無料で登録

薬剤師ネクスト経営塾

所謂「マネジメント力不足」の正体

お久しぶりです。仁成堂の大谷です。
しばらくお休みしててすみません。ここ数か月自己研鑽の旅に出ており、こちらのコラムはお休みを頂いていたのですが、今回から無事再開です。またよろしくお願いいたします。

薬局業界に危機迫る?

お休みの間に重要な発表がありましたね、一つは厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」 で、もう一つは財務省からの「平成28年度診療報酬改定の財務省案」です。

gaiyou_1

前者は以前から予想されていた内容なので、ハードルの高さなどで不満はあれど、方向性は理解できるのでは?と思います。
次に後者についてですが、これは怖いですね。そのまま通ると、処方箋1枚当たりの粗利が400~500円位下がるのでしょうか? 実際は中医協の議論を踏まえてのことなので、どうなるかはわかりませんが、日薬にはしっかりと主張をしていただきたいですね。そして、私たち自身も今のうちに準備できることをしっかりと取り組んで行く必要がありますよね

こういった話を薬局経営者の方と話していると、ものすごく将来に悲観し「薬局業界はもう終わりじゃないか?」「会社を売却したほうがいいのかな?」と、極端な方向に話を進める人がいます。私はこれが不思議でなりません。

先日ある中小企業向けの経営セミナーに参加した時の話です。講師が講演の冒頭ででこんな話をしました。

「今、中小企業を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。年商100億以下の会社で黒字の企業さんは50%程度です。職種別にいうと第一次産業に属してる方はものすごく厳しい状態です。逆に、一番楽なのは調剤薬局です。あれが一番簡単です。高齢化も進みますしね。羨ましい・・・・」

会場に私がいるのに、そういう発言をする講師のスタイルの是非は置いておき、皆さんはこの発言に反論できますか?

・高齢化が進み、ヘルスケアに関するニーズも拡大中
・薬剤師の確保が必要で参入障壁が高い
・3Kとは真逆の業界
・マーケティング活動が不要
・売り上げ回収の保証が極めて確実

確かに、客観的に考えてこんなにいい条件の業界は他にはないように思えます。でも、薬局関係者は狼狽といってもいいほど悲観している方もおられます。何故なのでしょうか?

マネジメントを分解してみよう

子供がお化けを怖がるのは、それが何かよくわからないものだからで、それがシーツだと知ってる大人にはとるに足らないものです

実際のところ私たちを襲っている恐怖は、「マネジメント力不足」に起因しているといわれていますが、具体的にはどういった事を指しているのでしょうか?

ここに一般的な経営の流れを示してみました。

① 外部環境(機会、脅威)の内部環境(強み、弱み)の把握、分析

② 目標の設定(目標売上、目標利益の設定など:例)企業理念,経常利益)

③ 企業戦略(お店の方向性の決定:例)成長戦略)

④ 事業戦略(他社との競争の方法の決定:例)競争戦略)

⑤ 機能戦略(各種オペーレーション方針の決定)
・財務(財務会計、管理会計)
・組織体系(会社組織、権限移譲、コミュニケーション)
・人的資源(採用、配置、評価、報酬、能力開発)
・マーケティング(製品、価格、販路、宣伝)
・情報システムetc

⑥ 計画の実施

⑦ 評価

⑧ 各種改善

以下繰り返し

物凄く大雑把にいうと、マネジメントというのはこの流れをコントロールすることを指してて、少し細かく分けると④~⑧がマネジメントの守備範囲で、①~③がリーダーシップの守備範囲です。

例えば

・調剤報酬の勉強会に参加するのは、①の外部環境の把握や、③、④の戦略立案の話です

・会社の研修制度の整備は⑤の人的資源の能力開発や、マーケティングの製品、宣伝あたりの話です

・PDCAサイクルをこの表に当てはめると
P(計画:①~⑤)
D(実施:⑥)
C(評価:⑦)
A(改善:⑧)になります。

もう少し各段階についてチェックしてみましょう

① 調剤報酬とかの勉強会で外部環境の把握は容易ですよね。では内部環境はどうですか?
② 経営理念は明確ですか?また改定に合わせた予想を立てていますか?
③ ④:競合とどうやって差別化しますか?
⑤ ①~④で決めた戦略を現場に落とし込む工程です。すべての視点が戦略に沿っていますか?
⑥ 計画を無理なものと諦めたりしていませんか?達成するためのアクションをしていますか?
⑦⑧チャレンジは成功していますか?うまく行ってない箇所は改善しましょう

足りないマネジメント力はどこだ?

5e2502d866daa7618144cc97c191779c_s

どうでしょうか?皆さんの会社はこの流れに沿った会社運営ができていますか?「うちは会社が小さいからここまでは必要ないよ」とかエクスキューズがつい出てしまいがちですが、残念ながらこの一連の流れは会社の規模とは無関係です。会社が小さいから流れに沿わなくて良いという訳ではないそうです。

具体的にどの部分が抜けていましたか?①、⑥あたりは比較的できてるケースもあるのではないでしょうか? 逆に難しいのは②~⑤の辺りでしょうか?これを言葉にすると、研修会や勉強会に参加して将来の危機を知るけど、仲間内で大変だと言い合うだけで、会社でそれを踏まえた準備、対応をとっていない。という感じでしょうか?書いている自分自身、思い当たる節がありすぎて身につまされます。

「外部変化に合わせた対策が立てられない」
「対策が頭に浮かぶけど実行できていない」
「対策がうまく進まなかったとき、修正できない」

理由はどうあれ、この状態を許容してしまうことこそが、「マネジメント力不足」の正体ですよね。

おすすめはビブリオバトル

今までの調剤薬局業界は、これらのことをあまり考えなくても、隣の病院が流行ってさえいれば黒字を出すことができていました。他業種も羨むほどの異常な状態です。それが今後は少し厳しくなります。でもいきなり厳しくなるわけではありません。少しですがまだ時間があります。それに書店や飲食店のように、どんなに頑張っても抗えない時代の流れや流行り廃りと戦う訳でもありません。頑張ればたぶん報われる程度の危機です。頑張らない薬局が倒産し、非常識な従業員が職を失う程度の危機です。つまり社会にとっては好ましい程度の危機であり、言い換えると、マネジメント力があれば失敗する可能性がグッと低くなる程度の危機です。

ならば努力してマネジメント力をつけるに越したことはありません。あとはつけ方を考えるだけです。

思い切ってビジネススクールに参加したり、外部の経営コンサルを積極的に活用するのももちろんいいと思いますが、一番お手軽なのは読書ですよね。ただ、一冊読むのもある程度時間はかかります。それにいい本を選ぶのも結構難しい。何より、その内容を自分の会社に落とし込めないことがあります。そこで個人的に一番お勧めしたいのはビブリオバトルを活用した、ノウハウの共有です。IT業界の知人がこれを使って勉強しておりとても良いなと思ったので紹介しておきます。

手順は簡単です
①お互いがお薦めの本を持って集まる
②一人5分で本の紹介をする
③それぞれの紹介の後に参加者全員でその発表に関してディスカッションを行う
④終わった後に、みんなで投票してチャンプ本を選ぶ
⑤チャンプは懇親会がタダ!

メリットはこんな感じです
・多くの良質な本とそのエッセンスを知る
・エッセンスの活用法やノウハウが学べる
・参加者同士の距離が近づく
・プレゼンの練習になる
・懇親会が楽しい

知人いわく、
本の紹介は原稿や、パワーポイントなどは用意しないこと。テーマを決めないとチャンプ本が選びにくい。同点が多いと懇親会の奢りが辛い。プレゼン中の質問もウェルカム。等が盛り上がるコツだそうです。
漠然としてる課題も分解すれば解決可能になることは多々あります。マネジメント力の向上も恐れず分解すれば「マネジメント力=環境を把握する力×条件に合わせて対策を立てる力×立てた対策を遂行する力」になります。あとは行動するだけ、問題は行動が解決するってやつですね。さぁ皆さん頑張っていきましょう。私も負けずに頑張ります!

このページは登録ユーザー向けです。
ログイン、もしくは登録をお願いします。

Existing Users Log In
 ログイン状態を保持する  

薬剤師アカデミーに登録してレッスンを受ける(無料)