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薬剤師ネクスト経営塾

ジスロマック錠600mg

作成又は改訂年月

** 2015年9月改訂 (第16版)
* 2014年2月改訂

日本標準商品分類番号

87614

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2013年12月
再評価結果公表年月(最新)
2004年9月
国際誕生年月
1991年4月

薬効分類名

15員環マクロライド系抗生物質製剤

承認等

販売名

ジスロマック錠600mg

販売名コード

6149004F2024

承認・許可番号

承認番号
21300AMY00519
商標名
ZITHROMAC Tablets

薬価基準収載年月

2001年12月

販売開始年月

2002年1月

貯法・使用期限等

貯法
使用期限等室温保存
使用期限
使用期限等5年(最終年月をラベル・外箱等に記載)

規制区分

処方箋医薬品注)
説明事項注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1錠中:
組成日局 アジスロマイシン水和物 628.93mg
(アジスロマイシンとして600mg(力価))
添加物
組成部分アルファー化デンプン、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン

性状

外形(mm):上面
性状
外形(mm):下面
性状
外形(mm):側面
性状
識別コード
性状Pfizer 308
色調等
性状白色
フィルムコート錠

一般的名称

アジスロマイシン 水和物錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

用法及び用量

1.発症抑制:
成人にはアジスロマイシンとして、1200mg(力価)を週1回経口投与する。
2.治療:
成人にはアジスロマイシンとして、600mg(力価)を1日1回経口投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

治療に関する海外臨床試験においてエタンブトールとの併用効果が示されているため、治療の際にはエタンブトール(1日15mg/kg)と併用すること1)1)。
治療に際してはエタンブトールに加え、医師の判断によりMACに対する抗菌活性(in vitro)を有する他の抗菌薬を併用することが望ましい。
本剤を使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬について国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にし、投与すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
他のマクロライド系又はケトライド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
高度な肝機能障害のある患者[肝機能を悪化させるおそれがあるので、慎重に投与すること。]
心疾患のある患者[QT延長、心室性頻脈(Torsades pointesを含む)をおこすことがある。]

重要な基本的注意

アナフィラキシー・ショックがあらわれるおそれがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。
ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので注意すること。また、本剤は組織内半減期が長いことから、上記副作用の治療中止後に再発する可能性があるので注意すること。
本剤の使用にあたっては、事前に患者に対して、次の点を指導すること。
・中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が疑われる症状[発疹に加え、粘膜(口唇、眼、外陰部)のびらんあるいは水ぶくれ等の症状]があらわれた場合には、服用を中止し、ただちに医師に連絡すること。
・服用終了後においても上記症状があらわれることがあるので、症状があらわれた場合にはただちに医師に連絡すること。
意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
本剤は組織内半減期が長いことから、投与終了数日後においても副作用が発現する可能性があるので、観察を十分に行うなど注意すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
制酸剤(水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム)
臨床症状・措置方法
本剤の最高血中濃度低下の報告がある2)2)。
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
ワルファリン
臨床症状・措置方法
国際標準化プロトロンビン比上昇の報告がある3,4)3,4)。
機序・危険因子
マクロライド系薬剤はワルファリンの肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、ワルファリンの作用が増強することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない。
薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの最高血中濃度の上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある5)5)。
機序・危険因子
マクロライド系薬剤はシクロスポリンの主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、シクロスポリンの血中濃度が上昇することがあるが、本剤での機序の詳細は明らかではない。
薬剤名等
メシル酸ネルフィナビル
臨床症状・措置方法
本剤の1200mg投与で、本剤の濃度・時間曲線下面積(AUC)及び平均最高血中濃度の上昇の報告がある6)6)。
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
本剤との併用により、ジゴキシン中毒の発現リスク上昇の報告がある7)7)。
機序・危険因子
P-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送が阻害されることにより、ジゴキシンの血中濃度が上昇することを示唆した報告があるが、本剤での機序の詳細は明らかではない。
薬剤名等
(2) 他のマクロライド系薬剤において、下記薬剤による相互作用が報告されている。
なお、本剤のチトクロームP450による代謝は確認されていない。
臨床症状・措置方法
1)テオフィリン、ミダゾラム、トリアゾラム、カルバマゼピン、フェニトイン[これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。]
2)エルゴタミン含有製剤[四肢の虚血をおこすことがある。]
3)リファンピシン[他のマクロライドの血中濃度を低下させる。]

副作用

副作用等発現状況の概要
1.HIV感染者における播種性MAC症
(1)【発症抑制】
発症抑制の外国臨床試験において、成人では、546例中440例(80.59%)に副作用が認められ、主な副作用は、下痢(50.92%)、腹痛(31.14%)、悪心(28.39%)等であった。
主な臨床検査値異常は、AST(GOT)増加(5.15%)、ALT(GPT)増加(4.59%)、ヘモグロビン減少(4.33%)等であった。(承認時)
(2)【治療】
治療の外国臨床試験において、成人では、84例中42例(50%)に副作用が認められ、主な副作用は、腹痛(14%)、悪心(14%)、嘔吐(13%)等であった。
主な臨床検査値異常は、好中球数減少(19%)及びALP増加(9%)等であった。(承認時)
国内で実施された製造販売後の使用成績調査における安全性評価対象例446例中、副作用の発現は83例(18.61%)であった。主な副作用は、肝機能検査異常(2.91%)、下痢(2.47%)、悪心(1.12%)、発疹(1.12%)、γ-GTP増加(1.12%)等であった。(再審査終了時)
重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー(頻度不明)注)注)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)をおこすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)注)注)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。これらの副作用は本剤の投与中または投与終了後1週間以内に発現しているので、投与終了後も注意すること。
3.**薬剤性過敏症症候群8)(頻度不明)注)薬剤性過敏症症候群8)(頻度不明)注)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
4.肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全(いずれも頻度不明)注)注)
肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.急性腎不全(0.09%)
急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、乏尿等の症状や血中クレアチニン値上昇等の腎機能低下所見が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.偽膜性大腸炎、出血性大腸炎(いずれも頻度不明)注)注)
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢、血便等があらわれた場合にはただちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)注)注)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8.QT延長、心室性頻脈(Torsades pointesを含む)(いずれも頻度不明)注)注)
QT延長、心室性頻脈(Torsades pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、QT延長等の心疾患のある患者には特に注意すること。
9.白血球減少、顆粒球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)注)注)
白血球減少、顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10.横紋筋融解症(頻度不明)注)注)
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
注):自発報告のため頻度不明。
その他の副作用
1.以下のような症状があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
1.皮膚(5〜10%未満)1,9)1,9)
発疹
2.皮膚(5%未満)1,9)1,9)
そう痒症、皮膚変色、脱毛
3.皮膚(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
蕁麻疹、アトピー性皮膚炎増悪、光線過敏性反応、水疱、皮膚剥離、多形紅斑、寝汗、多汗症、皮膚乾燥、紅斑
4.血液(5%未満)1,9)1,9)
ヘモグロビン減少、顆粒球数減少、血小板数減少、白血球数減少、貧血
5.血液(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
好酸球数増加、血小板数増加、好塩基球数増加、リンパ球数減少、白血球数増加、プロトロンビン時間延長
6.血管障害(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
潮紅、血栓性静脈炎
7.循環器(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
血圧低下、動悸
8.肝臓(5%未満)1,9)1,9)
ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、肝機能検査異常、ALP増加、γ-GTP増加、血中ビリルビン増加、LDH増加
9.腎臓(5%未満)1,9)1,9)
頻尿、クレアチニン増加
10.腎臓(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
BUN増加、尿中蛋白陽性、腎臓痛、排尿困難、尿潜血陽性
11.消化器(10%以上)1,9)1,9)
下痢、腹痛、悪心
12.消化器(5〜10%未満)1,9)1,9)
嘔吐
13.消化器(5%未満)1,9)1,9)
鼓腸放屁、消化不良、食欲不振、消化管障害、腹部不快感、胃炎、舌変色
14.消化器(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
腹部膨満、便秘、腹鳴、口内炎、口唇のあれ、黒毛舌、舌炎、舌苔、口・舌のしびれ感、おくび、口内乾燥、唾液増加、膵炎、アフタ性口内炎、口腔内不快感、口唇炎
15.精神・神経系(5%未満)1,9)1,9)
頭痛、めまい、味覚異常、不眠症
16.精神・神経系(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
傾眠、感覚鈍麻、失神、痙攣、振戦、激越、嗅覚異常、無嗅覚、神経過敏、不安、錯感覚、攻撃性、灼熱感
17.感染症(5%未満)1,9)1,9)
カンジダ症
18.感染症(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
膣炎、真菌感染、胃腸炎、咽頭炎、皮膚感染、肺炎、β溶血性レンサ球菌感染
19.(5%未満)1,9)1,9)
ぶどう膜炎、視力障害、眼痛、結膜炎
20.(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
眼瞼浮腫、霧視
21.筋骨格系(5%未満)1,9)1,9)
関節痛
22.筋骨格系(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
筋肉痛、頚部痛、背部痛、四肢痛、関節腫脹
23.呼吸器(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
咳嗽、呼吸困難、鼻出血、アレルギー性鼻炎、くしゃみ、ラ音、気管障害、低音性連続性ラ音、鼻部障害、鼻閉、鼻漏、羊鳴性気管支音、痰貯留、嗄声
24.(5%未満)1,9)1,9)
耳鳴、難聴、聴力低下、耳の障害
25.(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
耳痛
26.生殖器(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
精巣痛、不正子宮出血、卵巣嚢腫
27.代謝(5%未満)1,9)1,9)
低カリウム血症、脱水
28.代謝(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
血中カリウム増加、血中カリウム減少、血中重炭酸塩減少
29.その他(5%未満)1,9)1,9)
発熱、疲労、倦怠感、口渇、無力症、疼痛
30.その他(頻度不明注1)注1))1,9)1,9)
胸痛、浮腫、気分不良、浮遊感、低体温、不整脈、咽喉頭異物感、局所腫脹、粘膜異常感覚
アジスロマイシンとリファブチンの併用群で発生した副作用も含む。
注1:本剤による臨床試験と製造販売後の使用成績調査では発現していないため頻度不明。

高齢者への投与

アジスロマイシン錠の一般感染症の臨床試験成績から、高齢者において認められた副作用の種類及び副作用発現率は、非高齢者と同様であったが、一般に高齢者では、生理機能が低下しており、血中・組織内濃度が高くなることがあるので、患者の一般状態に注意して投与すること。なお、高度な肝機能障害を有する場合は、慎重に投与すること(「慎重投与」2.の項参照)。
投与後に異常が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、アジスロマイシンの組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.妊婦
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.授乳婦
ヒト母乳中に移行することが報告されている10)10)ので、授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には、授乳を中止させること。

小児等への投与

播種性MAC症の発症抑制及び治療については、小児等に対する有効性及び安全性は確立していない。

その他の注意

ラットの受胎能及び一般生殖能試験(雄2ヵ月以上、雌2週間以上投与)で、20mg/kg投与の雄雌に受胎率の低下が認められた11)11)。
動物(ラット、イヌ)に20〜100mg/kgを1〜6ヵ月間反復投与した場合に様々な組織(眼球網膜、肝臓、肺臓、胆嚢、腎臓、脾臓、脈絡叢、末梢神経等)にリン脂質空胞形成がみられたが、投薬中止後消失することが確認されている12〜17)12〜17)。なお、リン脂質空胞はアジスロマイシン−リン脂質複合体を形成することによる組織像と解釈され、その毒性学的意義は低い。
本剤との因果関係は不明だが、心悸亢進、間質性腎炎、肝壊死、運動亢進があらわれたとの報告がある。

薬物動態

1.組織内濃度
(1)外国人データ
手術予定患者にアジスロマイシン500mg(力価)を経口投与した際の投与後12時間〜8日目の各種組織内濃度の検討では、いずれの組織においても、血清中濃度が消失後も数日にわたって高い組織内濃度が維持された18)18)。
なお、アジスロマイシンのヒトにおける全身クリアランス及び分布容積はそれぞれ10mL/min/kg及び33.3L/kgと報告されており19)19)、分布容積が大きく、組織へ移行しやすいことが示されている。
2.末梢血白血球中濃度20)20)
(1)外国人データ
本剤1200mg(力価)を単回経口投与した時の末梢血白血球中濃度(最高濃度の平均値)は140μg/mLであり、32μg/mLを上回る濃度が約60時間持続した。男性6名及び女性6名における平均消失半減期はそれぞれ34時間及び57時間であった。最高血漿中濃度(Cmax)に対する最高白血球中濃度の比(白血球Cmax/血漿Cmax)は、男性258(±77%)、女性175(±60%)であり、AUC比(白血球AUC/血漿AUC)は、それぞれ804(±31%)及び541(±28%)であった。
HIV陽性被験者に本剤600mg(力価)を1日1回反復経口投与した時の末梢血白血球中濃度(最高濃度の平均値)は252μg/mL(±49%)であり、定常状態における末梢血白血球中濃度のトラフ値は146μg/mL(±33%)であった。白血球Cmax/血清Cmaxは456(±38%)であり、白血球AUC/血清AUCは816(±31%)であった。
3.血中濃度21)21)
(1)外国人データ
(1)単回投与
HIV陽性被験者12名に本剤1200mg(力価)を単回経口投与した時のCmaxは0.66μg/mL、AUC0-last0-lastは6.8μg・hr/mLであった。
(2)食事の影響
本剤1200mg(力価)を食後経口投与した時、Cmaxは31%増加したが、吸収の程度(AUC)は変化せず、本剤の吸収に及ぼす食事の影響はないものと考えられる。
(3)反復投与
HIV陽性被験者7名に本剤600mg(力価)を1日1回22日間反復経口投与した時のCmaxは投与初日で0.33μg/mL、投与22日目で0.55μg/mLであり、C2424は投与初日で0.039μg/mL、投与22日目で0.14μg/mLであった。AUC0-240-24は投与初日で2.4μg・hr/mL、投与22日目で5.8μg・hr/mLであった。本剤の血清中濃度は投与15日目までに定常状態に達した。
4.血清蛋白結合率
アジスロマイシンのヒト血清蛋白との結合率は12.2〜20.3%(in vivo、超遠心法)であった22)22)。
5.代謝・排泄
健常成人男子6名にアジスロマイシン500mg(力価)を単回経口投与した時、投与後168時間までの尿中に未変化体として投与量の9%が排泄された23)23)。
健常成人男子の尿及び患者の胆汁中代謝物について検討した結果、いずれもほとんどは未変化体で、代謝物として脱メチル体、脱クラジノース体が確認された22)22)。アジスロマイシンは胆汁、消化管分泌を介して、未変化体としてほとんど糞中に排泄される。
(1)<参考>
ラットに1414C-標識アジスロマイシン20mg/kgを単回経口投与した時、投与後168時間までに投与量の80.3%が糞中に、13.3%が尿中に排泄され、また投与後72時間までに投与量の3.1%が呼気中に排泄された10)10)。
6.肝機能障害患者24)24)
(1)外国人データ
軽度及び中等度の肝機能障害患者(成人)16例にアジスロマイシン500mg(力価)を単回経口投与した時、健常成人男子に比べて、Cmaxが増加し、t1/21/2が延長する傾向が認められたが、有意差は認められなかった。また尿中排泄率においても有意差は認められなかった。
7.腎機能障害患者25,26)25,26)
腎機能障害患者(成人)17例にアジスロマイシン500mg(力価)を単回経口投与した時、アジスロマイシンの体内動態は健常成人と有意差は認められなかった。

臨床成績

1.臨床効果
(1)外国人データ
(1)進行したHIV感染者における播種性MAC症発症抑制の臨床試験9)9)
CD4 100/mm33未満の患者を対象とした、2つの無作為二重盲検比較試験が行われた。試験1はアジスロマイシン(週1回1200mg)とプラセボを比較するもので、CD4平均値35/mm33の患者182例を登録した。試験2は723例の患者を無作為に、アジスロマイシン(週1回1200mg)単独投与、リファブチン(1日300mg)単独投与及び両薬の併用投与の3群に分けた。CD4の平均値は51/mm33であった。これらの試験の主要評価項目は、播種性MAC症の発症とした。その他の評価項目は、臨床症状がみられたMAC症の発現率、及び薬剤に関連した副作用による投与中止とした。
(2)MAC菌血症の発症抑制
試験1では、無作為に割り付けられたアジスロマイシン投与群患者85例、プラセボ投与群患者89例が試験の選択基準に適合した。6、12、18ヵ月目に集積可能であった転帰の累積発現率を以下の表に示す(表1参照)。
プラセボ投与群とアジスロマイシン投与群における播種性MAC症の1年間累積発現率の差(プラセボ−アジスロマイシン)は10.9%であり、統計的に有意(p=0.037)で、95%信頼区間は(0.8%、20.9%)であった。この差の解釈においては、有害事象発現患者数がほぼ同程度であり、また追跡できなかった患者数がアジスロマイシン投与群で少なかったことを考慮する必要がある。
試験2では、無作為に割り付けられたリファブチン投与群患者223例、アジスロマイシン投与群患者223例及びリファブチンとアジスロマイシンの併用投与群に割り付けられた患者218例が選択基準に適合した。6、12、18ヵ月目に集積可能であった転帰の累積発現率を以下の表に示す(表2参照)。
1年間の累積発現率を比較すると、アジスロマイシンの単独療法はリファブチンと少なくとも同程度に有効である。リファブチン投与群とアジスロマイシン投与群における1年間の累積発現率の差(リファブチン−アジスロマイシン)は7.6%であり、統計的に有意(p=0.022)で、多重性により調整した95%信頼区間は(0.9%、14.3%)であった。
また、アジスロマイシン/リファブチン併用療法は、リファブチン単独よりも有効であった。リファブチン単独療法とアジスロマイシン/リファブチン併用療法における1年間の累積発現率の差(リファブチン−アジスロマイシン/リファブチン)は12.5%であり、統計的に有意(p<0.001)で、多重性により調整した95%信頼区間は(6.6%、18.4%)であった。この差の解釈においては、有害事象発現患者数が3群ともにほぼ同程度であり、また追跡できなかった患者数がリファブチン単独投与群で少なかったことを考慮する必要がある。
試験2では、無作為に割り付けられたアジスロマイシン、リファブチン又は両薬併用の被験者から得たすべてのMAC分離株で、感受性試験27)27)が実施された。全分離株の感受性試験から得たアジスロマイシンのMIC値の分布は、被験者群間で同様であった。
(4)播種性MAC症の臨床症状
無作為に割り付けられたアジスロマイシン単独投与群又はリファブチンとアジスロマイシンの併用投与群の患者において、菌血症の発現率の低下に伴い、発熱又は寝汗、体重減少及び貧血などの播種性MAC症の徴候と症状の発現頻度が減少した。
(5)薬剤に関連した有害事象による投与中止
試験1においては、薬剤に関連した有害事象による投与中止は、アジスロマイシン投与患者では8.2%、プラセボ投与患者では2.3%であった(p=0.121)。また、試験2では、アジスロマイシンとリファブチンの併用投与群(22.7%)の方が、アジスロマイシン単独投与群(13.5%、p=0.026)又はリファブチン単独投与群(15.9%、p=0.209)よりも投与中止例は多かった。
(2)進行したHIV感染者における播種性MAC症治療の臨床試験1)1)
播種性MAC症患者に対し二重盲検比較試験が行われた。この治験では播種性MAC症に罹患した246名のHIV感染者に対しアジスロマイシン250mg 1日1回(n=65)、又はアジスロマイシン600mg 1日1回(n=91)又は、クラリスロマイシン500mg 1日2回(n=90)のいずれかを投与し、それぞれにエタンブトール15mg/kg 1日1回を併用し、24週間投与した。12週時までは、3週ごとに培養と臨床所見の観察を行い、その後24週までは1ヵ月毎に実施した。24週目以後は治験責任医師の判断で一般療法に切り替え、最終追跡調査まで3ヵ月毎に追跡調査した。患者追跡調査は観察期間訪問から3.7年間(中央値:9ヵ月)行った。治療中あるいは治療後に検出されたMAC分離株は可能な限り入手した。
主要エンドポイントは24週目の菌消失とした。血液培養で2回連続したMAC陰性(培養未実施は除く)を菌消失の定義とした。解析はMACに対する投与前の培養が陽性であった全ての患者を対象とした。
12週目の中間解析において、アジスロマイシン250mg群はクラリスロマイシン500mg 1日2回投与群と比較し、明らかに菌血症に対する効果が低かったため、中止することとした。
アジスロマイシン600mg 1日1回及びクラリスロマイシン500mg 1日2回投与時の結果を下表に示す(表3参照)。
24週目の主要エンドポイントである血液培養による菌消失率(2回連続した培養陰性)は、アジスロマイシン600mg 1日1回投与群がクラリスロマイシン500mg 1日2回投与群より低い値を示した。
(2)投与前のコロニー数別菌消失率
両投与群において、24週目の菌消失率は、投与前のMACコロニー数の増加にともない減少した(表4参照)。
(3)MAC分離株の感受性
投与前、治療時あるいは治療後の追跡調査時に分離されたMAC分離株に対する感受性試験を行った。T100 broth法によりアジスロマイシン及びクラリスロマイシンのMIC値を測定した。アジスロマイシンのMIC値は<4から>256μg/mL、クラリスロマイシンは<1から>32μg/mLであり、それぞれのMAC感受性は、アジスロマイシンのMIC値がクラリスロマイシンよりも4倍から32倍高い結果を示した。
治療中及び治療後の追跡調査期間の3.7年間(中央値:9ヵ月)において、アジスロマイシン600mg 1日1回及びクラリスロマイシン500mg 1日2回に組み入れられた患者のうち、それぞれ9%(6/68)及び11%(6/57)の患者にMIC値の急増したMAC分離株がみられた。12株全てのMAC分離株は、アジスロマイシンのMICが≧256μg/mL、クラリスロマイシンのMIC>32μg/mLであった。これらの高いMIC値は薬剤の耐性化が示唆された。しかしながら、現時点では、いずれのマクロライド系抗菌薬においても、MAC感受性株と耐性株を分離する明確なブレークポイントは確立されていない。

臨床成績の表

累積発現率、%:プラセボ(n=89)    
 MAC無発症で生存MAC発症有害事象追跡調査不能
6ヵ月69.713.56.710.1
12ヵ月47.219.115.718.0
18ヵ月37.122.518.022.5
累積発現率、%:アジスロマイシン(n=85)    
 MAC無発症で生存MAC発症有害事象追跡調査不能
6ヵ月84.73.59.42.4
12ヵ月63.58.216.511.8
18ヵ月44.711.825.917.6
累積発現率、%:リファブチン(n=223)    
 MAC無発症で生存MAC発症有害事象追跡調査不能
6ヵ月83.47.28.11.3
12ヵ月60.115.216.18.5
18ヵ月40.821.524.213.5
累積発現率、%:アジスロマイシン(n=223)    
 MAC無発症で生存MAC発症有害事象追跡調査不能
6ヵ月85.23.65.85.4
12ヵ月65.57.616.110.8
18ヵ月45.312.123.818.8
累積発現率、%:アジスロマイシン/リファブチン(n=218)    
 MAC無発症で生存MAC発症有害事象追跡調査不能
6ヵ月89.41.85.53.2
12ヵ月71.62.815.110.6
18ヵ月49.16.429.415.1
 アジスロマイシンクラリスロマイシン
投与前培養陽性の症例数6857 
24週目   
菌消失率46%(31/68)56%(32/57)[−28、7]
死亡率24%(16/68)26%(15/57)[−18、13]
※(アジスロマイシン−クラリスロマイシン)の差に対する[中間解析実施のため調整した95.1%信頼区間]
 アジスロマイシン(n=68)クラリスロマイシン(n=57)
投与前のMACコロニー数24週目の菌消失率(%)24週目の菌消失率(%)
≦10cfu/mL66.7%(10/15)70.6%(12/17)
11−100cfu/mL46.4%(13/28)68.4%(13/19)
101−1,000cfu/mL36.8%(7/19)38.5%(5/13)
1,001−10,000cfu/mL20.0%(1/5)20.0%(1/5)
>10,000cfu/mL0.0%(0/1)33.3%(1/3)

薬効薬理

1.抗菌作用28)28)
アジスロマイシンは、Mycobacterium avium及びMycobacterium intracellulareから構成されるMACに対してin vitroで抗菌活性を示し、ベージュマウス及びラットのMAC感染モデルにおいて、予防及び治療効果を発揮した。
アジスロマイシンは、マウス及びヒトのマクロファージ培養細胞及びベージュマウス感染モデルにおいて、貪食されたMACに対して抗菌活性を示した。
2.作用機序
細菌の70Sリボソームの50Sサブユニットと結合し、蛋白合成を阻害する29)29)。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
アジスロマイシン水和物(Azithromycin Hydrate)
2.化学名
(2R,3S,4S,5R,6R,8R,11R,12R,13S,14R)-5-(3,4,6-Trideoxy-3-dimethylamino-β-D-xylo-hexopyranosyloxy)-3-(2,6-dideoxy-3-C-methyl-3-O-methyl-α-L-ribo-hexopyranosyloxy)-10-aza-6,12,13-trihydroxy-2,4,6,8,10,11,13-heptamethylhexadecan-14-olide dihydrate
3.略号
AZM
4.分子式
C3838H7272N22O1212・2H22O
5.分子量
785.02
6.構造式
7.力価
アジスロマイシン水和物の力価は、アジスロマイシン(C3838H7272N22O1212:748.98)としての量を質量(力価)で示す。
8.性状
アジスロマイシン水和物は、白色の結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水にほとんど溶けない。

包装

600mg錠:30錠(瓶)

主要文献及び文献請求先

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Woldtvedt,B.R.et al.:Ann 32(2):269,1998 [L19980924044]
Lane,G.:Ann 30(7/8):884,1996 [L19980925042]
社内資料:シクロスポリンの薬物動態に対するAZMの影響 [L20000216021]
Amsden,G.W.et al.:J 40(12-2):1522,2000 [L20001215065]
Gomes, T. al.:Clin 86(4):383, [L20090928014]
**厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
社内資料:進行したHIV感染者における播種性MAC症発症抑制の臨床試験 [L20020109021]
Kelsey, J. al.:Am 170(5-1):1375, [L19990226027]
社内資料:Azithromycinのラット受胎能及び一般生殖能試験 [L20000216038]
社内資料:Azithromycinのラット経口1カ月毒性試験 [L20000216030]
社内資料:Azithromycinのイヌ経口1カ月毒性試験 [L20000216031]
社内資料:Azithromycinのラットにおける経口6カ月毒性試験 [L20000216034]
社内資料:Azithromycinのイヌ経口6カ月毒性試験(その1) [L20000216035]
社内資料:イヌ経口6カ月毒性試験及び回復性試験(その2) [L20000216036]
社内資料:Azithromycinのイヌ経口6カ月毒性試験(間欠投与)及び回復性試験(その3) [L20000216037]
Foulds,G.et al.:J 25(Suppl.A):73,1990 [L19981006040]
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社内資料:HIV陽性被験者にアジスロマイン1200mgを単回投与および600mgを反復投与した場合の血清における薬物動態の検討 [L20020107014]
社内資料:Azithromycinのヒトにおける尿および胆汁中代謝物の検討 [L20000216018]
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文献請求先

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薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
6149004F2024 ジスロマック錠600mg アジスロマイシン水和物 600mg1錠 847.9

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