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薬剤師ネクスト経営塾

選ばれる薬剤師になるために

選ばれる薬剤師

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来期からの調剤報酬の改訂に関する話題が徐々に出てきている。漏れ聞く限りでは厳しいばかりだ。そしてキーワードは選ばれる薬局。選ばれる薬剤師かどうか?ということだ。
誰に?勿論、患者さん。そして地域社会だ。でも、特に薬剤師の場合、忘れてはいけないのは、会社に選ばれる薬剤師になっているかどうか?という視点だ。

厳しい時代の始まり

勤務薬剤師の中には、調剤報酬のマイナス改定は会社の話であり、自身に関係のない話だと思っている方がいる。でもその認識は改めたほうが良いと思う。

会社は収益性が悪化すると、合理化を進める。仮に噂される事務スタッフによる計数調剤の解禁と、それに伴う調剤料の大幅な減算が行われたとする。そうなると、まずは大手の調剤薬局で余剰薬剤師の削減が行われる。あふれた薬剤師は、中小、地方の薬局に職を求める。すると、彼らの受け入れ先の薬局でも薬剤師の選別が発生し、もしかすると薬剤師が余る状況になるかもしれない。ありえないよ。と思う人もいるかもしれないが、この想像から目をそらしてはいけないと思う。

薬剤師の資格に限った話ではないが、資格やスキルを過信してはいけない。今まで引く手あまただったといって、それが続く保障はなにもない。制度の変更や技術の進化はそれらを簡単に陳腐化してしまう。そしてあくまで個人的な考えだが、選ばれるかどうかの最後のキーポイントは人間性だ。

3つの人間性

先日、入社して日の浅いうちの社員にもこれに関する話をした。人間性を高めようと。
ここでいう人間性とは社会性、組織性、専門性の3つのことだ。

スライド1

社会性とは礼儀、言葉遣い、マナーのことだ

入社すると接遇研修や社会人研修を受けると思うけど、あれは最低限のことだ。身についてると思い込んでると周りを不愉快にさせてしまう。その時20代なら「習っていなくて」「よく知らなくて」が通用するかもしれないけど、30歳までにやめた方がいい。表向きの相手の対応は一緒でも、実際の評価は下がっている。そしてそのミスを「教えて貰えなかった」と周囲のせいにしてはいけない。社会はそんなに甘くない。不足を補うのに特別な努力が必要なわけじゃない。自分の収入の0.1%でいいからそれらを学ぶための投資をしよう。マナーや礼儀、言葉遣いに関して書籍を買ってみよう。古本で十分。とにかく買って目を通すだけでいい。それだけで全く違う。

組織性とは会社や同僚にやさしくなることだ

会社は存続のために利益と求める。医療に携わっていてもそれは同じこと。そのことに過度な嫌悪感を示さないでほしい。あなたの給料はその収益から出ている。大切なのはその利益で何をするかだ。そういう当たり前の会社の活動を強く非難しながら、個人として高給、昇給を強く求める。そういう醜い行為は控えたほうがいい。

同僚と優劣をつけたがる人がいる。あの人は私より仕事が遅い、あれができない。これも良くない。こういう具合に他人と自分を比較するスタイルは極力辞めた方がいい。

例えば

「あの人は仕事が遅くて困る。薬歴を書くのも遅いし、調剤もミスが多い。そのせいで自分の負担が増える。」

と主張する。
大体こういったケースでは自分の得意なスキルと相手の苦手なスキルを比べて相手を貶めている。自分の苦手なスキルの事はそっちのけだ。そもそも、「自分の仕事が早いこと」と「組織の生産性が高いこと」はイコールの関係ではない。会社はもっと多面的な評価をするものだ。相手の苦手なことを把握しているのなら、もう一歩踏み込んで、その人を助けてあげる方が何倍の好ましい。「もう何回もアドバイスしてるのに直らない?」いいじゃない、もう一回試せばいい。違うやり方を試してみるといい。試行錯誤はすごくかっこいい。それに一年前よりは成長しているでしょ?20点を60点にするのは 60点を100点にするよりずっと容易い。会社はそういう人を求めてる。

また、優秀な人材でなければ辞めてほしい。という考え方は薬局運営上は避けた方がいいと思う。世界を相手に勝負する会社なら話は違う。そういった会社では世界中から優秀な人材を集める必要がある。だけど、ほとんどの薬局は地域ビジネスだ。ならばそこで働く人は、お客さんと同じ地域に住んでる人のほうが好ましい。雇用という形で地域に貢献できるし、お客さんとの信頼関係も築きやすいからだ。それに、地域の優秀な人材には限りがある。そんな少人数しか続けられない仕事の仕組みは遅かれ早かれ行き詰る。優秀な人材が入社するのは、偶然の産物であり、神様からのプレゼントなのだ。ごく普通の人が十二分に役割を果たせるような仕事の仕組みを作り、自分の仕事と地域に対して、誇りと愛情が持てる会社を目指したほうが好ましいと思う。

最後に

専門性


薬剤師による薬剤師への評価と、社会や会社による薬剤師への評価は基準が異なるということを忘れてはいけない。薬剤師は本能的に職能を高める。スキルを高めるということに敏感である。そして高い職能、スキルを獲得している者こそが評価される傾向にある。これを否定するつもりはない。むしろ、薬剤師という資格の発展のために欠かせないことだ。私も薬剤師の端くれとして、そういう人を純粋に尊敬する。

ただ、会社や社会といった世の中の評価基準はより多面的である。

勘違いしてはいけないのは

「高い専門性がある」≠「いい仕事ができる」であり
「高い専門性がある」=「その人だけが実行可能な仕事が存在する」

ということだ。

だけど、仕事はニーズがないと存在しない。顧客が求め、会社がその価値を認めないと意味がない。例えば最近ならフィジカルアセスメント。これからの薬剤師にとって有益なスキルとされており、意欲的な、問題意識の高い薬剤師は進んで学んでいる。でもこれを実際に自分の仕事場で使うには多くの方の許可が必要だ。具体的には患者、処方医、ケアマネ、訪問看護師、ヘルパー、その他多くの関係者、および会社から許されて初めて実施できる。そして彼に対する周囲の許可は、その薬剤師自身が勉強しているからではなく、人柄が周囲から評価されていることが一番の理由だったりする。

また、専門性が高くなるにつれ、世の中のニーズは小さくなる可能性がある。そしてニーズが小さい仕事は活躍の場も限られ、収益も低く抑えられてしまうものだ。

そして、注意すべきは、仕事の優先順位を間違えないことだ。(これは偏見かもしれないが)高い専門性を誇る人のなかは、それが発揮できる自分がやりたい仕事に時間と労力をかけ過ぎ、本来行うべき仕事を後回しにし、必要な時間と労力をつぎ込まない傾向の方がいる。これは厳禁だ。あなた以外すべての人が迷惑をしている。

勿論、その高い専門性がどう評価されるかは、所属する組織によって異なる。
高評価の場合もあるが、100%確実というわけではない。より確実に評価されるのは、専門性はそれほど高くはないが、その人の存在で現場が元気になる。グループ全員がどんどん成長する。生産性が高まる。そんな人だ。

我ながら説教くさいなと思いながら、言わずにはいられない時がある。

患者さんに選ばれる前に
組織に選ばれる人を目指そう

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