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薬剤師ネクスト経営塾

ヒューマログ注100単位/mL

作成又は改訂年月

** 2012年7月改訂 (第11版)
* 2011年9月改訂

日本標準商品分類番号

87 2492

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
2010年10月

薬効分類名

抗糖尿病剤

承認等

販売名

ヒューマログ注100単位/mL

販売名コード

2492414A2030

承認・許可番号

承認番号
22000AMX02118
商標名
Humalog

薬価基準収載年月

2008年12月

販売開始年月

2001年8月

貯法・使用期限等

貯  法:
遮光、2〜8℃で保存
使用期限:
外箱等に表示

規制区分

劇薬
処方せん医薬品
(注意−医師等の処方せんにより使用すること)

組成

成分・含量
インスリン リスプロ(遺伝子組換え)1000単位
成分・含量

濃グリセリン            160mg
m-クレゾール           31.5mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物  18.8mg
酸化亜鉛               適量
pH調節剤              適量

性状

性状・剤形:
無色澄明の液(注射剤)
pH:
7.0〜7.8
浸透圧比
約0.9

一般的名称

インスリン リスプロ(遺伝子組換え)注射液

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
低血糖症状を呈している患者
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

*糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。
糖尿病以外にも耐糖能異常、尿糖陽性等、糖尿病類似の症状を有する疾患(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意すること。

用法及び用量

通常、成人では1回2〜20単位を毎食直前に皮下注射するが、持続型インスリン製剤を併用したり、ときに投与回数を増やす。
投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4〜100単位である。
必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する。

投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量としては通常1日4〜100単位である。
必要に応じ持続皮下注入ポンプを用いて投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤は、速効型インスリン製剤に比べ、皮下からより迅速に吸収され、血糖降下作用は同等(本剤1モルと速効型インスリン製剤1モルは、同等の血糖降下作用を有する)である。したがって、その作用の発現はより速やかで作用持続の時間が短い(投与後約5時間まで)ので、速効型インスリン製剤(通常食事の30分前に投与)と異なり食直前(15分以内)に投与を行うこと。
(1)<投与時間>
(2)本剤
食前:15分以内
(3)速効型インスリン製剤
食前:30分前
また、他のインスリン製剤から本剤に変更する場合にも、その作用特性や薬物動態(「薬物動態」1.血清中濃度、血糖値の項参照)を考慮し、必要に応じて投与量を増減するなど、慎重に行うこと。持続型インスリン製剤を併用している患者では、持続型インスリン製剤の投与量及び投与スケジュールの調節が必要となる場合があるので注意すること。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
インスリン需要の変動が激しい患者
手術、外傷、感染症等の患者
妊婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
次に掲げる低血糖を起こしやすい患者又は状態
重篤な肝又は腎機能障害
脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
下痢、嘔吐等の胃腸障害
飢餓状態、不規則な食事摂取
激しい筋肉運動
過度のアルコール摂取者
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
*血糖降下作用を増強する薬剤との併用[「相互作用」の項参照]
低血糖を起こすと事故につながるおそれがある患者(高所作業、自動車の運転等の作業に従事している患者等)
自律神経障害の患者[胃内容排出の遅延がある場合、食前投与により低血糖を引き起こすおそれがある。また、アドレナリンの欠乏により低血糖の自覚症状が明確でないことがある。]

重要な基本的注意

インスリン製剤の使用上最も重要なことは、適応の決定と患者教育である。日常の糖尿病治療のためにインスリンを使用する場合、その注射法及び低血糖に対して患者自らも対処できるように十分指導すること。また、皮下からの吸収及び作用の発現時間は、投与部位、血流、体温、運動量等により異なるため、適切な注射法についても患者教育を十分行うこと。
急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。
低血糖を起こすことがあるので、注意すること。特に、食事を摂取しなかったり、予定外の激しい運動を行った場合、低血糖を引き起こしやすい。低血糖が無処置の状態で続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。また、低血糖に関する注意について、患者及びその家族に十分徹底させること。(「副作用」の項参照)
インスリンの用量が不足した場合、高血糖を起こすことがあるので、注意すること。
高血糖が無処置の状態で続くと悪心、嘔吐、眠気、潮紅、口渇、頻尿、脱水、食欲減退、呼気のアセトン臭、ケトアシドーシス、昏睡等を起こし、重篤な転帰をとるおそれがあるので、適切な処置を行うこと。
肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、倦怠感等の肝障害を示唆する症状が認められた場合は肝機能検査を行うこと。異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
*糖尿病用薬
 ビグアナイド系薬剤
 スルホニルウレア系薬剤
 速効型インスリン分泌促進剤
 α-グルコシダーゼ阻害剤
 チアゾリジン系薬剤
 DPP-4阻害薬
 GLP-1受容体作動薬等
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
血糖降下作用が増強される。
薬剤名等
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
インスリンの分泌を促進し、糖新生を阻害する。
薬剤名等
三環系抗うつ剤
 ノルトリプチリン塩酸塩等
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。
薬剤名等
サリチル酸誘導体
 アスピリン
 エテンザミド
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
β細胞の糖に対する感受性の亢進、インスリン分泌促進により血糖降下作用を示す。また末梢で弱いインスリン様作用を有する。
薬剤名等
抗腫瘍剤
 シクロホスファミド水和物
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。
薬剤名等
β-遮断剤
 プロプラノロール塩酸塩
 アテノロール
 ピンドロール
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。
薬剤名等
クマリン系薬剤
 ワルファリンカリウム
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
クロラムフェニコール
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
ベザフィブラート
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。
薬剤名等
サルファ剤
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。
薬剤名等
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。(「副作用」の項参照)
機序・危険因子
動物実験においてインスリンの分泌を促進するとの報告があり、血糖降下作用が増強される可能性がある。
薬剤名等
チアジド系利尿剤
 トリクロルメチアジド
 シクロペンチアジド
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。
薬剤名等
副腎皮質ステロイド
 プレドニゾロン
 トリアムシノロン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
末梢組織でインスリンの作用に拮抗し、また糖新生を促進する。
薬剤名等
ACTH
 テトラコサクチド酢酸塩
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
糖質コルチコイドの産生を促し、血糖上昇作用を示す。
薬剤名等
アドレナリン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
肝での糖新生の促進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制により血糖を上昇させる。
薬剤名等
グルカゴン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
肝グリコーゲン分解促進、糖新生の亢進により血糖を上昇させる。
薬剤名等
甲状腺ホルモン
 レボチロキシンナトリウム水和物
 乾燥甲状腺
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
肝での糖新生を亢進させる可能性がある。
薬剤名等
成長ホルモン
 ソマトロピン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
抗インスリン作用を有する。
薬剤名等
卵胞ホルモン
 エチニルエストラジオール
 結合型エストロゲン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
薬剤名等
経口避妊薬
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。
薬剤名等
ニコチン酸
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
末梢でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。
薬剤名等
濃グリセリン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。
薬剤名等
イソニアジド
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
炭水化物代謝を阻害し、血糖値を上昇させる。
薬剤名等
ダナゾール
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
抗インスリン作用を有する。
薬剤名等
フェニトイン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。(「重要な基本的注意」の項参照)
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
インスリン分泌抑制作用を有する。
薬剤名等
蛋白同化ステロイド
 メスタノロン
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状(「副作用」の項参照)、又は減弱による高血糖症状(「重要な基本的注意」の項参照)があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
オクトレオチド
臨床症状・措置方法
血糖降下作用の増強による低血糖症状(「副作用」の項参照)、又は減弱による高血糖症状(「重要な基本的注意」の項参照)があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
インスリン、ソマトロピン及びグルカゴン又はうちいずれかの分泌に影響する。

副作用

副作用等発現状況の概要
承認時までに実施された長期試験を含む国内臨床試験の安全性評価対象例362例中105例(29.0%)に副作用が報告され、主なものは低血糖性反応(88例:24.3%)、低血糖(9例:2.5%)、血糖値上昇(3例:0.8%)、高血糖(3例:0.8%)であった。臨床検査値の異常変動が報告されたのは評価対象例362例中51例(14.1%)で、主なものはAST(GOT)上昇(355例中9例:2.5%)、ALT(GPT)上昇(355例中8例:2.3%)、ALP上昇(353例中8例:2.3%)、LDH上昇(354例中7例:2.0%)、γ-GTP上昇(350例中5例:1.4%)、中性脂肪上昇(353例中5例:1.4%)、総コレステロール上昇(354例中4例:1.1%)、白血球数増加(345例中4例:1.2%)、好酸球増加(322例中3例:0.9%)、リンパ球増加(323例中3例:0.9%)、総ビリルビン上昇(347例中3例:0.9%)、総蛋白減少(356例中3例:0.8%)であった。
また、使用成績調査の結果、安全性評価対象症例3026症例の副作用発現症例率は25.8%(782/3026例)であった。主な副作用は、低血糖症714例(23.6%)、高血糖14例(0.5%)、血中ブドウ糖増加11例(0.4%)であった1)1)。(再審査期間終了時)
重大な副作用
低血糖:低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。
なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。また、長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
低血糖症状が認められた場合には通常はショ糖を経口摂取し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を経口摂取すること。
経口摂取が不可能な場合はブドウ糖を静脈内に投与するか、グルカゴンを筋肉内又は静脈内投与すること。低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあるので、経過観察を継続して行うことが必要である。
アナフィラキシーショック、血管神経性浮腫:アナフィラキシーショック(呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹等)、血管神経性浮腫があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症:過敏症:代謝異常:神経系:眼:注射部位:
局所反応(腫脹、そう痒感、疼痛、硬結、発赤等)、リポディストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
肝臓:その他:

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多く、低血糖が起こりやすい可能性があるので、用量に留意し、定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるように指導すること。妊娠中、周産期、授乳期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。本剤のヒト母乳移行は不明であるが、ヒトインスリンは、ヒト母乳に移行する。

小児等への投与

成長及び活動性に応じてインスリンの需要量が変化するので、定期的に検査を行うなどして投与すること。(小児の臨床成績は「臨床成績」の項参照)

過量投与

1.徴候・症状
低血糖は、食事、エネルギー消費又はその両方との関連で、本剤が相対的に過剰となって起こることがある。また、低血糖は臨床的にいったん回復したと思われる場合にも後で再発することがあるので、炭水化物の摂取や経過観察を継続して行うことが必要な場合がある。(「副作用」の項参照)
2.処置
低血糖の起こる時間はインスリンの種類、量等により異なるため、低血糖が発現しやすい時間帯に特に経過を観察し、適切な処置を行うこと。(「副作用」の項参照)

適用上の注意

1.調製時
本剤はヒューマリンN注と混合して使用することができる。混合に際しては各製剤の1mL当たりのインスリン含有単位に注意し、混合後、直ちに皮下注射する。なお、異なるインスリン製剤の混合に際しては、各製剤ごとに付された注意を守ること。
2.投与部位
皮下注射は、腹部、大腿部、上腕部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なり、その結果作用発現時間が異なるので部位を決め、その中で注射場所を毎回変えること。前回の注射場所より2〜3cm離して注射すること。
3.投与経路
静脈内に投与しないこと。
皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
4.**保存時
凍結を避け、2〜8℃で遮光保存すること。
使用開始後28日以内に使用すること。

その他の注意

インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある2)2)。
*ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

薬物動態

1.血清中濃度、血糖値3)3)
健康成人12例にヒューマログ注及びヒューマリンR注を0.05単位/kg又は0.025単位/kg単回皮下投与した時の血清中インスリン濃度及び血糖値の結果を以下に示す。
(1)単回皮下投与後の血清中インスリン濃度
ヒューマログ注はヒューマリンR注に比べ有意な差をもってCmaxmaxはより高く、Tmaxmax、T1/21/2はより速かった。AUC0-∞0-∞は両製剤間で差を認めなかった。
薬物動態の表1参照
なお、外国で健康成人男子18例にヒューマログ注及びヒューマリンR注を0.1単位/kg及び0.2単位/kgを単回静脈内投与した結果、ヒューマログ注の血清中インスリン濃度の推移はヒューマリンR注とほぼ同様であった。
注)本剤の用法用量は皮下及び持続皮下注入ポンプによる投与である。
(2)単回皮下投与後の血糖値
ヒューマログ注の血糖降下作用は、ヒューマリンR注に比し、より速やかで作用は強くその消失も速やかであった。△血糖値のAUC0-3600-360は両製剤間で差を認めなかった。
薬物動態の表2参照
2.食事後の血糖値4)4)
外国で1型糖尿病患者において、ヒューマログ注は、ヒューマリンR注に比べて食事後の血糖を速やかに低下させた。
3.投与部位による吸収速度5)5)
外国で健康成人12例にヒューマログ注及びヒューマリンR注を腹部、大腿部、上腕部に0.2単位/kg単回皮下投与を行ったところ、腹部、大腿部、上腕部の順に吸収が速く、ヒューマログ注は、投与部位による吸収速度についてヒューマリンR注と同様の傾向を認めた。

薬物動態の表

記号薬剤投与量(単位/kg)nCmaxTmaxT1/2AUC0-∞
ヒューマログ注0.05121.7840.8343.67146.61
ヒューマリンR注0.05120.8078.33108.43157.32
ヒューマログ注0.025120.8736.6752.5589.38
ヒューマリンR注0.025120.4885.4296.8882.91
(平均値)
記号薬剤投与量(単位/kg)nCminCmaxTmaxAUC0-360
ヒューマログ注0.051244.8344.8361.674168.96
ヒューマリンR注0.051262.5828.25136.254998.96
ヒューマログ注0.0251263.0827.1763.752912.08
ヒューマリンR注0.0251273.5017.79110.833152.92
Cminは血糖値の実測値、その他は△血糖値(投与前値−投与後値)のデータを用いた。(平均値)

臨床成績

1.**食直前投与による成績6)6)
糖尿病患者を対象として行われた臨床試験におけるヒューマログ注とヒューマリンR注の成績概要は以下のとおりである。症例数はヒューマログ注213例、ヒューマリンR注213例の総計426例である。投与量は血糖コントロールに要する量とした。
ヒューマログ注は食直前、ヒューマリンR注は食事30分前に投与した。1型及び2型患者においてヒューマログ注がヒューマリンR注に比べ12及び24週時にて食後2時間血糖値を有意に低下させた。HbA1c(JDS)値については、ヒューマリンR注に比べ12及び24週時にて非劣性が検証された。また、開始時点から24週時までの間でヒューマログ注で下降傾向が認められ、上昇傾向であったヒューマリンR注と有意な差を認めた(投与期間に対する一次対比:P=0.0162)。投与量については、ヒューマログ注及びヒューマリンR注ともに開始時からの明らかな変化はなく、薬剤間差は認められなかった。
臨床成績の表1参照
2.小児(思春期を含む)における成績7)7)
6〜16歳の糖尿病患者43例に、ヒューマログ注を食直前投与した24週間の臨床試験において、食後血糖コントロールの有意な改善が認められ、安全性は成人と変わらなかった。
また、外国で3〜11歳の糖尿病患者60例を対象に行った臨床試験(インスリンR製剤対照、9ヵ月のクロスオーバー試験)及び9〜19歳の糖尿病患者463例を対象に行った臨床試験(インスリンR製剤対照、8ヵ月のクロスオーバー試験)では、ヒューマログ注の食直前投与により、インスリンR製剤食前投与と比較して良好な血糖コントロールが得られ、安全性において差は認められなかった。
3.**持続皮下注入ポンプ投与による成績
外国でヒューマログ注を持続皮下注入ポンプにて投与した場合、従来のヒューマリンR注と比較してHbA1c注)注)値(平均値:ヒューマログ注;7.66%、ヒューマリンR注;8.00%(P=0.0041))及び朝食後1時間血糖値(平均値:ヒューマログ注;152mg/dL、ヒューマリンR注;177mg/dL(P=0.0498))の有意な低下が認められ、血糖コントロールが改善することが示された。安全性において差は認められなかった。
注)本試験で測定されたHbA1c値は、NGSP値として標準化される前に測定された値である。
4.低血糖の軽減8)〜10)8)〜10)
外国でヒューマログ注使用時において、低血糖全般、夜間低血糖及び重症低血糖の発現頻度が、ヒューマリンR注使用時と比較して有意に低下することが認められた。
5.抗体11)11)
長期投与臨床試験の試験期間を通じてインスリン抗体、インスリンリスプロ抗体、インスリン−インスリンリスプロ交差抗体の上昇は認められなかった。
6.クオリティー・オブ・ライフ(QOL)12)12)
糖尿病患者を対象として行われた臨床試験において、インスリン治療が患者のQOLに与える影響を調査したところ、食直前に投与可能なヒューマログ注がヒューマリンR注に比べ有意に患者のQOLを改善した。また糖尿病治療に対する満足度についても、ヒューマログ注において、ヒューマリンR注に比べ有意に改善した。

臨床成績の表

評価方法開始時開始時12週時12週時24週時24週時
評価方法ヒューマログ注ヒューマリンR注ヒューマログ注ヒューマリンR注ヒューマログ注ヒューマリンR注
食後2時間血糖値(mg/dL)162.6(196例)160.1(195例)141.1※※166.7(200例)141.1162.9(202例)
HbA1c(JDS)7.53(207例)7.51(206例)7.61(203例)7.54(204例)7.52(203例)7.57(204例)
※ 開始時からの変化量での薬剤間比較(P<0.05)
※※ 開始時からの変化量での薬剤間比較(P<0.01)

薬効薬理

1.血糖降下作用
インスリンリスプロ1モルは、ヒトインスリン1モルと同等の活性をもつ13),14)13),14)。
健康成人12例にヒューマログ注及びヒューマリンR注を0.05単位/kg又は0.025単位/kg単回皮下投与した結果、両剤ともに血糖降下作用が認められた3)3)。
(3)グリコヘモグロビン(HbA1c)に対する作用
外国の長期試験で、基礎インスリンも含む投与量の適切な調整を行えば有意にHbA1cの改善が可能であること15),16)15),16)、1型糖尿病患者30例を対象に持続皮下注入ポンプにてヒューマログ注を3ヵ月間投与した場合、ヒューマリンR注を投与した時に比べ有意にHbA1cを低下させることが示された。また国内においてもヒューマログ注で、開始時点から下降傾向が認められ、上昇傾向であったヒューマリンR注と有意な差を認めた6)6)。
2.作用機序
インスリンリスプロは製剤中では六量体として存在するが、皮下注射後速やかに単量体へと解離するため、皮下から血中への移行が速い17)17)。その血中移行後、生体内における本剤を含むあらゆるインスリン製剤の主薬理作用は、グルコース代謝調節である。また、インスリン製剤は生体内組織での蛋白同化作用と抗異化作用を示す。筋肉と脳以外の臓器において、インスリン製剤は速やかなグルコース/アミノ酸細胞内輸送を引き起こし、同化作用を促進し、蛋白異化作用を阻害する。肝臓において、インスリン製剤はグルコース取り込みとグリコーゲン貯蔵を促進し、糖新生を阻害し、過剰なグルコースの脂肪への変換を促進する。

有効成分に関する理化学的知見

1.一般名:
インスリン リスプロ(遺伝子組換え)(JAN)
Insulin Lispro(Genetical Recombination)
2.分子式:
C257257H383383N6565O7777S66
3.分子量:
5807.57
4.構造式:
5.性 状:
白色の粉末である。希水酸化ナトリウム試液に溶けやすく、0.05mol/L炭酸塩緩衝液及び0.01mol/L塩酸試液にやや溶けにくく、水及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。
6.等電点:
約5.6

包装

注射剤 10mL(100単位/mL):1バイアル

主要文献及び文献請求先

繁田浩史 他:Prog. Med., 26, 698(2006)
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浦江明憲 他:臨床医薬, 16(11), 1601(2000)
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Edith, W. al.:Diabetes Care, 19(12), 1437(1996)
葛谷健 他:臨床医薬, 16(11), 1613(2000)
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文献請求先

問い合わせ先 日本イーライリリー株式会社
〒651-0086 神戸市中央区磯上通7丁目1番5号

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
日本イーライリリー株式会社
神戸市中央区磯上通7丁目1番5号

薬価

販売名コード 品名 成分名 規格 薬価
2492414A2030 ヒューマログ注100単位/mL インスリンリスプロ(遺伝子組換え) 100単位1mLバイアル 389

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