無料で登録

薬剤師ネクスト経営塾

『保健医療2035』から考えるビジョン (第1回)

『2035年を見据えた保健医療政策のビジョンを』ということで2月から懇談会が始まり、先日には提言書がまとめられた。『保健医療2035(にー・まる・さんごー)』である。今から20年後の未来で、おそらく自分は52歳を迎えている。今回の提言書を通して、2035年に向け、どのような変化をしていくのか一緒に考えていきたい。

そもそも20年前って?

2035年は20年後だが、今から20年前はどうだったか。1995年には1月に阪神淡路大震災、3月には地下鉄サリン事件があった。PHSがサービスを開始したのもこの年だった。
薬局関連でいえば、1992年に第2次医療法改正で薬剤師が『医療の担い手』と記載され、1997年には旧厚生省が37のモデル国立病院に対して完全分業(院外処方箋受取率70%以上)を指示し、第3次医療法改正では、医療計画の中に医薬分業に関する項目が盛り込まれた。
振り返れば様々な出来事があり、この20年は激動の20年と言えるかもしれない。そして2035年までの20年は、それ以上の変化が起きると予想される。

ryuukou

ほぼ間違いなく人口は減る

20年先を正確に予想するのは困難であるが、2012年に国立社会保障・人口問題研究所は、将来人口の推計を行っている。今回は年齢構造係数を出生低位、死亡中位の推計をご紹介する。それによると2025年は1億1,885万5,000人、2035年は、1億905万1,000人と発表している。

図1は出生数と合計特殊出生率を示している。年々、出生数は減り続けており、合計特殊出生率も人口維持に必要な2.07を下回っている。
ちなみに、2014年は1億2,665万5,000人と予測されており、総務省統計局が発表した同年12月の人口推計は1億2706万4千人であった。
人口が減ることは、ほぼ間違いない。

zh1-1-01
図1 出生数及び合計特殊出生率の年次推移(厚生労働省『人口動態統計』)

今考えられる人口問題

今後20年で約2,000万人の人口減が予測されている。それまでに起りそうな人口問題を挙げてみる。
2017年には団塊の世代が70歳を迎えはじめる。
男性の健康寿命は71.19歳、女性は74.21歳と言われている(2014年厚生労働省発表)。2018年には介護を必要とする高齢者の急増が予想される。またこの年から18歳人口が120万人を切る。一部では『2018年問題』とも言われている。薬学部を考えれば、学生が少なければ当然6年後薬剤師になる人数が少なくなる。薬学部人気や国家試験合格率が上昇しなければ、新卒が8,000名を切るという時代も遠くないかもしれない。2024年の合格者数が気になる。他の職種でも同様だ。新たに医療・介護を担う若者の確保はさらに難しくなるだろう。

2021年には団塊の世代の女性が74歳を迎えはじめる。団塊の世代は男性より女性が多い。さらに要介護者が増えていくだろう。
2022年~24年にかけて、団塊の世代が後期高齢者となる
2026年は丙午である。前回の丙午に出生数はかなり落ち込んでいる。21世紀に迷信を信じている人はどのくらいいるだろうか。
2031年には団塊の世代の子供、団塊ジュニアが還暦を迎える。もしかしたらそのころには60歳定年制がないかもしれない。

そして2035年、団塊ジュニアは翌年に高齢者となる。

提言書には何が書いてあるか

保健医療2035は、『未だかつて誰も経験したことのない少子高齢社会を乗り越え、日本が更に発展し、世界の成熟をリードすることで尊敬を集めるための新たなビジョンを国内外に向けて提示し、その具体的な改革を進めていくための方向性を示す提言』である。そして、達成すべきビジョンを3つ挙げている。

1. 『リーン・ヘルスケア ~保健医療の価値を高める~』
2. 『ライフ・デザイン ~主体的選択を社会で支える~』
3. 『グローバル・ヘルス・リーダー ~日本が世界の保健医療を牽引する~』

薬局に直接関係があるのは、1.と2.であると考えるため、3.については省略する。

第2回へ続く

このページは登録ユーザー向けです。
ログイン、もしくは登録をお願いします。

Existing Users Log In
 ログイン状態を保持する  

薬剤師アカデミーに登録してレッスンを受ける(無料)