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薬剤師ネクスト経営塾

狭い薬局がOTCを頑張って揃えてみた(前篇)

こんにちは仁成堂薬局の大谷です。

前回のコラムでOTC等の品ぞろえを増やす上での本当の課題を3つあげてみましたが、みなさんはこの課題について何か素敵なアイディアなどお持ちですか?

あれは実のところ仁成堂薬局の抱えている課題がベースです。うちの薬局はとても狭いため(待合室は5人座るのがやっと位の広さです)特に課題1の「セルフメディケーションの実現に必要な品揃えを省スペース、低コストで実現させる方法」どう向き合っていくかが一番の悩みです。

でも、開局から6年。あれこれ試行錯誤を重ねてきた結果、商品点数はなんとか500品目を超えるくらいまで増やすことができました(OTC140品目、衛生用品240品目。サプリメント・健康食品他140品目)胸を張るほどではありませんが、セルフメディケーションのニーズに応えられる品揃えになりつつあります
そこで今回はうちのお店が課題1対してどう取り組んできたのか、その取組み内容を紹介してみようと思います。飾り付けの話の時は仕組み作りの話でしたが、今回はおもいっきり方法論です。

とは言っても、やみくもにやり方を羅列してもわかり難いと思うので、今回は下の3つ視点から紹介してみようと思います

1 陳列スペースの作り方
2 商品の選び方
3 廃棄、欠品の避け方

1 陳列スペースの作り方

 狭小店舗ではそもそも商品を置くスペースをどうやって作るかが最大の課題です、それにOTCの陳列什器はとても高価です。必要コストと割り切ればかっこいいのですが、なるべくなら初期投資はできるだけ抑えたいですよね。

[1] 陳列什器を置くスペースを作ろう

薬局の壁面にはいろんな掲示物やポスターが貼られていて、陳列什器を置くスペースがほとんどなかったので次のような工夫をしてみました。

① ポスターは掲示期間と掲示スペースを決める
講演会のお知らせ、○○週間の紹介、疾患の啓発、保険証の様式変更、自己負担割合の変更のお知らせ、後発医薬品の啓発などなど、薬局の壁面には様々なポスターがあります。ちょっと油断するとあっという間に、壁面がポスターで埋め尽くされます。色あせたポスターはありませんか?同じ目的の啓発ポスターが複数枚ありませんか?開催日や開始日からずいぶん経過したポスターはありませんか?それらを取り除くだけでずいぶんスペースが出来ました。

② 複数枚の掲示物を1枚にまとめる
ポスターと同様に薬局内には義務付けられた掲示物がたくさんあります。中にはスペースに余裕のありすぎる掲示物がありませんか(例えば、明細書発行のお知らせの掲示をA4用紙1枚使って行うなど)?文字の大きさに注意を払いつつも、無駄なスペースを詰めて作成すると、掲示に必要なスペースがずいぶん節約できました。

[2]陳列什器を用意しよう

 OTCの陳列什器は結構な金額がかかります。薬局薬剤師の使命感からそれを購入するのもありですが、私は売れるどうか解からないOTCの什器に十何万もかける勇気はありませんでした。

① 棚を買おう
OTC用の陳列什器じゃなくたっていいと思います。商品が陳列できればいいと割り切りました。当店の場合は二○リや、ホームセンターで購入したものを使っています(どれも、一台数千円程度で、現在4台の棚があります)。

図1
説明:大活躍しているニ〇リの陳列什器

② 棚を作ろう
壁面だけでは陳列スペースが足りないため、受付カウンターの側面にも陳列スペースを作りました。作り方は簡単です。まず金属製のネットを取り付けて。そこに、ホームセンターで購入したポリボードとの店舗什器のネットショップで購入したフックを組み合わせるだけです。日曜大工が得意なら数千円で完成です。

図2
説明文:開店直後の受付カウンター周り

図3
説明文:正面と側面の2か所に陳列スペースを作り陳列スペースを確保

オリジナルカタログを作ろう

 これはつい最近スタッフの提案で始めた取組みです。店頭に並びきらない商品を中心にオリジナルカタログを作り、待合スペースのソファの横に置いています。作るのは少し手間がかかりますが、一度完成すれば重宝します。商品の入れ替えも簡単で、お客さんの待ち時間対策としても効果的なようです

図4
説明文:カタログ表紙 まだ出来立てなので可愛くないです・・

図5
説明文:スタッフのお手製のページです。

図6
説明文:商品のカタログを挟んだだけのお手軽ページです。

2 商品の選び方

OTCはなにを置こうか?衛生用品はどうしよう?担当MSさんに聞いても良くわからない・・ そもそも、一般用医薬品の薬効分類すらあやふやな状態。思いつく限りで用意してみたけど、ずいぶんスペースが余った・・どうしよう?そういう薬局も多いはずですよね。私の薬局も最初はそんな感じでしたが、下の方法で対処してみました。

図7
説明文:スペースが余っている初期のOTC棚 もちろんニ〇リ製

図8
説明文:受付カウンターに初めて商品を置いたときはお菓子だらけでした

[1]「薬剤師のためのドーピング防止ガイドブック」の利用

ご存じの無い方もいらっしゃるかもしれませんが、公認スポーツファーマシスト向け参考書で毎年、日本薬剤師会とその年の国体開催県の薬剤師会が中心となって作成しているもので、ドーピングに引っかからない一般用医薬品が「解熱鎮痛薬」や「整腸薬・下痢止め」といった薬効分類ごとに商品名が掲載されています。(日本薬剤師会のホームページでダウンロード可)
本書に掲載されている商品を薬効分類ごとに選べば、すべてのOTCのカテゴリーを漏れなく用意できるし、尚且つうっかりドーピングも防げる一石二鳥の効果もありました。
注意することは、禁止リストの変更に気づかず、アスリートに商品を販売してしまうことです。ドーピングの禁止リストは毎年1月1日に更新されます。

[2]疾患別に揃える

例えば高血圧治療に必要なもの。風邪の治療に効果的なものといった具合です。
当薬局の場合は主応需先の専門が消化器内科のため、最初のターゲットを胃腸炎、風邪、高血圧とし、下のようなラインナップで揃えました

胃腸炎:おかゆ、経口補水液、高カロリー栄養食、汚物処理キット
風邪:体温計、マスク、熱さまシート、氷嚢、栄養ドリンク
高血圧:血圧計、電子塩分計、減塩調味料、活動量計・歩数計

この揃え方をすると服薬指導が充実する効果もありました。風邪や胃腸炎などでは、補水液の正しい飲み方、体温計の測り方、なども一緒に伝えることができ、とても好評です。また高血圧の場合は、血圧計の測り方を通じて家庭血圧を測定する大切さを伝えられるし、食事療法や運動療法も、ただ口頭で伝えるだけでなく、実際の商品を用意しておくことで、「健康パートナーとしての薬局」というメッセージも伝わると思っています。

[3]問い合わせに合わせて揃える

当薬局の場合[1][2]のステップを経たころから、処方せんなしのお客さんが来局されたり、商品の問い合わせの電話がかかってくるようになったと思います。
下に一例をあげてみました。内容はかなり多岐にわたっています
例)
・犬に噛まれたので消毒薬、滅菌ガーゼと、防水テープがほしい
・お祖母ちゃんが水を飲むときにむせる
・腰痛なのでサポーターを探している
・いつも使っているあのOTCを置いてほしいetc

また、薬剤師からリクエストが上がるようになったのもこのころからと思います。服薬指導で必要性を感じたケースがほとんどですね
例)
・敏感肌の方向けのシャンプーや乳液
・逆流性食道炎の方向けのカフェインレスコーヒー
・禁煙治療中の方向けのノンカロリーの飴

この時、不動在庫にならないように注意しています。1回のみの注文なのか、今後も店頭に常備したほうが良いのか?購入の際、しっかり確認しています。
また、店頭に無い商品を言われることもありますが、この場合もすぐに無いと断らず、何日後なら入手できると予定日を伝えたり、状況をよく聞いて代替商品を提案したりと、丁寧な対応をこころがけています

商品がある程度揃ってくると、お客さんのお店に対する印象が変わってくるように感じます。もちろん、全員が全員というわけではありません。でも問い合わせをする方にとっては処方せんの薬をもらう店から、自身の健康に関する相談をする店。に変わっていると思います。実際に「ここなら何とかしてくれると思って~」との言葉を添えて聞かれたこともあり、たとえお世辞でもうれしいものです。

結構文量が長くなってきましたね。少し区切りが悪いところですが続きは次回にしたいと思います。

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