/mL)Tmax(h)t1/2(h)
アバカビル5.68
12.56
12.89
1.00
1.50
ラミブジン3.58
13.81
16.30
2.00
2.49
n=9、平均値±標準偏差、※中央値(最小値-最大値)
 Cmax
AUC0-inf(μg・h/mL)AUC0-t(μg・h/mL)Tmax(h)t1/2(h)
ドルテグラビル2.53
47.12
42.75
3.00
13.00
アバカビル4.13
14.35
14.32
2.00
2.69
ラミブジン2.20
13.13
12.70
3.00
16.28
n=62、平均値±標準偏差、※中央値(最小値−最大値)
併用薬剤及び用量ドルテグラビル製剤の用量例数ドルテグラビル製剤併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
24
ドルテグラビル製剤併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
ドルテグラビル製剤併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
エチニルエストラジオール 0.035mg50mg
151.02
1.03
0.99
メサドン 20-150mg50mg
110.99
0.98
1.00
ミダゾラム 3mg25mg
100.95
Norelgestromin

50mg
150.93
0.98
0.89
リルピビリン
50mg
161.21
1.06
1.10
テノホビル
50mg
151.19
1.12
1.09
メトホルミン
50mg
141.79
1.66
メトホルミン
50mg
142.45
2.11
併用薬剤及び用量ドルテグラビル製剤の用量例数他剤併用時/非併用時のドルテグラビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
24
他剤併用時/非併用時のドルテグラビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
他剤併用時/非併用時のドルテグラビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
アタザナビル

30mg
122.80
1.91
1.50
アタザナビル/リトナビル

30mg
122.21
1.62
1.33
テノホビル

50mg
150.92
1.01
0.97
ダルナビル/リトナビル
30mg
150.62
0.78
0.89
エファビレンツ

50mg
120.25
0.43
0.61
エトラビリン

50mg
150.12
0.29
0.48
エトラビリン+ダルナビル/リトナビル

50mg
90.63
0.75
0.88
ホスアンプレナビル/リトナビル

50mg
120.51
0.65
0.76
ロピナビル/リトナビル

30mg
150.94
0.97
1.00
乾燥水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム
50mg
160.26
0.26
0.28
乾燥水酸化アルミニウムゲル/水酸化マグネシウム

50mg
160.70
0.74
0.82
総合ビタミン剤
50mg
160.68
0.67
0.65
オメプラゾール
50mg
120.95
0.97
0.92
prednisone


50mg
121.17
1.11
1.06
リファンピシンa600mg 1日1回50mg
a
110.28
0.46
0.57
リファンピシンb600mg 1日1回50mg
b
111.22
1.33
1.18
リファブチン
50mg
90.70
0.95
1.16
リルピビリン
50mg
161.22
1.12
1.13
Tipranavir


50mg
140.24
0.41
0.54
テラプレビル
50mg
151.37
1.25
1.19
Boceprevir

50mg
131.08
1.07
1.05
カルバマゼピン
50mg
140.27
0.51
0.67
a ドルテグラビル50mg1日2回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較
b ドルテグラビル50mg1日1回投与とリファンピシンを併用したドルテグラビル50mg1日2回投与との比較
併用薬剤
アバカビル製剤の用量例数アバカビル併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
アバカビル併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
アバカビル併用時/非併用時の併用薬剤の薬物動態パラメータの幾何平均比(90%信頼区間);影響なし=1.00
メサドン
アバカビル
241.22
エタノール
アバカビル
241.41
1.15
併用薬剤
アバカビル製剤の用量例数他剤併用時/非併用時のアバカビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
他剤併用時/非併用時のアバカビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
他剤併用時/非併用時のアバカビルの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
メサドン
アバカビル
241.18
0.85
0.65
併用薬剤
ラミブジン製剤の用量例数他剤併用時/非併用時のラミブジンの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
他剤併用時/非併用時のラミブジンの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
他剤併用時/非併用時のラミブジンの薬物動態パラメータの幾何平均比 (90%信頼区間);影響なし=1.00
トリメトプリム/スルファメトキサゾール

ラミブジン
140.70
1.43
0.65

臨床成績

1.<外国人における成績>
海外で実施された抗HIV薬による治療経験のない患者、及び抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない患者を対象とした4つの検証試験の概要は以下のとおりである。
(1)抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした二重盲検比較試験(SINGLE:ING114467)43)43)
抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者833例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル50mg(1日1回投与)とアバカビル/ラミブジンの併用投与群(ドルテグラビル投与群)に414例、エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビン投与群(対照群)に419例が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の81%に対して、ドルテグラビル投与群では88%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の5%及び対照群の6%で認められた。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の72%に対して、ドルテグラビル投与群では80%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の7%及び対照群の8%で認められた。さらに、投与96週後以降に非盲検下で継続投与を行った結果、HIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では71%、対照群では63%であった。ウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の10%及び対照群の7%で認められた。
なお、本試験における試験成績の要約を表-9に示した。
(2)抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした二重盲検比較試験(SPRING-2:ING113086)44)44)
抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者822例を対象とした二重盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)と、ラルテグラビル400mgを1日2回投与した群(ラルテグラビル投与群)に、それぞれ411例の患者が無作為に割り付けられた。このうちドルテグラビル投与群の169例及びラルテグラビル群の164例に、背景療法としてアバカビル/ラミブジンが併用投与された。その結果、アバカビル/ラミブジンが併用投与された患者において、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では86%、ラルテグラビル投与群では87%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群の4%及びラルテグラビル投与群の5%で認められた。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ドルテグラビル投与群では74%、ラルテグラビル投与群では76%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、ドルテグラビル投与群及びラルテグラビル投与群の各5%で認められた。
なお、本試験における試験成績の要約を表-10に示した。
(3)抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者を対象とした無作為化非盲検比較試験(FLAMINGO:ING114915)45)45)
抗HIV薬による治療経験のない成人HIV感染症患者485例を対象とした非盲検比較試験において、ドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)に243例、ダルナビル+リトナビル800mg+100mgを1日1回投与した群(対照群)に242例が無作為に割り付けられた。このうち484例が有効性・安全性解析対象となり、ドルテグラビル投与群の79例及び対照群の80例に、背景療法としてアバカビル/ラミブジンが併用投与された。その結果、アバカビル/ラミブジンが併用投与された患者において、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の85%に対して、ドルテグラビル投与群では90%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、対照群の3%で認められたが、ドルテグラビル投与群では認められなかった。また、投与96週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、対照群の75%に対して、ドルテグラビル投与群では82%であった。治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗は、対照群の4%で認められたが、ドルテグラビル投与群では認められなかった。
なお、本試験における試験成績の要約を表-11に示した。
(4)抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人HIV感染症患者を対象とした無作為化二重盲検並行群間比較試験(SAILING:ING111762)46)46)
抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない成人HIV感染症患者715例を対象とした二重盲検比較試験において、背景療法を併用してドルテグラビル50mgを1日1回投与した群(ドルテグラビル投与群)と、背景療法を併用してラルテグラビル400mgを1日2回投与した群(ラルテグラビル投与群)に、それぞれ354例及び361例の患者が無作為に割り付けられた。その結果、主要評価項目である投与48週後のHIV-1 RNA量が50copies/mL未満であった患者の割合は、ラルテグラビル投与群の64%に対して、ドルテグラビル投与群では71%であった。
なお、本試験における試験成績の要約を表-12に示した。

臨床成績の表

結果ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(414例)
ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(414例)
ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(414例)
エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビン注2)1日1回

エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビン注2)1日1回

エファビレンツ/テノホビル/エムトリシタビン注2)1日1回

HIV-1 RNA量が50copies/mL未満364例
332例
296例
338例
303例
265例
両群間の差注3)(95%信頼区間)7.4%
8.0%
8.3%
ウイルス学的な
注4)
21例
31例
43例
26例
33例
30例
注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム配合錠として1日1回投与
注2)エファビレンツ600mg、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩300mg、エムトリシタビン200mgをAtripla配合錠として1日1回投与
注3)ベースラインの層別因子により調整
注4)ウイルス学的効果が不十分のため、投与48週、96週又は144週後までに試験薬剤の投与を中止した症例、若しくは48週、96週又は144週目にHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例
結果ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(169例)
ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(169例)
ラルテグラビル400mg1日2回

注1)(164例)
ラルテグラビル400mg1日2回

注1)(164例)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満145例(86%)125例(74%)142例(87%)124例(76%)
両群間の差(未調整)
-0.8%
-1.6%
治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗注2)7例(4%)9例(5%)8例(5%)8例(5%)
注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム配合錠として1日1回投与
注2)投与24週後以降の検査において2回連続してHIV-1 RNA量が50copies/mL以上であった症例
結果ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(79例)
ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(79例)
ダルナビル+リトナビル


注1)(80例)
ダルナビル+リトナビル


注1)(80例)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満71例(90%)65例(82%)68例(85%)60例(75%)
両群間の差(未調整)
4.9%
7.3%
治験実施計画書で定義されたウイルス学的な治療失敗注2)0例(0%)0例(0%)2例(3%)3例(4%)
注1)アバカビル600mg、ラミブジン300mgをエプジコム配合錠として1日1回投与
注2)投与24週後以降の検査において2回連続してHIV-1 RNA量が200copies/mLを上回った症例
結果ドルテグラビル50mg1日1回

注1)(354例)注2)
ラルテグラビル400mg1日2回


注2)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満251例(71%)230例(64%)
両群間の差注3)(95%信頼区間)7.4%
7.4%
ウイルス学的な治療失敗71例(20%)100例(28%)
注1)アバカビル600mg/ラミブジン300mg(エプジコム配合錠)併用は8例、そのうち1例はマラビロクも併用
注2)1実施施設において、データ整合性のため4例が有効性解析から除外
注3)ベースラインの層別因子により調整

薬効薬理

1.<ドルテグラビルナトリウム>
(1)作用機序
ドルテグラビルはレトロウイルスの複製に必要な酵素であるHIVインテグラーゼの活性部位と結合し、DNAへの組込みの際のHIV-DNA鎖のトランスファーを阻害することにより、HIVインテグラーゼを阻害する。
(2)抗ウイルス作用(in vitro)
HIV-1 BaL株及びHIV-1 NL432株に感染させた末梢血単核球では、ウイルス増殖に対するドルテグラビルの抗ウイルス活性の50%阻害濃度(IC5050)は、それぞれ0.51nM、0.53nMであった。HIV-1 IIIB株に感染させたMT-4細胞にドルテグラビルを添加して4日又は5日培養した場合の抗ウイルス活性のIC5050は、それぞれ0.71nM、2.1nMであった。また、精製したHIV-1インテグラーゼと前処置した基質DNAを用いたストランドトランスファー生化学アッセイフォーマットでは、抗ウイルス活性のIC5050は、それぞれ2.7nM、12.6nMであった。
13種の臨床的に多様なサブタイプB分離株からのインテグラーゼ・コード領域を用いたウイルス・インテグラーゼ感染性分析法では、IC5050は0.52nMであり、高い抗ウイルス活性を示した。またドルテグラビルは実験株に匹敵する抗ウイルス作用を示した。24種のHIV-1臨床分離株[グループM(サブタイプA、B、C、D、E、F、G)とグループO]と3種のHIV-2臨床分離株からなるパネル株に対する末梢血単核球分析試験では、HIV-1株のIC5050は0.20nMであり、0.02〜2.14nMの範囲であった。一方、HIV-2株のIC5050は0.18nMであり、0.09〜0.61nMの範囲であった。
(3)薬剤耐性
ラルテグラビル[Fold Change(FC)>81]に対する遺伝子型及び表現型の耐性を有する30種の臨床分離株について、Monogram Biosciences社のPhenoSense分析を用いてドルテグラビル(FC=1.5)に対する感受性を調べた。G140S+Q148H分離株では、ドルテグラビルのFC値は3.75であり、G140S+Q148R分離株では13.3、T97A+Y143R分離株では1.05、N155H分離株では1.37であった。ラルテグラビルの投与経験のある患者から分離した705種のラルテグラビル耐性株について、Monogram Biosciences社のPhenoSense分析を用いて、ドルテグラビルに対する感受性を調べた。ドルテグラビルは、705種の臨床分離株の93.9%に対してFCが10未満であった。
抗HIV薬による治療経験があり、かつHIVインテグラーゼ阻害剤の投与経験のない患者を対象としたSAILING試験(ドルテグラビル投与群354例)において、投与48週後にウイルス学的な治療失敗例の17例中4例でHIVインテグラーゼ阻害剤に耐性が認められた。これら4例中2例に特有のR263Kインテグラーゼ変異が認められ、FCの最大値は1.93であった。もう1例には、多型のV151V/Iインテグラーゼ変異が認められFCの最大値は0.92であり、残り1例には試験前からインテグラーゼ変異の存在が認められており、既にインテグラーゼ阻害剤の投与経験があるか、又はインテグラーゼ耐性ウイルスに感染したものと推定された。
HIVインテグラーゼ阻害剤に耐性を有する患者を対象としたVIKING-3試験では、投与24週後までに183例中36例でウイルス学的な治療失敗が認められた。このうち31例については、試験開始時及びウイルス学的な治療失敗時の両時点で解析用耐性データがあり、31例中16例(52%)で投与に伴う変異が認められた。確認された治療下での変異又は混合変異はL74L/M(1例)、E92Q(2例)、T97A(8例)、E138K/A(7例)、G140S(2例)、Y143H(1例)、S147G(1例)、Q148H/K/R(4例)、N155H(1例)及びE157E/Q(1例)であった。また、治療下で変異の出現が認められた16例中14例において、試験開始時又はそれ以前からQ148の変異を有していた。
2.<アバカビル硫酸塩>
(1)作用機序47)〜49)47)〜49)
アバカビルは細胞内で細胞性酵素によって活性代謝物のカルボビル三リン酸に変換される。カルボビル三リン酸は天然基質dGTPと競合し、ウイルスDNAに取り込まれることによって、HIV-1逆転写酵素(RT)の活性を阻害する。取り込まれたヌクレオシド誘導体には3'-OH基が存在しないため、DNA鎖の伸長に不可欠な5'-3'ホスホジエステル結合の形成が阻害され、ウイルスのDNA複製が停止する。
(2)抗ウイルス作用10),48),50)10),48),50)
アバカビルのHIV-1に対するIC5050値はHIV-1 IIIBに対して3.7〜5.8μM、臨床分離株に対して0.26±0.18μM(8例)、HIV-1 BaLに対して0.07〜1.0μMであった。また、HIV-2に対するIC5050値はHIV-2(Zy)に対して4.1μM、HIV-2 LAV-2に対して7.5μMであった。In vitroでアンプレナビル、ネビラピン及びジドブジンとの併用によって相乗作用が認められ、ジダノシン、ラミブジン、サニルブジン及びザルシタビンとの併用によって相加作用が認められた。また、ヒト末梢血単核球から活性化リンパ球を除いた場合に、より強い抗HIV作用を示したことから、アバカビルは静止細胞でより強く抗ウイルス作用を示すものと考えられる。
(3)薬剤耐性10),49)10),49)
アバカビルに対して低感受性のHIV-1分離株がin vitro及びアバカビル投与患者から分離されており、いずれも逆転写酵素にM184V、K65R、L74V及びY115Fの変異が確認された。これらの変異を2種以上含むことにより、アバカビル感受性は1/10に低下した。臨床分離株ではM184V及びL74Vの変異が頻回に観察された。
(4)交差耐性49)49)
アバカビルによる逆転写酵素変異を2種以上組み込んだHIV-1株のうち数種は、in vitroでラミブジン、ジダノシン及びザルシタビンに対して交差耐性を示し、一方、ジドブジン及びサニルブジンには感受性を示した。
アバカビルとHIVプロテアーゼ阻害剤とは標的酵素が異なることから、両者間に交差耐性が発生する可能性は低く、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤も逆転写酵素の結合部位が異なることから、交差耐性が発生する可能性は低いものと考えられる。
3.<ラミブジン>
(1)作用機序51)〜53)51)〜53)
ラミブジンは細胞内でリン酸化され、HIVを感染させた細胞内での半減期が約12時間の5'-三リン酸化体に変換される51)51)。ラミブジン5'-三リン酸化体はHIVの逆転写酵素によりウイルスDNA鎖に取り込まれ、DNA鎖の伸長を停止することによりHIVの複製を阻害する52)52)。また、ラミブジン5'-三リン酸化体はHIVの逆転写酵素を競合的に阻害する52)52)。一方、in vitroで、ヒト末梢血リンパ球、リンパ球系・単球−マクロファージ系の株化細胞53)53)及び種々のヒト骨髄前駆細胞に対するラミブジンの細胞毒性は弱かった。
(2)抗ウイルス作用53),54)53),54)
in vitroでのラミブジンのHIV-1(RF、GB8、U455及びIIIB)に対するIC5050値は670nM以下、HIV-2 RODに対するIC5050値は40nMであり53)53)、ジドブジンと併用することにより相乗的な抗ウイルス作用が認められた54)54)。また、ラミブジンは単独で、ジドブジン耐性臨床分離株の平均p24抗原量を薬物無処置群に比べ66〜80%低下させた。
(3)薬剤耐性55)〜60)55)〜60)
ラミブジンを含む抗HIV薬で治療を受けたHIV-1感染患者で発現するラミブジン耐性HIV-1には、ウイルス逆転写酵素の活性部位に近い184番目のアミノ酸のメチオニンからバリンへの変異(M184V)がみられる55)55)。このM184V変異の結果、ウイルスのラミブジンに対する感受性は著明に低下し55),56)55),56)、in vitroでのウイルスの複製能力は低下する57)57)。in vitroで、ジドブジン耐性ウイルスはジドブジン及びラミブジンの投与によりラミブジンに対して耐性を獲得すると、ジドブジンに対して感受性は回復する。また、抗HIV薬の治療経験のない患者にジドブジン及びラミブジンを併用することにより、ジドブジン耐性ウイルスの出現が遅延する58)58)。さらに、抗HIV薬(ラミブジンを含む)の多剤併用療法はM184V変異ウイルスを有する患者と同様、抗HIV薬の治療経験のない患者においても有効性が確認されている59),60)59),60)。
(4)交差耐性56),58),61)〜63)56),58),61)〜63)
ジドブジン及びサニルブジンは、ラミブジン耐性HIV-1に対し抗ウイルス活性を維持する56),58),61)56),58),61)。アバカビルはM184V変異のみが認められているウイルスに対しては、抗ウイルス活性を維持する62)62)。また、ジダノシン及びザルシタビンは、M184V変異ウイルスに対して感受性が低下するという報告があるが、これらの感受性の低下と臨床効果の関係は明らかにされていない63)63)。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
ドルテグラビルナトリウム(Dolutegravir Sodium)
2.化学名
Monosodium(4R,12aS)-9-{[(2,4-difluorophenyl)methyl]carbamoyl}-4-methyl-6,8-dioxo-3,4,6,8,12,12a-hexahydro-2H-pyrido[1',2':4,5]pyrazino[2,1-b][1,3]oxazin-7-olate
3.分子式
C2020H1818F22N33NaO55
4.分子量
441.36
5.構造式
6.性状
白色〜淡黄白色の粉末。水に溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
7.融点
1型結晶は約350℃で溶解と同時に分解する。
9.分配係数
2.16±0.01(23℃)
10.一般名
アバカビル硫酸塩(Abacavir Sulfate)
11.化学名
(-)-{(1S,4R)-4-[2-amino-6-(cyclopropylamino)purin-9-yl]cyclopenta-2-enyl}methanol hemisulfate
12.分子式
(C1414H1818N66O)22・H22SO44
13.分子量
670.74
14.構造式
15.性状
白色〜微黄白色の粉末である。トリフルオロ酢酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノール及びエタノール(95)に溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液及び希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
16.融点
約219℃(分解)
17.分配係数(log P)
1.20(pH7.1〜7.3、1-オクタノール/水)
18.一般名
ラミブジン(Lamivudine)
19.化学名
(-)-1-[(2R,5S)-2-hydroxymethyl-1,3-oxathiolan-5-yl]cytosine
20.分子式
C88H1111N33O33S
21.分子量
229.26
22.構造式
23.性状
白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
24.融点
約176℃
25.分配係数
-0.9(1-オクタノール/水系)

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
本剤を使用する場合は重篤な過敏症に留意し、過敏症の兆候又は症状が発現した場合には本剤の使用を中止する等の適切な処置をとるよう、医師に要請すること。
本剤の使用に当たっては、患者に対して本剤に関して更なる有効性・安全性のデータを引き続き収集中であること等を十分に説明し、インフォームドコンセントを得るよう、医師に要請すること。
海外において現在実施中又は計画中の臨床試験については、終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
日本人を対象とした薬物動態試験を実施し、その進捗状況を定期的に報告するとともに、終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
再審査期間が終了するまでの間、原則として国内の全投与症例を対象とした製造販売後調査を実施し、本剤の使用実態に関する情報(患者背景、有効性・安全性(他剤併用時の有効性・安全性を含む。)及び薬物相互作用のデータ等)を収集して定期的に報告するとともに、調査の結果を再審査申請時に提出すること。

包装

トリーメク配合錠:30錠(瓶)

主要文献及び文献請求先

社内資料:薬物相互作用に関する試験(ING111603)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(ING114005)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(ING113068)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(200901)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(ING113099)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(ING111602)
社内資料:薬物相互作用に関する試験(201102)
McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Chemother,44,1686-1690(2000)
社内資料:分布に関する試験(2012N137348)
ザイアジェン錠 米国添付文書
Moodley,J.et al.:J.Infect.Dis.178,1327-1333(1998)
社内資料:国内第I相試験(ING115381)
矢野 邦夫ほか:化学療法の領域,24,87-98(2008)
社内資料:海外第I相試験(ING114580)
社内資料:海外臨床試験(ING111521)
社内資料:海外臨床試験(ING111207)
社内資料:海外臨床試験(ING112276)
Kumar,P.N.,et al.:Antimicrob Chemother,43,603-608(1999)
McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Chemother,44,2061-2067(2000)
Chittick,G.E.,et al.:Pharmacotherapy,19,932-942(1999)
Pluda,J.M.,et al.:J Dis,171,1438-1447(1995)
van Leeuwen,R.,et al.:AIDS,6,1471-1475(1992)
社内資料:分布に関する試験(2011N119355)
社内資料:分布に関する試験(RD2008/00361)
社内資料:分布に関する試験(2011N112380)
McDowell,J.A.,et al.:Antimicrob Chemother,43,2855-2861(1999)
van Leeuwen,R.,et al.:J Dis,171,1166-1171(1995)
社内資料:代謝に関する試験(RD2008/01339/00)
社内資料:代謝に関する試験(RD2008/00373/00)
社内資料:排泄に関する試験(2010N104937)
社内資料:排泄に関する試験(2013N161621)
社内資料:代謝に関する試験(RD2000/02310/01)
エピビル錠 米国添付文書
Jung,N.,et al.:Drug Dispos,36,1616-1623(2008)
Muller,F.,et al.:Biochem Pharmacol,86,808-815(2013)
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Thompson.M.,et al.:Abstracts Conference.,Abstract 42278(1998)
Heald,A.E.,et al.:Antimicrob Chemother,40,1514-1519(1996)
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〒151-8566 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
ヴィーブヘルスケア株式会社
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
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東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15

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■過敏症を注意するカード
(表面)
(中面)
(裏面)

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6250106F1021 トリーメク配合錠 ドルテグラビルナトリウム・アバカビル硫酸塩・ラミブジン 1錠 7000.3

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