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薬剤師ネクスト経営塾

「薬局の節約あれこれ」

私たちの薬局がある山口では、数か月に一度有志が集まって、薬局経営に関する勉強会を行っています。先日の会では外部講師を招いて、薬局経営に関するお金の話をしていただきました。収益は売り上げの上昇とコストの削減の両方の視点で見ていきましょうというお話があり、その中で管理薬剤師の努力でコントロールできるコスト削減の項目として以下の内容が上げられました。

1) 消耗品
2) 残業代
3) 仕入れ
4) 採用薬品

皆さんは各項目についてどんな対策をされていますか?

うちの薬局の場合は次のような取組をしています。

1) 消耗品について

① 担当者の設置
2,3年前から薬局には備品、消耗品の管理の責任者を置くようにしました。業務の内容は水剤瓶、軟膏ツボ、コピー用紙など、薬局の日常業務で使用している消耗品、備品をQCDの視点(品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Deliver))でチェックしてもらっています。

② ネット印刷の活用
ここ1年位で使用し始めました。今まではごく普通に薬局のプリンターやコピー機でイベントのチラシ、質問票、フライヤー等をプリントしていたのですが、このサービスを使い始めてからは、積極的にネット印刷を使うようにしています。
印刷する枚数やカラーかどうか等にもよりますが、場合によると半額以下になるケースもあると思います。もちろん、注文して納品までにある程度の時間(納期が長いほど価格は下がります)が掛りますが、仕上がりもキレイだし、印刷中の紙やインクの補充等を心配する必要もないし、ほんと、もっと早く知っていてれば良かったです

③ 一包化希望者の分包紙代請求
一包化を希望される方の中には、PTPシートを開けるのが面倒臭いからなどの理由の方もおられます。このような場合は分包紙代をしっかり請求しています。
中には「今までの薬局は無料でしてくれてたのに!」と、少しご立腹の方もいらっしゃいますが、そこはまぁ、真摯に事情を説明して理解していただくよう努力しています

2) 残業代について

① シフトの変更
開局して6年目になりますが、季節やスタッフの増員に合わせてシフトの時間を変えてきました。具体的にいうと、夏は閉局予定時間を過ぎてからの来局者が少ないため、早出のスタッフを増やし閉局時点のスタッフの数を減らします。逆に冬場は急な発熱などの理由で夕方以降の来局が増え、実際の閉局時間が遅くなりがちです。そのため、冬場限定の超遅出のシフトなどを設定し残業時間の発生を抑えながら対応します。

② 薬剤師限定の仕事を減らす
薬剤師は薬歴の記入などでどうしても閉店後に仕事が溜まりがちです。そのため、分包機や調剤機器の掃除などは事務、薬剤師を問わず、その日に手が空いてる人が行うルールにしています。本当は発注作業なども同様にしたいのですが、まだそこまでは出来ていません。

③ 「ECRSの原則」で業務改善
業務改善を検討するときは、ただやみくもに考えるのではなく「ECRSの原則」を意識します。この原則は工場などの生産管理の現場で広く活用されている業務改善の原則で、それぞれ次のような意味を表しています

【排除/無くせないか?】:Eliminate

 その業務を止めることはできないか?今は不要な仕事ではないかと考える

【結合/一緒にできないか?】:Combine

 二つ以上の業務を一緒に行い、かかる時間を減らせないかを考える

【交換/順番を変更できないか?】:Rearrange

作業の順番を入れ替えることで、効率的にならないかと考える

【簡素化/単純化できないか?】:Simplify

 もっと簡単で同じ効果が得られる方法がないかを考える

それぞれの英語の頭文字を取って「ECRS」となりますが、これは効果の高い順に並べられてるため、実際に活用するときはE→C→R→Sの順に改善可能性を検討することで、高い効果を生みやすくします。

3) 仕入れについて(在庫管理として)

① 高頻度少量発注を心掛ける。
月1回ではなく毎日。一日1回ではなく複数回。発注回数を増やして、1回あたりの発注量をなるべく減らすようにしています。そして月に1000錠(以下”T”とします)動く商品であっても100T単位で小まめに頼み、無駄な在庫を抱えないように心がけます。

② 使用量の少ない商品は購入方法を工夫する
例えば、グループ内や、近隣の仲良くさせて頂いているお店で100T購入して複数店舗で分けることもあるし、卸の分割販売サービスなども利用し、不動在庫のリスクを減らすようにしています。ただ分割販売のサービスはサービスごとに利用料、購入単位、返品可否などが異なるので、そのあたりには注意が必要ですね。

③ 不動在庫は毎月確認
デットストックは毎月調べています。そして3ヶ月程度動いてない商品は積極的に返品したり、他店舗に回しています。品揃えや再利用の観点から置いておくという考え方や、返品という行為が卸さんに迷惑だという考え方もありますが、利用再開の期待値と薬価改定による在庫金額の目減りや、期限切れのリスク、卸さんとの取引条件等を考えても、品揃えなら未開封のものや、他店舗で動いている商品のを選ぶほうがコストを抑えられるのでは?と考えています。

4) 採用薬品(後発品の選択について)

① 後発品のメーカーは他店舗の採用状況を考慮して決定
ごく当たり前かもしれませんが、次の項目を考慮しながらメーカー選定を行っています。

・自社の他店舗が採用している
・地域で採用している店舗が多い
・分割販売でも購入できる
・小さい包装単位がある
・購入価格が安い
・製剤的特徴が優れている

厳密ではありませんが、上にある項目ほど優先順位を高くしています。使用量の多く、ある程度の薬価が維持されているものは、購入価格の優先順位がより高くなると思います。逆に、低薬価の場合は、購入価格以上に、不動在庫になった時の処理のしやすさを重視しています。くれぐれも「どのメーカーでもいいから今、在庫のあるやつ」などの選び方は避けたいですよね。

と、まぁこんな具合です。たぶんものすごく当たり前の事ばかりですし、もっとこんなのもあるぞ、これやってないの?みたいな意見がたくさん上がりそうですよね。では、こういったコスト削減をお店で実行するときどんな順番で行いますか?

コスト削減には手順があります。

前述したように、コスト削減は無数の方法があります。でも薬局の人員には限りはあります。なので思いつくままに手当たり次第行っても頑張った割にあまり削減効果がなかったということも起きてします。工場の生産管理の現場ではこういった出来事を防ぐために、次のような3つの手順で考えるように言われています。

STEP1:データの収集
       ↓
STEP2:コストの分析・検討
       ↓
STEP3:コスト削減対象の決定

STEP1:データの収集
コスト削減をするときの大きな問題は、どのコストを削減するかを決めることです。そのためには、対象予定項目のコストを知る必要があります。電気代、廃棄ロス、消耗品費。店長レベルで集められる項目には限りがあるかもしれませんが、できる限り集めましょう。

STEP2:コストの分析・検討
ココは2つに分けて考えます。まず最初に集めたデータに無駄かあるかどうかを検討します。一番いいのは他のお店と比べることです。もちろん、店舗の規模によっても違うと思いますが、比較することで、他店舗に比べて無駄が多いのか、標準的なのか、優れているのかが大体見えてくると思います。

そして次に、予定削減策でどの程度下がるのかを調べます。手っ取り早いのは他店舗の真似をすることですよね。それぞれの項目で優れている店舗は、どんな手法を使っているのか聞いてみればいいと思います。そして、その方法を自分の店舗に取り入れるとどの程度コストが削減できるかを考えてみましょう。

STEP3:コスト削減対象の決定
 コストの分析・検討が終わったらどの項目を削減するかを決定します。

・削減効果が十分あるか?
・削減方法に手間がかからないか?
・削減結果がすぐに現れるか?
・現場の士気に悪影響が出ないか?

要は手軽に取り組めて、すぐにしっかり効果が表れるものを吟味して、一つずつ順番に決して焦らずに取り組んでいく。そうすれば数か月後にはきっと成果が表れるってことですね。何やらダイエットの極意!みたいな表現ですが、厳しい環境を迎える私たちの業界にはピッタリの言い回しですよね。一致団結!がんばってイケてる魅惑の薬局ボディを目指しましょう!

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