無料で登録

薬剤師ネクスト経営塾

薬局管理者がPDCAを実践するときに注意すべき3つのこと

皆さんこんにちわ
鹿児島の寒さになんとか耐えている丸野です。
さて、今回は前回飛ばしてしまったPDCAについてコラムを書きたいと思います。

PDCAサイクルの歴史

「PDCA」ってよく聞きますよね。<
今では社会人なら誰でも知っている単語になってきています。
今回はそんなPDCAをもう一度よく考えてみたいと思います。

でも、そもそもPDCAって誰が考えたかご存じですか?

なんとなくPDCAサイクルとか聞くと、
自己成長とかプロジェクト推進みたいな感じがしますが、
ダウンロード

もともとPDACAサイクルは
エドワード・デミングらが提唱した品質改善手法なんです。
工場で製品を継続的に生産する中で品質を向上させていくために活用されました。

特に日本ではデミングは有名な方です。
日本に何度も講演に来ています。日本の品質管理の父と呼ばれることもあるくらいです。
そういった方々が品質管理で重要と考えたプロセスがPDCAサイクルなのです。

少しデミングの話もしましょう。
デミングが初めて日本に来たのは1947年。GHQの関係者として国勢調査の準備をするためでした。
デミングは統計学の専門家だったのです。
そうした中で統計学的な品質管理のセミナーが人気を呼び、デミングは日本における品質管理の第一人者となりました。
アメリカでは無名だったデミングですが、日本での活躍と日本の産業発展によってアメリカでも有名になったそうです。

それまでの日本の産業は「設計→生産→販売」という一方向の方法であったため、品質改善が不十分であったそうです。
また、品質チェックを行う際には全てチェックして不十分なものを取り除く方法がとられていました。
そこで、デミングは循環型のサイクルを導入することで、品質を改善していくことや、
統計学の要素を取り入れることによって、サンプル調査による品質管理を考案しました。

PDCAサイクルと統計学的品質管理はそれぞれ別々のものですが、それを組み合わせることによって日本の産業は大きく飛躍したのですね。
日本の改善手法は英語でも「KAIZEN」と呼ばれ、世界から広く知れ渡ることになりました。

その後、PDCAサイクルは「改善」のための有効な手法として、生産産業だけでなく様々なシーンで活用されるようになりました。

今では、プロジェクトの推進やビジネスマンの自己成長にもPDCAの考え方が浸透してきています。

今回のコラムをご覧になって、このPDCAサイクルを薬局でも活用してもらいたいと考えております。
薬局管理者も品質管理者です。
質の高いサービスを提供できなければいけません。
PDCAというサイクルをうまく活用することが出来れば、よりよいサービスに近づけるはずです。

PDCAサイクルの実践の仕方

それでは、まずはPDCAサイクルの概要を確認してみましょう。

220px-PDCA_Cycle.svg
Plan→Do→Check→Act→→→継続

PDCAサイクルはPlan(計画)→Do(実行)→Check(チェック)→Act(改善)の工程を繰り返すことによって、目的を達成するものです。
やりっぱなしにしないこと。反省して、次につなげること。そして、それを継続していくこと。
これがPDCAの肝だと思います。

かといってPDCAサイクルは簡単に実践できるものではありません。
よりよいPDCAサイクルを目指して私も日々試行錯誤しております。
今回は、このような試行錯誤の中で私が大切にしていることをご紹介させて頂きます。

1.目的と期待成果を明確にする

「目的と期待成果」これは第1回目のコラムでも登場した言葉ですね。
このコラム連載を通して是非皆さんにも覚えて頂きたいフレーズです。

先ほどもお話したようにPDCAは好循環のサイクルをつくりゴールへの最短距離を目指すものです。
「急がば回れ」というやつですね。
プロジェクトによっては長い長いサイクルが待っていることも有ります。
そのため「目的と期待成果」がずれているとどんなに頑張ってPDCAサイクルを回しても意味のないゴールへしかたどり着けません。

さらに最悪のケースは「手段の目的化」が起こってしまうことです。

例えば、本来ならば患者さんの安心のために「薬剤師によるピッキングのダブルチェック」を確実に行おうとしていたのに、
気がつけば、ダブルチェックを行うことに固執しすぎてしまって、重要な処方監査や服薬指導がおろそかになってしまう。
確かにダブルチェックは徹底できた!でも、患者さんに安心につながったのか?というような事態が起こってしまうこともあるのです。

ですから、あらかじめ「目的と期待成果」を明確にしておくことはとても重要な事です。
最終的に何のためにこのプロジェクトを推進しなけれればいけないのか、それが分かっていないとスタッフのモチベーションもあがりません。

2.PLANが一番大切

PDCAサイクルがうまくいかない原因はほとんど最初のPLANの立て方に問題があります。

多くの場合、私たちは「Do」のことしか「PLAN」しないのです。

例えば、「患者さんの安全のためにお薬手帳を推進しよう」というプロジェクトを始めたとします。
お薬手帳を推進するためには?

・お薬手帳の意味を知ってもらうチラシをつくって配ろう
・お薬手帳の重要性を説明しよう
・お薬手帳にカバーをつけてあげよう
・目標は持参率70%だ

一見するとよく出来たPLANですよね。ちゃんと目標(期待成果)まで立ててるし。

しかし、いくつか重要な点が抜けています。

まずは、5W1Hです。
in12

これはWho,When,Where,What,Why,Howですよね。

例えば、「チラシをつくる」のは、
誰が、いつまでに、何枚、どこの印刷業者に頼んで作って、どのように配布するのか。どのような内容にするのか。
もちろんその時点では未定なこともたくさんあると思います。未定であるということが分かっていること、それをいつ誰が決めるのかが分かっていることが大切ですね。

次に、CheckActについてもPlanしていくことが必要です。
目標の達成率はいつ・誰が・どのようにチェックするのか?他にチェックすべき項目はないのか?

結果に応じてどのような対策を講じるのか?
例えば、50%しかなかった場合には、どうするのか?
80%になっていたら、もうチラシを配るのはやめるのか?

このようなことをフローチャート図のように書き出しておくと、ChekとActもスムーズになります。
最初から完璧なPLANを目指そうとしすぎると挫折します。「未定」でもいいのです。
ですが、何が「未定」で何が「既定」なのかはしっかりと把握しておくことが大切です。

3.全員で共有する

素晴らしい「目的と期待成果」を設定して、
素晴らしい「PLAN」を立てたとしても、当たり前ですが、薬局の改善はできません。
それをしっかりと全員が共有して実行していくことが大切です。

ほとんどの薬局は1人だけで運営することはできません。
多くの薬局では薬剤師や事務で2人以上、大きな薬局では10人以上勤務することがあるでしょう。
それらスタッフが共通意識をもって取り組むことが目的を達成する大きな鍵です。

では、どのように共有すれば良いのでしょうか。

まずは、「目的と期待成果」を全員で共有しましょう。
そもそもスタッフが改善の必要性を感じなければ全く意欲が湧きません。
何のために改善が必要なのか、改善をすることによってどうなるのか。
このことをスタッフと共有することがファーストステップです。

次に、PLANもしっかり共有しましょう。
できれば、PLANは共に作っていくくらいがいいでしょう。
叩き台となるものを管理者が提案して、それをスタッフと一緒に磨き上げていく。
自分たちが作ったPLANなら実行することに対してモチベーションもあがります。

そして、実行する際には目標をしっかり掲げ、常に意識を上げましょう。
目標とする数値や行動がある場合は紙に書いて大きく掲示しておくと効果的です。

また、CHECKを行ったら必ず全員で結果を共有しましょう。
やりっぱなしが続くとモチベーションは落ちてしまいます。
頑張ったことによって、成果が出たという成功体験が次につながります。
新たなプロジェクトを始めようとしても、前回の成功体験がなければ、スタッフはやる気を失ってしまうでしょう。
そして、反省点は是非次に活かして下さい。それを活かすために再度PLANを修正して下さい。
それを全員が共有しながら実践することで薬局はどんどん良くなっていくと思います。

今回はPDCAサイクルについて考えてみました。
最初から大きなサイクルを目指そうとすると挫折のもとです。
小さな所が改善を重ね、少しずつ大きくしていくことが大切だと思います。

私もまだまだサイクルの始まりを歩いている未熟者ですが、本日お話させて頂いたことを意識しながらコツコツ上を目指していきたいと思います。
是非、PDCAサイクルを意識して日々の業務に取り組んでみて下さい。

次回は「薬剤師SWOT分析が示す2つの未来」というテーマで書きたいと思います。
お楽しみに!

このページは登録ユーザー向けです。
ログイン、もしくは登録をお願いします。

Existing Users Log In
 ログイン状態を保持する  

薬剤師アカデミーに登録してレッスンを受ける(無料)