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薬剤師ネクスト経営塾

『保健医療2035』から考えるビジョン (第4回)

お金がない

 健幸ポイント制度が各自治体で始まっている。○kg体重を減らしたら△ポイント付与、□ポイント貯まれば商品券と交換、といった具合だ。もしかしたら、ジェネリック医薬品に変更したら●ポイント、OTC薬で治療したら▲ポイント付与ということも始まるかもしれない。国や自治体もポイントで健康を促している。調剤ポイントも時間の問題かもしれない。

 ポイントでインセンティブを付ける。予防医療を促して、医療費を減らしたい。それもこれも、全ては国にお金がないということだ。提言書にはこう書かれてある。『たばこ、アルコール、砂糖など健康リスクに対する課税』と。
たばこ税、酒税は高くなるかもしれないし、今後は砂糖税も新たに制定される可能性がある。さらには、脂っこいラーメンや塩辛い漬物には、脂肪税、塩分税などの議論も出てくるかもしれない。なりふり構ってはいられないということだ。

 現在の日本の借金は地方自治体も合わせ、1,000兆円と言われている。政府や自治体の借金とは言え、この問題を放置しておくわけにはいかない。

 提言書にはこうも記載されている。

『(中略)後期高齢者の患者負担の軽減など年齢によって軽減される仕組みがあるが、これらについては、基本的に若年世代と負担の均衡や、同じ年齢でも社会的・経済的状況が異なる点を踏まえ、検証する必要がある。(中略)不必要に低額負担となっている場合の自己負担の見直しや、風邪などの軽度の疾病には負担割合を高くして重度の疾病には負担割合低くするなど、(中略)検討に値する』

 将来的には、高齢者も自己負担が3割になったり、風邪で受診したら自己負担5割になったりという時代が来るかもしれない。それだけ、日本の財政は厳しいということだ。

 日本医師会総合政策研究機構が発表した『将来の人口動態等に基づく医療費推計』は、現状の1人当たり医療費の伸びのトレンドが継続した場合、2025年の推計医療費は47兆9,978億円、2035年は52兆1,895億円と示している。一方で、2015年以降、20歳以上のすべての年齢階層の1人当たり医療費の伸びを抑制できた場合の2025年の推計医療費は44兆7,915億円、2035年は45兆6,024億円と示している。また後者の場合、前者と比べて10年間(2015-2025年)で節減可能な国費投入額は4兆1,361億円、20年間(2015-2035年)では16兆9,947億円と示している。

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パターン別将来推計医療費(将来の人口動態等に基づく医療費推計)

おわりに

 今後は資本を持った他業種により、業界再編の動きが進むかもしれない。ますます風当たりは厳しくなるかもしれない。我々が地域や住民に必要とされ、生き残れる処方せんはあるのだろうか。

遠回りかもしれないが、自分は薬剤師の仕事を見直し、考え直し、行動し直す必要があるのではないかと考える。
例えば、副作用らしき症例を見つけたら、自ら調べて報告をする、業務改善を提案し、実行して発表をするや、他職種とのかかわり方をまとめて躊躇している人たちに周知するなどPDCAサイクルを作成し改善するといった方法だ。当たり前の仕事かもしれないが、薬剤師以外の人々にはあまり伝わっていない。それは泥臭いことでもあり、面倒なことでもある。
この怒濤のようなスピードで移りゆく時代に、こつこつと努力するというのは、馬鹿げていると思う人も中にはいるかもしれない。しかし、その泥臭い小さな一歩がなければ結果を生み出さない。その小さな一歩に取り組めるかどうかが、生き残れるかどうかに結びついていくと考える。
職能団体の働きは期待できないかもしれない。国や行政も面倒を見てくれない可能性があるかもしれない。だとすれば、ますます自分たちで考え、行動すべきではないのだろうか。

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かかりつけ薬局と健康情報拠点薬局の関係
(健康情報拠点薬局(仮称)の定義について)

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