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薬剤師ネクスト経営塾

薬局のマーケティングを考える ②

こんにちは、仁成堂薬局の大谷です
前回は、「自分のお店の強みを見つけてみよう」というところまでお話ししました。
今回は、その次の段階。「強みを評価するお客さんを探そう」というお話です。
それでは続きをどうぞ。

1) セグメンテーションとターゲティング

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強みが分かったら、それを評価するお客さんを探してみましょう。自分のお店の強みに関心のないお客さんが購入してくれることもありますが、そういうお客さんは自身の関心のある強みを提供する店が見つかると簡単にうつってしまうと思います。逆に強みを評価してくれるお客さんとは長期的ないい関係が維持しやすくなりますよね。

そのお客さん探しを「分ける」と「絞る」の2段階で考えるのがマーケティングの考え方で、それぞれ「セグメンテーション」「ターゲティング」と言います

①セグメンテーション

セグメンテーションは、お客さんをグループ化するということです

グループ化の方法が色々ありますが、一般的には次の3つの基準で行います。

1)ジオグラフィック基準(地理的基準)
2)デモグラフィック基準(人口統計的基準)
3)サイコグラフィック基準(心理的基準)

1)ジオグラフィック基準(地理的基準)

これは、文字通り地理を基準とした細分化です。関東なのか、関西なのか、暖かい地域なのか、寒い地域なのか、都会なのか、郊外なのか、それとも過疎地域なのか?といった具合です。

例えば・・・
関東関西なら、味付けの評価が違いますよね。
暖かい地域と寒い地域だと、コタツの価値は違いますよね。
都会、郊外、過疎地域なら自動車の価値が違うし、洗練されたサービスとゆったりとしたサービスのどちらの評価が高いかも変わってきますよね

2)デモグラフィック基準(人口統計的基準)
これは、人口動態を基準とした細分化です。具体的には年齢、性別、世帯構成、宗教などがその変数です。公的なデータが得られやすいので、使用頻度の高い変数です。

例えば・・・
ある程度年齢を重ねないと、老眼鏡の価値がわかりませんよね
男性と女性では、スカートの価値は違いますよね
独身世帯と3世代同居世帯では、冷蔵庫の大きさに対するこだわりは変わりますよね
イスラム教徒でないと、腕時計に常にメッカの方角を示すコンパス機能付きかどうかは関係ないですよね。

3)サイコグラフィック基準(心理的基準)
これは、人の価値観を基準とした細分化です。生まれ育った環境、その後の生活体験、今の生活環境など、それぞれ異なる価値観を持っていますよね。そういった好みや、性格の違いのことです。
また、特定の製品に対する知識、態度、使用状況なども、この基準に含めて考えます

例えば・・・
健康志向の有無や、ブランド志向がこの中に入ります
また、製品に対する知識、態度、使用頻度についてですが、

例えば・・・
ビールを1週間にどのくらい飲んでいるか?などです

実際に薬局の立場でセグメンテーションを考えてみるとこ、ういう感じでしょうか?

1)ジオグラフィック基準(地理的基準)

薬局の周辺人口
隣の診療所で院外処方せんをもらっている人


2)デモグラフィック基準(人口統計的基準)

小児、青年、中年、高齢者
男性、女性
独居

3)サイコグラフィック基準(心理的基準)

健康に対する意識の高さ
費用対効果に敏感
薬は怖いものだという価値観
利便性を重視
定期薬の有無
複数の医療機関を受診
副作用歴の有無

②ターゲティング

ターゲティングは、分類したお客さんのグループの中から、どれかに絞ることです
なぜ絞るのかというと、単純に絞らないと競争に負けるからです。今までの薬局は、「隣の診療所で院外処方せんをもらっている人」というセグメントをターゲットとしてきましたが、今後は競争環境が厳しくなるため、ターゲットを増やす(あるいは変更する)必要ができたというわけです。

セグメンテーションは基準を1つだけ利用してもいいですし、複数の基準を重ねても構いません。基準を増やすほど、そのセグメントは具体的なものになりますが、その反面、その基準をすべて満たす人が少なくなり、ターゲットにしても利益を上げにくくなります。

言葉だけだとわかりにくい部分もあると思うので、モデル図を用意してみました

薬局の周辺環境を分析すると次のようにセグメントできたとします

①薬局の近くに住んでいる(人口)=2000人
②男女の割合=男性50%:女性50%
③高齢者の割合=人口の30%
④定期薬のある人の割合 高齢者の50%
⑤隣の診療所で院外処方をもらっている人 定期薬のある高齢者の50%

このセグメントを組み合わせると、例えば次のようなターゲットを考えることができます

ターゲットの例 使用したセグメント セグメントの大きさ
男性 ①② 1000人
定期薬のある男性高齢者 ①②③④ 150人
隣の診療所で院外処方せんを貰っている男性高齢者 ①②③④⑤ 75人

そして、今の薬局のターゲットである「隣の診療所で院外処方せんをもらっている人」は
次のようなセグメントになります

ターゲット例 使用したセグメント セグメントの大きさ
隣の診療所で院外処方せんを貰っている人 ①③④⑤ 150人

競争環境が厳しくなるというのは色々な要因があると思うのですが、ここでは
次のケースを考えてみましょう

利益率が下がり、150人では薬局が赤字になる場合
もとの収益を確保するには200人のセグメントを確保する必要があったとします。そうすると、50人以上のセグメントを新たにターゲットする必要がでてきますよね。

仮に新たなターゲットを「定期薬があるが隣の診療所ではもらってない人」にしたとします
このターゲットは次の大きさがあるので、2つのターゲットを合わせると300人にとなり十分目標が達成できますよね

ターゲット例 使用したセグメント セグメントの大きさ
隣の診療所で院外処方せんを貰っている人 ①②④⑤ 150人
定期薬があるが隣の診療所ではもらってない人 ①②④⑤ 150人

でも、この新たなターゲットの150人にどうやって自分の薬局を利用してもらいましょうか?

ここで重要になるのが前回紹介した「強み」です。

セグメンテーションは本質として、それぞれニーズが違うから分けることができます。

そのため、自分達のもつ「強み」をそれを高く評価してくれるセグメント(それを高く評価してくれるため)に提供することが大切です。ただ、「定期薬があるが隣の診療所ではもらっていない人」が共通して評価しそうなことって想像しにくいですよね。なので、こういう場合はさらにセグメントを進めていきます。次の例を見てください

「定期薬があるが隣の診療所ではもらってない人」のうち次のセグメントにも該当する人 人数
費用対効果に敏感 10人
薬は怖いものだという価値観 50人
利便性を重視する 50人
なんとなく。特になし 40人

この場合だと、仮に自分の薬局に「接客レベルが高い」「土日も営業している」という強みがあったとすると、「薬は怖いものだという価値観」「利便性を重視する」に該当する100人はこちらを利用する可能性がありそうですよね。こうやって、アプローチすれば成果の得られるところを見つけるのがターゲティングです。

ただ、ここで注意してもらいたいのは、実際はこんなにはっきりとセグメントの人数がわかることはありえません。特にサイコグラフィック基準に当てはまるようなセグメントでは皆無だということです。だからこそ、普段から様々なところに興味のアンテナを張って、自分の薬局の周辺にはどういうグメントに当てはまる人が多いのかを考えておくことが大切なんだと思います。

では次はいよいよ4Pについてです。
具体的にどのように差別化をアピールしていくのか?という部分になるのですが、キリが良いので今月はここまでにしようと思います。では2月も頑張ってきましょう!!

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