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薬剤師ネクスト経営塾

アバスチン点滴静注用100mg/4mL

作成又は改訂年月

**2015年12月改訂(第16版)
*2013年11月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

効能又は効果追加承認年月(最新)
*2013年11月
国際誕生年月
2004年2月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤
抗VEGFヒト化モノクローナル抗体注1)VEGF: ascular ndothelial rowth actor(血管内皮増殖因子)

承認等

販売名

アバスチン点滴静注用100mg/4mL

販売名コード

4291413A1022

承認・許可番号

承認番号
21900AMX00910
商標名
AVASTIN

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

2007年6月

貯法・使用期限等

貯  法
使用期限等遮光、2〜8℃保存
**使用期限
使用期限等包装に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

生物由来製品
劇薬
**処方注2)
説明事項注意−医師等の処方により使用すること

組成

成分・含有量(1バイアル中):有効成分
組成4mL中:ベバシズマブ(遺伝子組換え)注3) 100mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
組成4mL中:トレハロース240mg、リン酸二水素ナトリウム一水和物23.2mg、無水リン酸一水素ナトリウム4.8mg、ポリソルベート20 1.6mg
組成注3)本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。製造工程の培地成分としてブタの胃組織由来成分(ペプトン)を使用している。

性状

剤形
性状注射剤(バイアル)
*性状
性状澄明〜乳白光を呈する、無色〜微褐色の液
pH
性状5.9〜6.3
浸透圧比
性状約1(日局生理食塩液に対する比)

販売名

アバスチン点滴静注用400mg/16mL

販売名コード

4291413A2029

承認・許可番号

承認番号
21900AMX00921
商標名
AVASTIN

薬価基準収載年月

2007年6月

販売開始年月

2007年6月

貯法・使用期限等

貯  法
使用期限等遮光、2〜8℃保存
**使用期限
使用期限等包装に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

生物由来製品
劇薬
**処方注2)
説明事項注意−医師等の処方により使用すること

組成

成分・含有量(1バイアル中):有効成分
組成16mL中:ベバシズマブ(遺伝子組換え)注3) 400mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
組成16mL中:トレハロース960mg、リン酸二水素ナトリウム一水和物92.8mg、無水リン酸一水素ナトリウム19.2mg、ポリソルベート20 6.4mg
組成注3)本剤は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。製造工程の培地成分としてブタの胃組織由来成分(ペプトン)を使用している。

性状

剤形
性状注射剤(バイアル)
*性状
性状澄明〜乳白光を呈する、無色〜微褐色の液
pH
性状5.9〜6.3
浸透圧比
性状約1(日局生理食塩液に対する比)

一般的名称

ベバシズマブ(遺伝子組換え)注

警告

本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、本剤及び各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。本剤の投与中に、消化管穿孔と診断された場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと(「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照)。
創傷治癒遅延による合併症(創し開、術後出血等)があらわれることがある。
手術後の患者に本剤を投与する場合は、術創の状態を確認し、投与の可否を検討すること。大きな手術の術創が治癒していない場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合を除き、本剤を投与しないこと(「慎重投与」の項参照)。
本剤の投与中に創傷治癒遅延による合併症があらわれた場合は、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。
本剤の投与終了後に手術を行う場合は、本剤の投与終了からその後の手術まで十分な期間をおくこと(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。
本剤の投与により腫瘍関連出血のリスクが高まる可能性がある。脳腫瘍(脳転移を含む)を有する患者に本剤を投与した場合、脳出血があらわれるおそれがある。本剤の投与中に重度の出血があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと(「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。
本剤の投与により、肺出血(喀血)があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、肺出血(喀血)があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行い、以降、本剤を再投与しないこと(【禁忌】、「重大な副作用」の項参照)。
脳血管発作、一過性脳虚血発作、心筋梗塞、狭心症、脳虚血、脳梗塞等の動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと(「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照)。
高血圧性脳症又は高血圧性クリーゼがあらわれ、死亡に至る例が報告されている。これらの事象があらわれた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。このような患者には、以降、本剤を再投与しないこと。また、本剤の投与期間中は血圧を定期的に測定すること(「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。
可逆性後白質脳症症候群があらわれることがある。可逆性後白質脳症症候群が疑われた場合は、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
喀血(2.5mL以上の鮮血の喀出)の既往のある患者[肺出血(喀血)があらわれ、死亡に至るおそれがある(【警告】、「重大な副作用」の項参照)。]

効能又は効果

1.治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合
術後補助化学療法において、本剤の有効性及び安全性は確認されていない。
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
2.手術不能又は再発乳癌の場合
術後補助化学療法において、本剤の有効性及び安全性は確認されていない。
延命効果は示されていない(【臨床成績】の項参照)。
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、HER2及びホルモン受容体の発現状況等を踏まえて本剤投与の必要性を検討し、適応患者の選択を行うこと。
3.悪性神経膠腫の場合
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、治療歴、病理組織型等を踏まえて適応患者の選択を行うこと。
4.*卵巣癌の場合
FIGO III以上の卵巣癌患者に投与すること。
【臨床成績】の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

用法及び用量

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回5mg/kg(体重)又は10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回7.5mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
*卵巣癌
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回15mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は3週間以上とする。
手術不能又は再発乳癌
パクリタキセルとの併用において、通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を点滴静脈内注射する。投与間隔は2週間以上とする。
悪性神経膠腫
通常、成人にはベバシズマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回15mg/kg(体重)を3週間間隔で点滴静脈内注射する。なお、患者の状態により投与間隔は適宜延長すること。

用法及び用量に関連する使用上の注意

*治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の場合、本剤は、フッ化ピリミジン系薬剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により投与すること(【臨床成績】の項参照)。
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌の場合、本剤は白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により、手術不能又は再発乳癌の場合、本剤はパクリタキセルとの併用により、初発悪性神経膠腫の場合、本剤は放射線照射及びテモゾロミドとの併用により、卵巣癌の場合、本剤はカルボプラチン及びパクリタキセルとの併用により開始すること(【臨床成績】の項参照)。
本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤は、【臨床成績】の項の内容を熟知した上で、選択すること。
併用する他の抗悪性腫瘍剤の添付文書を熟読すること。
再発悪性神経膠腫以外における本剤単独投与での有効性及び安全性は確立していない。
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の場合、本剤の用法・用量は、【臨床成績】の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤及び患者のがん化学療法歴に応じて選択すること。
悪性神経膠腫の場合、本剤の用法・用量は、【臨床成績】の項の内容を熟知した上で、患者の治療歴に応じて選択すること。
*卵巣癌の場合、他の抗悪性腫瘍剤との併用投与終了後も本剤単独投与を継続すること(本剤を継続投与しない場合の有効性は確認されていない。【臨床成績】の項参照)。
注射液の調製法及び点滴時間
本剤の投与時には必要量を注射筒で抜き取り、日局生理食塩液に添加して約100mLとする。初回投与時は90分かけて点滴静注する(「適用上の注意」の項参照)。
初回投与の忍容性が良好であれば、2回目の投与は60分間で行っても良い。2回目の投与においても忍容性が良好であれば、それ以降の投与は30分間投与とすることができる。

(次の患者には慎重に投与すること)

薬物動態

1.〈日本人における成績〉
(1)血中濃度
(1)単回投与4)4)
結腸・直腸癌患者18例にベバシズマブ3、5又は10mg/kgを90分間点滴静注したときの血清中濃度は以下のとおりであった。ベバシズマブの血清中からの消失は緩やかで、AUCは投与量に比例して増加した。



表1

※本剤の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する承認用量は1回5mg/kg、7.5mg/kg及び10mg/kgである(【用法・用量】の項参照)。
(2)反復投与5、6)5、6)
転移・再発乳癌患者にパクリタキセルとの併用によりベバシズマブ10mg/kgの点滴静注を2週間隔で繰り返したときの血清中ベバシズマブ濃度推移は以下のとおりであった。初回投与70日後(投与6回目)の最低及び最高血清中濃度は各々149.0±37.4(47例)及び397.8±77.9(43例)μg/mLであり、投与6回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。



非小細胞肺癌患者53例にカルボプラチン・パクリタキセル療法との併用によりベバシズマブ15mg/kgの点滴静注を3週間隔で繰り返したときの血清中ベバシズマブ濃度推移は以下のとおりであった。初回投与63日後(投与4回目)の最低及び最高血清中濃度は各々115.9±45.6(20例)及び450.3±97.3(19例)μg/mLであり、投与4回目以降の濃度はほぼ一定の値を示した。

2.〈外国人における成績(参考)〉
(1)血中濃度
491例の患者に1〜20mg/kgの用量のベバシズマブを1週間隔、2週間隔、若しくは3週間隔で点滴静注したときの血清中濃度を用い、母集団薬物動態解析を実施した。2‐コンパートメントモデルで解析したときの男性のクリアランスは0.262L/day、女性は0.207L/dayであった。また、中心コンパートメントの分布容積については、男性は3.25L、女性は2.66Lであった。
3.(参考 動物実験の結果)
(1)分布7)7)
ウサギに125I125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、いずれの組織においても特異的な取り込みは認められず、本剤の分布はほぼ血漿に限られていた。
(2)排泄8)8)
ウサギに125I125I標識ベバシズマブを単回静脈内投与したところ、投与48時間後の尿中に未変化体は検出されなかった。

薬物動態の表

投与量
AUC
Vd(mL/kg)CL
t1/2(day)
3 852.3±237.462.50±11.103.80±1.2012.33±4.52
51387.2±426.973.47±18.343.94±1.3413.40±2.82
102810.9±344.860.26±8.933.61±0.4811.68±1.74
N=6、mean±SD

*臨床成績

1.治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌9、10)9、10)
(1)[国内臨床試験の成績]
(1)○第I/II相試験(JO19380試験)11)11)
未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者を対象に、カペシタビン・オキサリプラチン療法(XELOX療法)と本剤1回7.5mg/kg併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)による第I/II相試験を実施した。奏効率は71.9%(PR41/57例)であった。無増悪生存期間の中央値は336.0日(95%信頼区間:293−380日)であった。
(2)○安全性確認試験(JO18158試験)12)12)
進行・再発結腸・直腸癌を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)と本剤の併用投与による安全性確認試験を、未治療例注7)注7)には本剤5mg/kg、既治療例注8)注8)には10mg/kgの用量(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)により実施した。奏効率は未治療例79.4%(PR27/34例)で、既治療例で47.8%(PR11/23例)で、全例でSD以上であった(主治医評価)。
注7)未治療例:初発進行病巣又は再発巣(術後補助療法終了後6カ月以上経過して確認されたもの)に対する化学療法を受けていない患者
注8)既治療例:先行化学療法において病勢進行・再発の認められた患者
(5)○第I相試験(JO18157試験)13)13)
既治療又は未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者18例を対象としたフルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(5‐FU/l‐LV療法)と本剤の併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了直後に本剤を投与)による第I相試験を実施した。奏効率は16.7%(PR3/18例)で、5mg/kgでは6例全例がSD、10mg/kgでは6例中2例がPR、4例がSDであった。
(2)[海外臨床試験の成績]
(1)○未治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(NO16966試験)14)14)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者において、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFOX4療法)又はXELOX療法に本剤又はプラセボを投与する2×2要因の二重盲検比較試験を実施した。本剤の用量は、FOLFOX4療法との併用では5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)、XELOX療法との併用では7.5mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)とした。その結果、主要解析において、本剤併用群ではこれらのFOLFOX4療法又はXELOX療法の化学療法のみを受けた場合に比べ、有意な無増悪生存期間の延長が認められた。副次的解析のFOLFOX4療法+本剤群とFOLFOX4療法+プラセボ群の比較では有意な差は認められなかったが、XELOX療法+本剤群とXELOX療法+プラセボ群の比較では有意な無増悪生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目である生存期間については、化学療法に本剤を併用することにより延長傾向が認められた。

表2
(2)○既治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(E3200試験)15)15)
イリノテカン塩酸塩水和物及びフルオロウラシルの治療が無効となった進行又は転移性の結腸・直腸癌患者を対象に、FOLFOX4療法群を対照とし、FOLFOX4療法に本剤10mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤に先立ち本剤を投与)を併用したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群においては、FOLFOX4療法群に比べ有意な生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目についても、無増悪生存期間の延長と高い奏効率が認められた。

表3
(3)○未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(AVF2107g試験)16)16)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、イリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(IFL療法)を対照群とし、IFL療法に本剤5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)又はプラセボを併用投与した。その結果、本剤併用群ではIFL療法単独に比べ有意な生存期間及び無増悪生存期間の延長が認められた。

表4
(4)○未治療例を対象とした第II相二重盲検無作為化比較試験(AVF2192g試験)17)17)
イリノテカン塩酸塩水和物の治療に不適と考えられる未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(5‐FU/LV療法)を対照群とし、5‐FU/LV療法に本剤5mg/kgを併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、5‐FU/LV療法単独に比べ有意な無増悪生存期間の延長が認められた。

表5

未治療の転移性結腸・直腸癌を対象とした5‐FU/LV療法に本剤を併用した、上記試験を含む3試験の併合解析が行われ、本剤併用群において、対照群に比し生存期間、無増悪生存期間に有意な延長が認められたとの報告がある18)18)。
2.扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌9、10)9、10)
(1)[国内臨床試験の成績]
(1)○第II相試験(JO19907試験)19)19)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。CP療法は両群とも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な無増悪生存期間の延長及び奏効率の改善が認められた。

表6
(2)[海外臨床試験の成績]
(1)○未治療例を対象とした第II/III相無作為化比較試験(E4599試験)20)20)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な生存期間の延長が認められた。
(2)○未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(BO17704試験)21)21)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、シスプラチン・ゲムシタビン塩酸塩療法(GC療法、ゲムシタビン塩酸塩は国内未承認用法・用量を使用)を対照群とし、GC療法に本剤7.5mg/kg(未承認)又は15mg/kgを併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。GC療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はGC療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤7.5mg/kg及び15mg/kg併用群の両群で、GC療法に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。

表7
(3)○未治療例を対象とした第II相無作為化比較試験(AVF0757g試験)22)22)
未治療の進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤7.5mg/kg(未承認)又は15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行又は18サイクルまで継続した。扁平上皮癌患者を除いて解析した結果、本剤15mg/kg併用群では、CP療法に比べTime progression(TTP)の有意な延長及び奏効率の改善が認められた。

表8
3.手術不能又は再発乳癌9、10)9、10)
(1)[国内臨床試験の成績]
(1)○第II相試験(JO19901試験)23)23)
HER2陰性で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセルと本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にパクリタキセルを、第1日目、15日目にパクリタキセル投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。無増悪生存期間の中央値は12.9カ月(95%信頼区間:11.1‐18.2カ月)、奏効率は73.5%(CR5/117例、PR81/117例)であった。
(2)[海外臨床試験の成績]
(1)○化学療法未治療例を対象とした第III相無作為化比較試験(E2100試験)24)24)
HER2陰性注14)注14)で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセル療法(PTX療法)を対照群とし、PTX療法に本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にPTXを、第1日目、15日目にPTX投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。第1回中間解析(2005年2月9日データカットオフ)の結果に基づき、試験は早期有効中止された。本剤併用群では、PTX療法単独に比べ主要評価項目である無増悪生存期間(独立判定委員会評価)の有意な延長が認められた。一方、副次的評価項目である生存期間については、PTX療法に本剤を併用することによる有意な延長は認められなかった。

表9



注14)E2100試験では、トラスツズマブ(遺伝子組換え)既治療のHER2陽性乳癌患者、及びトラスツズマブ(遺伝子組換え)を含む治療が適応にならないHER2発現不明乳癌患者も登録可能であった。
4.悪性神経膠腫9、10)9、10)
(1)[国内臨床試験の成績]
(1)○第II相試験(JO22506試験)25)25)
既治療の再発悪性神経膠腫患者(膠芽腫29例、退形成性星細胞腫1例、退形成性乏突起星細胞腫1例)を対象に、本剤10mg/kgの2週間隔投与時の有効性を検討した。再発の膠芽腫患者29例における6カ月無増悪生存率は33.9%、1年生存率は34.5%、奏効率は27.6%であった。無増悪生存期間及び生存期間の中央値はそれぞれ3.3カ月及び10.5カ月であった。
(2)[国際共同臨床試験の成績]
(1)○初発の膠芽腫を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(BO21990試験)26)26)
初発の膠芽腫患者を対象に、放射線照射とテモゾロミドによる術後補助療法(RT/T療法)に本剤又はプラセボを併用する二重盲検無作為化比較試験を実施した。本剤の用量は、放射線照射とテモゾロミド(1日1回連日投与)の併用期間(6週間)中は、10mg/kg(第1日目から2週間隔、4回投与)とし、テモゾロミドの4週間休薬期間中は本剤も休薬した。その後、テモゾロミドの維持療法期間(28日を1サイクルとし、第1日目から第5日目まで1日1回投与を6サイクルまで実施)中は、本剤10mg/kg(28日を1サイクルとして、第1日目、15日目に投与)を併用投与した。テモゾロミド維持療法終了後は本剤の用量を15mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に投与)とし、病勢進行まで継続投与した。その結果、本剤併用群では、プラセボ併用群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。もう1つの主要評価項目である生存期間には、有意な延長は認められなかった。

表10
5.卵巣癌9、10)9、10)
(1)[国際共同臨床試験の成績]
(1)○化学療法未治療例を対象とした第III相二重盲検無作為化比較試験(GOG‐0218試験)27)27)
化学療法未治療の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群(CPP群注17)注17))とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用投与したCPB15群注18)注18)及び本剤15mg/kgを併用・継続投与したCPB15+群注19)注19)の3群による有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤又はプラセボは投与開始から病勢進行又は21サイクルまで投与した。その結果、CPB15+群で、CPP群に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。なお、CPB15群では、有意な無増悪生存期間の延長は認められなかった。
注17)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後にプラセボを投与し、CP療法の中止又は終了後もプラセボを継続投与した群
注18)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後はプラセボを継続投与した群
注19)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後も本剤を継続投与した群

表11 表12

臨床成績の表

投与群無増悪生存期間注9)中央値(月)無増悪生存期間注9)ハザード比生存期間注10)中央値(月)生存期間注10)ハザード比
化学療法注11)
8.020.83
19.910.89
化学療法注11)
9.360.83
21.220.89
XELOX療法+
7.390.77
19.190.84
XELOX療法+
9.260.77
21.360.84
FOLFOX4療法+
8.570.89
20.340.94
FOLFOX4療法+
9.400.89
21.160.94
注9)カットオフ日:2006年1月31日、主治医評価による無増悪生存期間
注10)カットオフ日:2007年1月31日
注11)化学療法:FOLFOX4療法又はXELOX療法
投与群奏効率

奏効率
無増悪生存期間
無増悪生存期間
生存期間
生存期間
FOLFOX4療法群(n=292)8.6
P<0.00014.50.518
10.80.751
FOLFOX4療法+
22.2
P<0.00017.50.518
13.00.751
投与群無増悪生存期間
無増悪生存期間
生存期間
生存期間
IFL療法+プラセボ群(n=411)6.280.577
15.800.714
IFL療法+アバスチン群(n=402)10.580.577
20.370.714
投与群無増悪生存期間
無増悪生存期間
生存期間
生存期間
5‐FU/LV療法+プラセボ群(n=105)5.520.496
13.240.766
5‐FU/LV療法+アバスチン群(n=104)9.170.496
16.560.766
投与群無増悪生存期間
無増悪生存期間
奏効率
奏効率
CP療法単独群
5.90.61
31.0P=0.0013
CP療法+アバスチン群
6.90.61
60.7P=0.0013
評価項目投与群E4599試験
E4599試験
E4599試験
BO17704試験
BO17704試験
BO17704試験
生存期間アバスチン非投与群注12)43310.30.79
34713.11.03
生存期間化学療法注13)41712.30.79
35113.41.03
生存期間化学療法注13)34513.60.93
無増悪生存期間アバスチン非投与群注12)4334.50.66
3476.10.82
無増悪生存期間化学療法注13)4176.20.66
3516.50.82
無増悪生存期間化学療法注13)3456.70.75
注12)アバスチン非投与群:E4599試験はCP療法単独群、BO17704試験はGC療法+プラセボ群
注13)化学療法:E4599試験はCP療法、BO17704試験はGC療法
※本剤の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する承認用量は1回15mg/kgである(【用法・用量】の項参照)。
投与群TTP
TTP
奏効率
奏効率
CP療法単独群
4.012.0
CP療法+アバスチン
7.40.41
31.3P=0.0857
CP療法+アバスチン
4.30.85
31.8P=0.0976
※本剤の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する承認用量は1回15mg/kgである(【用法・用量】の項参照)。
投与群無増悪生存期間
無増悪生存期間
生存期間
生存期間
PTX療法単独群
5.80.483
24.80.869
PTX療法+アバスチン群
11.30.483
26.50.869
投与群無増悪生存期間
無増悪生存期間
生存期間
生存期間
RT/T療法+プラセボ群
注15)
6.20.64
16.70.88
RT/T療法+アバスチン群
注16)
10.60.64
16.80.88
注15)日本人患者25例を含む
注16)日本人患者19例を含む
投与群無増悪生存期間注20)イベント数無増悪生存期間注20)中央値(月)無増悪生存期間注20)ハザード比生存期間注21)イベント数生存期間注21)中央値(月)生存期間注21)ハザード比
CPP群
37510.429940.6
CPB15群
35611.80.84

注22)
30938.81.065

CPB15+群
31714.10.71

注22)
27043.80.879

注20)カットオフ日:2009年9月29日
注21)カットオフ日:2011年8月26日
注22)有意水準0.0116
投与群無増悪生存期間注24)イベント数無増悪生存期間注24)中央値(月)無増悪生存期間注24)ハザード比[95%信頼区間]
CPP群(n=20)814.5
CPB15群(n=12)3NE注25)0.44[0.09,2.20]
CPB15+群(n=12)3NE注25)0.71[0.14,3.77]
注23)日本人部分集団のイベント数は少なく、有効性について結論は得られていない。
注24)カットオフ日:2010年2月25日
注25)NE:not estimable

薬効薬理

ベバシズマブは、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に対する遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体である。VEGFは、血管内皮細胞の細胞分裂促進・生存を制御するとともに血管透過性の亢進に関与するサイトカインであり、種々の癌細胞において発現が亢進している。28、29)28、29)
(1)抗腫瘍効果30、31、32、33、34)30、31、32、33、34)
ヒト癌細胞株をヌードマウスに移植し、ベバシズマブ又は親抗体(マウス抗体)であるA4.6.1抗体を投与することにより、大腸癌(COLO205、HM7、LSLiM6)、肺癌(A549)、乳癌(MX‐1、MDA‐MB‐435)、膠芽腫(U‐87 MG)、卵巣癌(SKOV‐3)、前立腺癌(DU145)等広範な癌腫に対し抗腫瘍活性を認めた。また、ヒト大腸癌(HM7)、前立腺癌(DU145)を用いた実験的癌転移モデルにおいて、各々肝臓、肺への転移を抑制した。化学療法あるいは放射線療法にベバシズマブ又は親抗体を併用することにより、抗腫瘍効果の増強作用を示した。
(2)作用機序35、36)35、36)
ベバシズマブは、ヒトVEGFと特異的に結合することにより、VEGFと血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体との結合を阻害する。ベバシズマブはVEGFの生物活性を阻止することにより、腫瘍組織での血管新生を抑制し、腫瘍の増殖を阻害する。また、VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、腫瘍組織で亢進した間質圧を低減する。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名
ベバシズマブ(遺伝子組換え)
(Bevacizumab(Genetical Recombination))(JAN)
2.構造式
アミノ酸214個の軽鎖2分子とアミノ酸453個の重鎖2分子からなる糖たん白質
3.分子式
軽鎖(1−214残基)(C1034H1591N273O338S61034H1591N273O338S6
重鎖(1−453残基)(C2235H3413N585O678S162235H3413N585O678S16
4.分子量
約149,000

包装

アバスチン点滴静注用100mg/4mL:1バイアル
アバスチン点滴静注用400mg/16mL:1バイアル

主要文献及び文献請求先

The Group:N Med:364, (2011)
Curtis LH, al.: Ophthalmol:128, (2010)
Gower EW, al.: ARVO: 6644, (2011)
社内資料:国内第I相試験 (JO18157試験) 単回投与時の薬物動態
社内資料:国内第II相試験 (JO19901試験) 反復投与時の血中濃度
社内資料:国内第II相試験 (JO19907試験) 反復投与時の血中濃度
社内資料:薬物動態試験 (分布:ウサギ分布試験)
社内資料:薬物動態試験 (排泄:ウサギ試験)
審査報告書
社内資料:アバスチン点滴静注用適正使用ガイド
社内資料:国内第I/II相試験 (JO19380試験)
社内資料:国内安全性確認試験 (JO18158試験)
社内資料:国内第I相試験 (JO18157試験)
社内資料:海外第III相比較試験 (NO16966試験)
社内資料:海外第III相比較試験 (E3200試験)
社内資料:海外第III相比較試験 (AVF2107g試験)
社内資料:海外第II相比較試験 (AVF2192g試験)
Kabbinavar FF, al.: Oncol:23, (2005)
社内資料:国内第II相試験 (JO19907試験)
Sandler A, al.: Med:355, (2006)
社内資料:海外第III相比較試験 (BO17704試験)
社内資料:海外第II相比較試験 (AVF0757g試験)
社内資料:国内第II相試験 (JO19901試験)
社内資料:海外第III相比較試験 (E2100試験)
社内資料:国内第II相試験 (JO22506試験)
社内資料:国際共同第III相比較試験 (BO21990試験)
*社内資料:国際共同第III相比較試験 (GOG‐0218試験)
Ferrara N, al.: Med:9, (2003)
Ferrara N, al.: Rev:18, (1997)
Gerber H‐P, al.: Res:65, (2005)
Yanagisawa M, al.: Rep:22, (2009)
社内資料:ヒト肺癌xenograftモデルにおける抗腫瘍効果の検討
社内資料:ヒト乳癌xenograftモデルにおける抗腫瘍効果の検討
社内資料:ヒト膠芽腫xenograftモデルにおける抗腫瘍効果の検討
Presta LG, al.: Res:57, (1997)
Willett CG, al.: Med:10, (2004)

文献請求先

問い合わせ先主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

中外製薬株式会社 医薬情報センター
〒103‐8324 東京都中央区日本橋室町2‐1‐1
0120‐189706
0120‐189705

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2‐1‐1

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
4291413A1022 アバスチン点滴静注用100mg/4mL ベバシズマブ(遺伝子組換え) 100mg4mL1瓶 41738
4291413A2029 アバスチン点滴静注用400mg/16mL ベバシズマブ(遺伝子組換え) 400mg16mL1瓶 158942

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