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薬剤師ネクスト経営塾

「こんな話が起きないように」

こんにちは 仁成堂薬局の大谷です

4月ですね。一年で一番好きな月です。自分の誕生月というのも理由ですが、色々なことがスタートし、自分自身もなにか始めようと前向きになれる月です。そこで今回は、これからの薬局について、今の自分が感じていることを書いてみたいと思います。

これからの薬局を考えるときの最大の目標は、予想される今後の環境変化に耐えられるような利益構造にすることです。そのための課題は従来の調剤報酬の依存率をどう下げていくか。言い換えると調剤報酬以外の収入をどうやって確保するのかです。

大前提として、在宅をしっかりと取組み、介護報酬による収入を得ること。そして、基準調剤加算1,2をしっかりと目指すこと。これはもう外せません。

でも、すべての薬局が調剤報酬の減収分を介護報酬で補えるわけではありませんよね。今回の話はそういうケースにどう備えますかという話です。

結論から言うと、その為には自分の考え方を転換することが大切だと感じています

考え方の転換

よく「これからの薬局のあり方」みたいなテーマで話をすると「これからの薬局はOTCを十分用意してセルフメディケーションのニーズに備えることが必要だ!」とかでてくると思います。

このとき「いま」の薬局を起点としてどう変化させていくか?という考え方が、変化を妨げてる大きな要因のように感じています。

OTCの話をもう少し進めてみましょう。

例えば商品選定のとき。「いま」の薬局の状況を起点とするとこんな感じの会話になると思います。

人

「ウチの薬局は狭くてOTCを置くスペースがないから商品は絞らないとだよね」

人

「そうだね。うちの薬局の場合ほとんど子供なんて来ないから子供用は置かなくていいでしょ」

人

「あと、薬剤師が常駐してるんだから第一類が中心にしよう」

人

「差別化ってやつだよね。第2類、第3類はドラックストアでも売ってるから置く必要はないよね」

人

「そうそう。値段で勝てないもん」
「それにしても第一類って言っても結構種類があるんだね。でも、ほとんどが処方せんを持ってる人だろうし、先生にお願いすれば、その薬を処方してもらうことも不可能じゃないんだし、ある程度でいいと思うんだよね」

人

「ですね。卸さんもこっちが注文しても取扱いがないケースも増えてるしねぇ」

人

「ホントそう。発注単位も大きいし、返品も難しいし、入荷まで時間かかるし。売れ筋中心で選ばないとね」

人

「そうすると、季節的なことも考えて、ロキ○ニンS、ア○グラEX、ガ○ター10辺りをとりあえず入れようね。あ、そうそうあニ○チネルパッチ。これは外せない」

人

「お!イイね~。禁煙支援は薬剤師の職能だもんね」

どうです?ありそうな会話と思いませんか?たぶん、この薬局は数品目から10品目程度のOTCが増えたと思います。そしてやっぱりほとんど売れませんでした。みたいな結末になると思います。結局なにも変わっていません。つまりこの会話が起きないようなものの考え方。これが大切なんだと思います。

顧客視点

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『マーケティング・マイオピア』という言葉をご存じでしょうか?

マーケティングの世界には巨匠が2人います。一人がコトラー先生で、もう一人がレビット先生です。このマーケティング・マイオピアはレビット先生の提唱した言葉です。

日本語では近視眼的マーケティングと訳されていて、意味としては、目の前の出来事にこだわりすぎ、自分の会社が本来果たすべき社会的な役割を狭く解釈してしまい、その結果、成長の機会を見逃して、衰退してしまうことを指しています。

このOTCのケースでいうと、自分たちのことを(調剤専門)門前薬局と捉えてしまい、その薬局の都合で話を展開してしまっています。その結果、来るお客さんを限定し、品揃えを狭め、結果なにも変わらない。典型的なマーケティング・マイオピアです。

じゃあ、どうすれば良いのでしょうか?

レビット先生はこの問題の解決策として、顧客ニーズを中心に話を展開することが大切だと語っています。

さきほどのOTCの例でいうと、薬局の周りに住んでいる人のセルフメディケーションのニーズにどうやって応えるのか?というのがスタートです。

だからニーズ応えるためにはある程度の品ぞろえを用意することはその第一歩目であり、

本当に解決すべき課題は

①    セルフメディケーションの実現に必要な品揃えを省スペース、低コストで実現させる方法

②    処方せんがなくても入りやすい薬局の環境の作りとそのアピール手段

③    セルフメディケーションに対応できるスタッフの育成

等が挙げられます。

ここで、次の不安がでてきます。

盛んに言われてるようにセルフメディケーションに十分対応して、在宅に取り組めば、調剤報酬が減っても経営が成り立つのでしょうか?コンビニや、ドラックストアに対抗できるのでしょうか?

正直な所、考えても仕方のない話かもしれません。でも経営者は最悪の事態を想定する習慣は持つべきだと思いますし、危機を遠くで発見できれば、余裕をもって対応できます。

だた、レビット先生に言わせると、そういった不安も、顧客ニーズを中心とした考え方で、経営的な想像力と大胆さを心掛ければ対応できるそうです。

もう一度先ほどのOTCの例に戻ってみましょう。

顧客のセルフメディケーションのニーズを満たす方法は、店頭での薬の提供以外になにかないでしょうか?

例えば、

顧客がOTC選択で迷わないように薬や健康に関して学べる塾を開設する

顧客の症状にあったOTCや衛生用品をドラックストア等で購入し配達する

などもニーズを満たしていると言えませんか?

この解決策は、自分たちを薬局と定義するとおそらく出てきません。でも、自分たちを薬に関する豊富な知識を所有している人たちと定義すると出てくる可能性があります。

もっと設定を大胆にしてみましょう。例えば顧客を海外在住の日本人にしてみるのもいいかもです。Skype等を使って購入のアドバイスをするとかはどうでしょうか?

勿論、今挙げた3つの方法は経営として採算が取れるのか、法律的にどうなのか?なんて全く考えていません。

顧客がだれなのか?

どんなニーズが潜んでいるのか?

どうやって応えるのか?

自分たちの意識を変え、考え方を変えることで調剤報酬がなくても成立する全く新しいビジネスモデルが生まれる可能性もあるんだと思います。

不安でいっぱいだけど、考えることを辞めたらおしまいです。まだまだ真剣に考えてる人なんて極わずかですよね。これで厳しいとかいってると他業種の人から笑われますよ。

レビット先生はマーケティング・マイオピアの論文の冒頭でこう書かれています

「いずれの場合も成長が脅かされたり、鈍ったり、止まったりする原因は市場の飽和にあるのではない。経営に失敗したからである」

つまり、上手くいかないのは自分たちのせいだ。

周りのせいにはしたくないですよね。さぁ今年度も頑張りましょう。

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