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薬剤師ネクスト経営塾

『保健医療2035』から考えるビジョン (第2回)

診療報酬は減る

リーン(lean)とは、『引き締まった、贅肉の無い』という意味らしい。つまり、無駄な医療費は削るということだ。提言書にも、『より良い医療をより安く』と記載されている。
根拠を示せない点数はなくなるだろうし、現在高い点数についても減らしていくのだろう。調剤基本料が25点への一本化もしかり、輪ゴムを留めただけと言われている調剤料もしかり、医療への貢献度を提示できなければ贅肉と判断されても仕方ない。
2016年度改定に早速、費用対効果を測定する仕組みが一部導入される可能性がある。『日本版HTA』と呼ばれている。

評価される業務

 では診療報酬、特に調剤報酬は減らされる一方なのか。解決策になるかどうか分からないが、具体的なアクションの例として、次のようなことが記載されている。

 『将来的には、経済性と有効性の評価に重点を置き、(中略)例えば、要介護者の状態像の改善について評価する』、『どういった治療法や服薬の組み合わせが現状では最善なのかといった情報が手に入るようになり、これにより、医療サービスの過小・過剰部分を是正する効果も期待される』

 これらは、薬剤師が処方提案を行った結果、患者の治療法の選択肢を広げ、状態を改善し、適切な医療サービスを提供すれば評価するということを表しているのではないだろうか。

薬剤師にとって、処方提案は目新しい業務ではない。今現在でも行われている。しかし、診療報酬上では、処方提案に近い業務として、相互作用の確認等の重複投与防止加算でしか評価されていない。

今後はアメリカの薬剤師のように、薬剤師介入による費用対効果を示す必要に迫られるかもしれない。例えば、薬剤師が処方提案することで介護度を下げることができるといった内容だ。それには知識の向上はもちろんであるが、根拠を示すためのデータが必要だ。それも早急に集めなければならない。提言書の終わりには、ビジョン達成に向けた時間軸が載っている。~2020年の欄には、『医療技術評価の制度化・施行』『現場主導による医療の質の向上支援(過剰医療や医療事故の防止)』『地域と病院が患者側に最善の選択肢を提供』とある。あと5年で今後に評価してもらいたい業務を提示して、2035年までに『医療提供者の技術、医療用品の効能など(医療技術)を患者の価値を考慮して評価し、診療報酬点数に反映』させる道筋をつける必要があると考える。

ジェネリック医薬品への期待

 平成26年度の年次経済財政報告は、調剤医療費の増加について、『原因は投薬数量の増加』で『薬剤料の適正化が必要』としている。
 高齢者は多くの疾病を抱えている。薬剤数が多いポリファーマシーの問題もあり、かかりつけ薬局の議論が進んでいる。高血圧、脂質異常症、糖尿病を患っていれば、少なくとも3種類の薬を服用しなければならない。薬剤数をすぐに減らすことは難しいかもしれない。すぐに調剤医療費を下げるには、長期収載品をジェネリック医薬品への変更が必要となる。

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調剤医療費の増加要因(平成26年度年次経済財政報告)

提言書には『個人の選択に応じた負担のあり方を検討する。例えば、後発医薬品でなくブランド薬を使用した場合の追加的な費用や、在宅でサービスを受ける場合と入院・入所によりサービスを受ける場合とで、異なる自己負担を導入することなどが考えられる』と記載されている。
 また、第7回経済財政諮問会議に提出された資料では、ジェネリック医薬品の目標を『平成32(2020)年度末までに80%以上』と掲げている。

 2016年度改定では後発品体制加算の算定要件がさらに上がると言われており、参照価格制度の議論も始まっている。もはや、ジェネリック医薬品の取り組みは薬局にとって必須と考える。
 かつて、学術大会の発表でジェネリック医薬品の推進政策を批判している薬局があった。最近でもジェネリック医薬品はよく分からないから積極的に変更していないという経営者がいた。医療費の増加をどのように考えているのか、疑念が絶えない。

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後発医薬品の使用の飛躍的加速化
(中長期的視点に立った社会保障政策の展開)

➢第3回へつづく

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