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薬剤師ネクスト経営塾

有能な若い管理薬剤師ほどしくじる?「任せられない」への対処

リーダー or マネージャー

先日、私を含めた数人の薬局薬剤師でお酒を飲んでいた時の話です。ふとしたことから管理薬剤師はリーダーなのかマネージャーなのか?という話題になりました。皆さんはどう思いますか?

この話をするときに整理しないといけないのが、それぞれの言葉の意です。研究者や書籍によって少しずつ表現は違いますが、大体の意味はこんな感じだと思います。

リーダー   :指導者。特定の地位に立っている者のこと
リーダーシップ:統率力。指導力。
マネージャー :管理者。仕事の進捗を管理する者のこと
マネジメント力:仕事の質や、生産効率を管理する力

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よく勘違いをしてしまうのが、リーダーシップとリーダーの違いだと思います。リーダーは上記の通り役職です。対してリーダーシップというのは能力です。だからリーダーでない人でもリーダーシップを持っている人はいますし、その能力を発揮する場面もあります。また、リーダーシップを備えていないリーダーも存在するし、リーダーシップに優れたマネージャーも存在します。

そもそもなぜ、こんな話になったかというのは、最近は管理薬剤師を嫌がる人が増えているよねという暗黙の共通理解からです。もちろん、責任ある立場を避けたいという意識から嫌がる人もいますが、楽しそうに働いていた先輩薬剤師が管理薬剤師になったとたん笑顔が消え、とても苦労している様を見てしまうことも原因の一つではないかな?と思います。

あんなに優秀と評判だった人が管理薬剤師になったとたんに苦労する。その原因はなんなのでしょうか?もちろん本当の理由はその人自身に聞かないとわかりませんが、個人的によく感じる(orよく聞く)理由が2つあります。1つ目の理由が任せられないこと。2つめの理由がリーダーシップの不足。です。ここでそれぞれについて考えてみましょう。

ここで最初の質問に戻ります。管理薬剤師はリーダーなのでしょうか?それともマネージャーなのでしょうか?社長が管理薬剤師を兼務しているような薬局では管理薬剤師がリーダー兼マネージャーだと思います。でも今回話題になった管理薬剤師の場合はオーナーではないので、マネージャーですよね。

プレイヤーである薬剤師の時代は自分の業績だけで勝負できる立場でした。でも管理薬剤師になると仕事の範囲が増えてしまい、すべての詳細を把握できなくなります。それを無理してプレイヤー時代の意識のすべてを自分でやろうとしてパンクしてしまう。優秀と言われた人ほど陥いる罠のようなもので、苦しそうな管理薬剤師さんの何割はこの罠に嵌っているような気がします。

立場が変われば意味も変わる

では管理者がこの罠を避けるためにはどうすべきなのでしょうか?罠にかからずどうやってお店のことを管理するのか?どうやってコントロールするのか?多分それはコントロールをあきらめることだと思います。

つまり「自分のやり方ならこうなんだけど、他の人のやり方でも結果が同じならいいだろう」「今までは自分で探してた正解を他の人にお願いして見つけてきてもらう」といった感覚を受け入れること。

そして次に「コントロール」の意味を変えること。つまりプレイヤーとしての「自分の頭の中ですべての詳細を把握して、それを瞬時に思い出すこと」から管理者として「十分な情報が得られるような仕組みを作るとともに、適切なタイミングで指示が出せるように、周囲に目配せしておくこと」。

さらには「能力」の意味もプレイヤーとしての「自分で優れた仕事をする」から「他の人がいい仕事ができるような支援をすること」に変えてします。

小手先のことかもしれませんが、立場がプレイヤーからマネージャーに変わるのと一緒に、言葉の意味を変化させれば、疲弊することなく、職務をコントロールし、成果を上げることができるようになるのではないでしょうか?

見極めて任せる

少人数で運営されること多い調剤薬局においては管理薬剤師は、プレイングマネージャーとして管理者としての職務とプレイヤーとしての職務を両方行う必要があります。まだ本気だしてない(笑)方なら両者をこなすことも可能でしょうが、普通はやり方を変えないとパンクしてしまいます。うまく両立させるためには下のようなことを意識して、自分にしかできない仕事が何なのか?を慎重に見極める必要があると思います

・この仕事が自分の我慢できるレベルでこなせる人が他にいるのではないか?
・この仕事の一部を誰かにお願いできないだろうか?
・仕事の草案は誰かに任せて、自分はそれに手を加えるだけでもいいのでは?
・この仕事のせいで、自分にとって一番大切な仕事ができなくなっていないか?

仕事を他の人に任せるということは、自分が持っている仕事を他の人に割り当てることだけじゃなく、自分の仕事になる前に他の人に回すことも含まれます。例えば他の人から自分に仕事の依頼が来たとき、たとえ助けることが出来るとしても、他の適任者に任せることです。特に自分が必ずやるべき仕事をこなせてない状況なら、それ以外の仕事は引き受けないことです。今までは聞かれたこと、依頼されたことを何でもこなすことをモットーをしてきた人にとって、これはかなり難しいことだと思います。もしかすると自分がワガママで、チームの輪を乱していると感じるかもしれません。でも、仕事を人に任せることは、相手の能力に敬意を払うことであり、そのおかげで自分にしかできない仕事をやり遂げる余裕もできてきます。それが結局お店にとって本当に必要とされていることだと思います。

とはいえ、仕事を任せ始めると、自分の思いとは違う方法で仕事が進んでくケースがどうしても出てきます。こんな時、任せたスタッフに対して怒ったり、いらだったりしてしまうこともあると思います。しかし、だからといって、その仕事を取り戻すのではなく、むしろ学習のチャンスに変えることが有意義だと思います。今後は別のやり方ができないかどうか。次回うまくやるには何が必要なのか。じっくりと担当者と話すことが大切だと思います。そして任せたことを後悔せず、自分しかできない仕事を優先することを再認識すること。それが必要なことなんだと思います

リーダーシップが足りない・・

そうはいっても、うまくいかないケースがある。それは管理薬剤師が任せようとしても、スタッフが拒否するケースで、実際このパターンはとても多いと思います。もしかすると管理薬剤師が仕事を抱え込んでしまう一番の要因かもしれません。つまりリーダーシップのなさが出てしまう。

組織は、異なる価値観、異なる年齢層、異なる生活スタイルの人たちの集合体です。「こうあるべきだ」、「こうするのが正しい」なんて理屈だけでは人は動いてくれません。もちろん、具体的でわかりやすい指示がだせる。相手とコミュニケーションの取り方が巧み。などテクニック的なことも大事だとは思いますが、いちばん大切なのは本人の「人間力」と「志」だと思っています。

「人間力」は社会人として魅力的であるということ。「志」はこの業界をどうするのか?この店をどうしたいのか?といった想いのこと。です。当たり前ですよね。指示を受けるスタッフも人間です。薬の事以外なにも知らない世間知らずの上司。そんな人の指示は無理してまで聞いてはくれません。「私も忙しくてその仕事受ける余裕はありません」などとにべもなく拒否されてしまいます。ここで上司の指示を拒否するなんて組織人として非常識だ!と原理原則をいいたくなりますが、マネージャーとしてスタッフの力を引き出し、自分のお店に対する思いをキチンと形として表現するには、そういった不条理を乗り越えなきゃです。

見えない力の育て方

428edfa7435247f16ed867245b7016e4_sただ「人間力」や「志」のような「見えない力」は一朝一夕に身につくものではありません。日々起こる事象を自分のこととして真剣にとらえ、どういう意味があるのか?自分だったらどうするか?と自分で考える時間がとても大切になってくると思います。それに薬や薬局のことだけじゃなく、世の中がどう変化していくのかを感じていく必要もあると思います。確かに薬の勉強も大切です。プレイヤーたる薬剤師として日々の勉強は必要不可欠です。でも管理薬剤師としてリーダーシップを発揮するにはそれだけじゃ不十分です。色々な所に出かけ、色々な人と交流する。具体的には下にあげたような内容でしょうか?

・薬の勉強会以外で、社外の人と交流する機会や場を持っていますか?
・卒業後にできた知人で「○○先生」ではなく、名前、苗字、ニックネームで呼んでくれる人がいますか?
・知人が飲みたい気分になった時、その人の頭の中にあなたの名前は浮かびますか?

趣味でもいいし、自己啓発でもいいと思います。意識的に薬局の外に目を向けて、薬剤師のしがらみを外してでも、仲間と話し合い、共感しあい、学びあう。「見えない力」はいわゆる職場外のつながりを地道に積み重ねていくことで自然と育っていくものだと思います。もし、3つとも該当しなかった方、今からでも遅くありません少しでいいから意識してみませんか?

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