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薬剤師ネクスト経営塾

狭い薬局がOTCを頑張って揃えてみた(後篇)

こんにちは仁成堂薬局の大谷です。
今年から実務実習の学生さんを受け入れています。自分の知識の整理にもなりますし、今の学生のリアルを知ることができて大変勉強になりますね。もし実務実習の受け入れのチャンスがあれば是非チャレンジすることをお勧めします。(ただしノークレームでお願いします)というわけで早速前回の続きです。

[4]専門サービスの利用

  e-健康ショップやclassAネットワークのサービスは積極的に使っています。どちらも比較的有名なサービスですよね。それぞれの強みをうまく生かして使い分けているつもりです。初めて聞いたという方も中にはいらっしゃると思いますので、以下個人的な感想です。

classA:これはメディセオグループの提供する調剤薬局向けの販売支援サービスですね。OTC販売サービスの生活百薬は、商品の選定から陳列までトータルプロデュースしてくれます。デザインもかっこいいのですが初期費用が高めなのがネックです。うちの薬局がOTCに熱心に取り組み始めたときは今よりもう少しだけ初期費用が高かったのでサービスの利用を断念した経緯がありますが、商品ラインナップを見るだけでも参考になります。また生活百薬を利用しなくても、年に数回、加入全店舗で一つの商品を販促していく企画もあります。こちらはプロモーションツールも充実しており、手軽にかっこいい売り場が作れます。

e-健康ショップ:これは東邦薬品グループのOTC医薬品の受け取りサービスです。サイトが重くて検索がしずらい、注文から納品まで時間がかる、関連商品の推奨をしてほしいなど、欲を言えばきりがありませんが、①要指導薬からお菓子や衛生用品まで幅広いラインナップの商品を一個単位で注文できる。②手作りポップや販促資材も注文できる。季節に合わせた商品の提案がある。③同業他社の取組の記事が読める。などのメリットもあり、非常に重宝しています

3 管理について

 欠品を気にしすぎると廃棄がかさみ、期限切れに注意しすぎると必要な時に商品がなかったり。このバランスをどう整えるのかは永遠の課題ですよね。ウチの薬局では基本に忠実に地味な対策の積み重ねで対応しています
画期的な解決策を知ってる方がおられましたら是非教えて下さい。

基本は返品前提

[1]注文先を選ぶ

商品を注文するときは返品可能なのか?納期がいつなのか?を必ず確認します。納入価が多少高くても、納期が多少遅くても、注文単位が大きくても、基本は返品可能なところから購入します。もし全ての注文先で返品不可の時は、類似品で返品可能な商品があるかどうかも確認します。また返品可能な場合でも、何か月前までに返品すべきなのかもしっかり抑えます。

[2]期限切れチェックの徹底

毎月必ず確認をしてもらっています。正直、毎月は必要ないのかもしれませんが、意識の問題です。毎月確認することで担当者も慌てることなく、期限が何か月を切ったら価格を下げようとか、返品の準備をしようとか、対策を用意しておくことができると思います。

[3]期限切迫品のローテーション

期限が迫ってきたら余裕をもって返品し、新しい商品と交換してもらっています。メーカーや卸さんには迷惑な話かもしれません。でも商品によっては、お客さんが購入された時点での残り使用期限が短すぎるとクレームにつながるケースだってありますよね

期限切迫品対策

[4]期限切迫品は注意深く価格を下げる

期限が短くなった返品不可の商品は値下げをします。そして値下げした商品は専用コーナーを作ってお客さんの目に留まりやすいようにします。でも毎月そんなコーナーがあると古いものしか置いてない印象を与えてしまう可能性もあります。だから、専用コーナーは数か月に1回。「商品入れ替えのため」などポップをつけて行っています

[5]小分け商品にして販売する

例えば50個入り2000円の商品は売れなくても、5個200円なら売れることがあります。期限が迫ってきた商品は試しに小分け商品にして置いてみることもあります。

[6]積極的なサンプル提供

小分けにしても売れない商品は積極的にお客さんにサンプルとして配っています。捨てるよりはずっとポジティブですよね。

欠品対策

[7]定番売れ筋はしっかり在庫 ABC分析で見極め

ABC分析って知ってますか?沢山あるものを整理して大事なものから順番に並べ替え、優先順位をつけて管理していく手法の一つです。在庫管理の場合は在庫品目を売上高や売上数量の多い順に、A,B,Cの3種類に分類し、累積構成比70~80%をA群(主力)、80~90%をB群(準主力)、90~100%をC群(非主力)に分類し、A群を重点管理していきます。通常A群は全体の品目数の10%前後、B群が20%前後になるといわれています。
うちのOTCも定期的にこの分析を行い、最近の主力を把握し、欠品による販売機会の損失を防いでいます。

[8]欠品してはいけない商品を見極める

緊急性の高い医薬品(解熱鎮痛剤、胃痛腹痛薬など)や衛生用品(包帯、防水テープ、体温計)のように売上としては低いけど、欠品してはいけない商品があると思います。そう言った商品をきちんと見極め、万が一に備えて複数在庫や代替商品の準備など対策をします

[9]商品が入るまでのつなぎとしてサンプルを渡す

高額、返品不可、それほど緊急性が高くなく、納期2~3日程度、サンプル提供あり。など色々と前提条件がありますが、そういったものは敢えて在庫しないこともあります。注文が入ると、お客さんの手元に届くまでの日数を逆算し、必要な量のサンプル渡して繋ぐこともあります。
それでも期限が切れたら

[10]再入荷するかどうかをよく相談

色々と手を尽くしても期限が切れてしまうことはあります。だからと言って再入荷しないと決めつけるのは少し勿体ないと思います。商品見直しのチャンスと捉えて、スタッフ同士で相談します。もちろん再入荷するケースもありますが、サイズ、価格、什器・サンプルの有無などを再検討して別の商品に変えることのほうがうちの場合は多いと思います。。

現状と課題

現在の状況はこんな感じです

月売上:約15万円
期限切れ(過去半年):1,759円(8点)
処方なし来局購入者:10.8人/月
OTC注文者数:4.5人/月

勿論陳列やPOPも色々工夫しての結果です。どうでしょうか?なんとも言えない数字ですよね。自分でもそう思います。色々と対策を重ねてる結果、「廃棄」は想像以上に抑えられています。それに「注文数」や「処方せんなし来局購入者」は順調に増えており、処方せん調剤以外でお客さんとの接点が徐々に出来つつあると言えると思います。ただ、売上自体はもの足りませんね。もちろん十分黒字ですが廃棄を怖がって販売機会を失っている部分もあると思います。ただ今の売り場面積で、通常の販売方法だとこれ位で頭打ちなのかもしれません。もっとOTC部門の売り上げを伸ばしてその利益だけで従業員が雇えるようにするには、今の時代にあった販売方法の工夫が必要だと感じています。

最後に

今回、前回と(無駄に長い?)コラムをお読み頂いてありがとうございます。
そもそもなんで店の売上まで書いてうちの薬局のOTCの取組みを紹介したのかというと、小さな理由でOTCの取り扱いを躊躇している薬局の背中が押せたらな~というおせっかいにも似た気持ちからです(私の拙い経験と文章力でどの程度、背中が押せるか疑問ですが・・)。

世間では医薬分業再評価で色々と言われていますが、個人的にこの話は、調剤薬局という業種が地域の役に立ってるかどうか?が話の根底にあり、役に立つ見込みがないなら退場してください。という話だと思っています。で、OTCに取り組むということは、薬局のお客さんを従来の「処方せんを持った患者さん」から、「地域の人たち」に変化させる始めの一歩だと思っています。いまOTCをやらなくちゃと少しでも感じている方は、どこかしら似たような事を感じているのではないでしょうか?一人でも参考にしていただけると大変幸せます。また次回もお付き合いくださいませ。宜しくお願い致します。

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